「景観」とは何であろうか 深山峠・観覧車と函館・自由の女神像
2010年07月30日掲 載
昨日、「函館奉行所」がオープンしたことを東京のニュースでも報じていた。なかなかしっかりした施設のようである。ところで、同じ函館で、少し前まで自由の女神像の問題が全国紙やワイドショーなどで話題になっていた。二十間坂という元町観光地区の真上に、カニなどを売る水産会社があり、坂の正面に自由の女神像を建てた。函館では美観を損なう、函館の恥ということで、市民の間で大問題となり、最終的には水産会社が撤去に応じることになった。
このニュースを聞いて、ある事件とオーバーラップをした。昨年2月の拙ブログで紹介をしたが、上富良野町の深山峠に観覧車を設ける問題である。倉本聡なども参加して、美瑛・十勝岳連邦の美観を損なうということで地元で反対運動が起きた事件だ。
管理人のスタンスとしては、最終的な判断は観光客に仰いでもらうのがいちばんではないかということである。勿論、地元の気持ちは理解できるが、それが環境に相応しいか否かは第三者が決めるのがいいのではないか。観光客が沢山乗って、よかったと言えば残す。乗らずに評判が悪ければ撤去をする。それでいいと思うがいかがであろうか。観覧車など壊すのは簡単だ。
深山峠の場合、自然景観が損なわれという理由だが、隣にあるトリックアート美術館の方がむしろ異様である。何であの場所にと思うが、慣れてしまえば違和感はかんじなくなってしまうから人間の感性は不思議だ。
深山峠から見る美瑛丘陵などももともとは人が開墾して出来上がった景色なので、本来の自然景観ではないとも云える。函館の元町地区も同時期に教会や領事館、墓地などが出来たのではなく、年月をかけて、今の景観が誕生している。戦後にできた函館山ロープーウエイが誕生した時は大変な違和感があったのではないであろうか(函館山にはケーブルカーがあっていると思う)。
東京のお台場にも自由の女神像がある。最初、見た時は何でこの場所にということで、違和感を感じたが今はすっかり景色に溶け込んでいる。「景観」とは時間と共に馴染んでいくものだと思う。
それでは函館のあの女神像はどうか?確かに異様である。特にいちカニ屋の販促物である。梅宮辰夫の漬物人形と変わらない。
管理人の最初の反応は深山峠の観覧車と同じで不快感があったが、途中から、「ちょっと待てよ」というスタンスになった。なぜなら、管理人はあの場所のことを知っている。つまり、先入観で見ているのだ。古い景観地区に異様な女神像が登場→悪趣味・景観破壊→函館の恥・観光客には見せられない-こんな思考図式が浮かぶ。地元の方も概ねそんなところであろう。
しかし、街を歩くと女神像以上の異様な物体を頻繁に見かける。おもに行政などが設置した、彫刻やオブジェの類で、商店街や観光ロードなどに何食わぬ顔でいる(函館市のことを指しているのではなく、あくまでも全国的な一般論)。多くが有名な芸術家に依頼したもので、とんでもないお金がかかっている。管理人はむしろ街角で見かける彫刻の方に違和感をかんじる。中には素晴らしいものもあるが、通行人の多くは御上がつくったものだからということで、通り過ぎて行くであろう。
行政が設置した彫刻には文句は言わないが、民間業者が販促のため(?)に設置したものには文句を言う。しかし、観光地にある梅宮辰夫人形やコーネルサンダース人形にクレームを付けたという話は聞いたことはない。辰ちゃん人形は以前、鎌倉大仏の正門にある土産物店に置かれていた。
函館の自由の女神像は確かに異様である。しかし、函館の歴史も知らない外国人や初めて訪れる日本人がこれを見たら、どう反応するかはわからない。もし、函館の町が自由の女神像で溢れたらどうであろうか。大顰蹙(ひんしゅく)であろうが、これはこれで見てみたい気もするのだ。
やはり、最終的な決定権(判断を仰ぐ)は先入観のない観光客にあるのではないか。そういう意味ではもう少し「放置」して、観察していれば「景観侵害」かどうかわかったと思うが。撤去はいつでもできる。
最後に深山峠の観覧車は結局「アートビュー観覧車」として、昨年4月に開業。今では町の新しい観光スポットとして賑わっているという。函館の女神像とは単純に比較はできないが、「景観」とは何であるか考えさせれた問題である。
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景観は第三者が決めるものという考えは理路整然としているがやはり景観地区で指定されている以上は地元の意見が一番大事では?観光客は二三日で帰りますが地元のひとはずーっとみるから早めの撤去がすじ
投稿者 てっぺん : 2010年07月31日 11:56
てっぺんさん、コメントありがとうございます。
今回の「景観」に関するテーマはいろいろな意見が出てくることを予想していました。深山峠の観覧車と函館の景観地区を同じ土俵で述べるのは少し乱暴ですが、敢えて、「景観」とは何であるか、人間の視覚・気付き・時間経過・思い入れなどを含めて考えてみました。
深山峠の場合は美術館も含め、定番観光コースとなっており、公共性も高い場所です。それに対して、自由の女神は販促物の域を出ておらず、そのあたりは勝負が決着しています。
地元の方が撤去すべしというのはよく理解でき、正論だと思います。これだけ話題になったので、あらためて、美観や景観について考えてみたく記事にさせていただきました。
ちなみに管理人の住む町は住民の力により、景観が守られていますが、規制による弊害も数多く生じており、舵取りは難しいところです。
投稿者 管理人 : 2010年07月31日 12:25
管理人さんのいう意味もよくわかります。てっぺんも小樽にいたものですが景観規制の舵取りは難しいものですね。海外でもやはり苦労しているみたいでただこの辺をきちんとやってきた街がやはりいい街として残っているみたいな気もして。てっぺんのいま平日いる稚内もその辺がまったく中ったらみたいで明治から昭和初期どころか戦後10年ぐらいの建物がまったくなくちょっとつまらない市街地景観です。風力発電所の景観はなかなかですがー
投稿者 てっぺん : 2010年07月31日 20:25
問題の景観保全地区に22年ほど前から居住しています。ずっと函館暮らしですが,別に景観に魅せられて現在地に住んでいるわけではありません。函館でもかつて大観覧車を建設しようとする計画もありました。結局は実現しませんでした。景観地区とは違いますが,存続が求められた函館どっくの大型クレーンも無くなってしまえば,それほど不自然さも感じていません。地元の人の多くは,こうした問題にそれほどの関心はありません。結果的に撤去することになりそうですが,もともと函館出身でない人たちが,魅力を感じる景観に意識をもって活動の輪を拡げたという感じが無いわけでもありません。実際,現在の景観地区のエリア設定は,当時,地元の人の営業活動に影響が出ないよういびつな感じで設定されたものです。いわゆるご都合主義で,本当に保全する気なら弘前のように新しいものを完全に認めない小さなエリアを設定すべきと思います。もちろん,そうであれば私はこのエリアに住むこともなかったでしょう。景観地区の観光客は明らかに減り続けています。坂が多く高年齢者向けでないことなど将来に不利な面が多い。つまり,何をしようと最後はゴーストタウン化は避けられないと思っています。最後に,問題の業者は函館のブランド力だけを利用しているにすぎません。しかし,それこそが函館の観光で食の部分の多くを占めます。なぜなら,函館自体で獲れる海産物はほとんどありません。みんなよそからもってきたものです。嘘はいつかバレます。したがって,函館の観光の将来は暗いのです。
投稿者 カルパス : 2010年08月10日 07:41
問題の景観保全地区に22年ほど前から居住しています。ずっと函館暮らしですが,別に景観に魅せられて現在地に住んでいるわけではありません。函館でもかつて大観覧車を建設しようとする計画もありました。結局は実現しませんでした。景観地区とは違いますが,存続が求められた函館どっくの大型クレーンも無くなってしまえば,それほど不自然さも感じていません。地元の人の多くは,こうした問題にそれほどの関心はありません。結果的に撤去することになりそうですが,もともと函館出身でない人たちが,魅力を感じる景観に意識をもって活動の輪を拡げたという感じが無いわけでもありません。実際,現在の景観地区のエリア設定は,当時,地元の人の営業活動に影響が出ないよういびつな感じで設定されたものです。いわゆるご都合主義で,本当に保全する気なら弘前のように新しいものを完全に認めない小さなエリアを設定すべきと思います。もちろん,そうであれば私はこのエリアに住むこともなかったでしょう。景観地区の観光客は明らかに減り続けています。坂が多く高年齢者向けでないことなど将来に不利な面が多い。つまり,何をしようと最後はゴーストタウン化は避けられないと思っています。最後に,問題の業者は函館のブランド力だけを利用しているにすぎません。しかし,それこそが函館の観光で食の部分の多くを占めます。なぜなら,函館自体で獲れる海産物はほとんどありません。みんなよそからもってきたものです。嘘はいつかバレます。したがって,函館の観光の将来は暗いのです。
投稿者 カルパス : 2010年08月10日 07:44
カルパスさんの意見には賛同できないし、説得力が欠けてると思います。某ブログの受け売りに見えますがまあいいか。
故郷を離れて8年ですが景観はすばらしいものです。それを守りたいというのは市民の感情でしょうに。エコノミー面でしか考えないのはフィアじゃないです。
投稿者 : 2011年05月09日 18:47

