石勝線「Sおおぞら」で往復とも大幅遅延アクシデントに遭遇、JR北海道は現場の改善を
2011年06月18日掲 載
写真左は15日の遅れの案内、右は16日のもの(共に札幌駅西口改札前)
15日、札幌から釧路まで「Sおおぞら5号」に乗車。翌16日は「Sおおぞら8号」で札幌へ戻ったが、両日とも追分駅構内の信号機故障などに巻き込まれて、下りが1時間遅れ、翌日の上りは3時間遅れで特急料金払い戻しとなった。一連の事故原因や安全管理については、国交省やJRに任せるが、車掌や駅構内の対応のまずさが目立った。
13日から北海道に来ていた。15日は釧路へ「Sおおぞら5号」で移動をするので札幌駅へ行くと列車到着遅延の自動音声案内が。案内板では「追分駅構内の信号機不具合のため、Sおおぞら4号は30分遅れで運転中」とあるが、肉声での案内は「お出迎えのお客様・・・」のみで出発に関するものはない。
11時51分発の5号は4号の折り返しなので、西口駅改札で出発時間を尋ねると、新人職員が「到着してからも出発準備に20分かかります」とのこと。管理人は12時を過ぎるかと訊くと「わかりません」であった。この時、11時40分。先に昼を済ませようかと思い、今度は東口改札へ行ってみた。女性職員に出発を訊くと、「折り返してすぐに出発します。まもなく到着するのでホームに行って下さい」。駅での昼食はやめることにした。
改札を抜けたが、到着遅れに関しては、自動音声と肉声で何度も流していても、やはり出発に関してはなかった。ホームへ行くと、白い夏服を着た職員数人が平身低頭しており、詰め寄っている乗客もいた。優先順位からいけば、「到着・お出迎え客」ではなく、「出発・乗客」ではないか。
実は管理人が北海道に来た13日にも「Sおおぞら」が大幅に遅れた。空港から「エアポートライナー」に乗ったが、なぜか千歳駅に釧路行きの「Sおおぞら」が止まっているのを発見。状況がわからなかったが、あとで調べると、札幌行きの4号が車両故障のため、南千歳で運転を打ち切り。千歳へ車両を移動し、千歳始発の「Sおおぞら」として待機していたようだ。
その2日後にふたたびのアクシデントである。結局、20分遅れ程度で発車をしたが、「Sおおぞら5号」の車掌の対応がよくなかった。管理人は長い距離なので、”プチ贅沢”でG車に乗車をした。JR北海道のG車は車掌ではなく、女性アテンダントが対応するが、車掌からは一切、詳しい遅れの理由に関する説明がなく、「本日は信号機不具合により、列車が遅れたことをお詫び致します」のフレーズを自動音声のように繰り替えていた。
気の毒なのは、アテンダントの女性であった。乗客二人が執拗に、遅れの理由やJR北海道の一連の不祥事への対応を問いただす。なかなかの美女Wさんは困り果てていたが、「お客様の貴重なご意見を本社に報告させていただきます」とお客様相談センターのような答え。そうしか対応できないであろう。
こういう時は扉を挟んだところにいる車掌がやるべきであるが、何もしない。この日は車掌が二人乗務していた。アナウンスを担当した若い車掌のほか、ベテラン車掌が乗務していたが、このベテランは乗務室の扉を閉めたままで出てこない。この若い車掌もG車を通り抜ける時、ろくにお辞儀もせず、勿論制帽など取らない。こういった部分での教育は国鉄時代の方が優れたいた。
出発した「Sおおぞら5号」は石勝線に入ると、臨時停車が増え、遅れも増して結局1時間遅れで、釧路へ到着をした。結局、車掌からの詳しい説明は最後までなかった。
ここまでのことはブログで公開し、車掌の危機管理対応、状況説明の重要さについて書こうと思っていたが、翌16日は更なるアクシデントが待っていた。
追分駅での2回目の信号機アクシデント(国交省の査察が入った中で発生)については、ご存知の方も多いと思うので詳しく書かないが、管理人が乗車した11時29分発「Sおおぞら8号」は定刻に発車をした。帯広までは定時に運行をしたが、石勝線に入ると信号停止が相次いだ。
途中、占冠-新夕張間の信号所、新夕張駅、川端駅で「下りSおおぞらと行き合ひ停車をします」というアナウンスが入るが、列車が来ないままに発車。次第に停車時間が長くなり、東追分駅では2時間近い停車となってしまった。
管理人が乗った車両は車掌室の隣り。車掌からは「追分駅で発生した信号機故障のため・・・」と言っているが、昨日の事故の続きで、手信号のため遅れているのか、新たな事故が発生をしたのかがわからない。昨日の車掌よりも、親切丁寧な印象だが、状況説明がないので車掌の元へ。
聞くと、新たな信号機故障が発生との説明。下りSおおぞら5号(前日管理人が乗車)が徐行でこちらへ向かっているというので待ったが、いっこうに来ない。車掌から前後の列車の運行状況が携帯電話でわかるモニターを見せてもらったが追分・東追分間を確かに走行している。
そのうち、多くの乗客が車掌室へ。怒り出した者もいる。
「追分駅まですぐだろう。あそこは線路がいっぱいあるんだから、そこまで走ってバスの手配をしろ」(年配男性)。「千歳空港からの飛行機が間に合わない。飛行機代保証してくれるのですか(30代女性)」。「北斗星に乗るが、南千歳から函館まではS北斗で行く。接続が取れなかったら南千歳から北斗星に乗るが、それにも間に合わなかったら・・・(鉄)」。多種多様のクレームが飛び込んでくる。車掌は大変な仕事である。クレーマーたちの相手をしているので、車内放送ができない。何より情報が入ってこない。
暫くして、指令から連絡が入った。すれちがうはずのSおおぞら5号は、信号機故障のほかに車両故障も発生しており、追分駅に4時間近く停まっていたが、運転を再開するとのこと。追分駅から東追分に徐行で向かっているはずではなかったのか。こうなると何を信じていいのかわからない。
16時40分頃、4時間遅れの5号がやってきたが8号は発車しない。「追分駅からの書類が届いてからの発車になります」というナゾのアナウンスが入る。車内は大失笑。
3時間近く遅れて列車は動きはじめ、追分で臨時停車。ホームには大勢の人がいる。この駅でこんな人を見たことがない。よく見るとマスコミとJR職員であった。マスコミは既に国交省の査察が入ったこの日の朝から現地入りをしており、新たなアクシデントをライブで見てしまった訳だ。
「Sおおぞら8号」は定刻より、170分遅れで札幌駅へ到着をした。行き帰り合わせると4時間の遅れである。長々と書いてしまったが、先日のブログ「Sおおぞら火災事故 問われる乗務員の判断力」で書いたことをあらためて実感した。
JR北海道の車掌に求められるものは多いが、札幌駅構内のアナウンスにしても、全体に云えることは、「状況説明」とその「優先順位」に問題があり、「頻度」も少ない。利用者が何を今求めているのか、その理解と判断に欠けていると思う。適切な案内放送が出来ないのは社の体質、教育であろうが、現場にはナマの状況が入って来ずに、対応できないのも事実である。3.11の際、「S白鳥」に閉じ込められた時にそれがよくわかった。
普段はおとなしい北海道のお客さんさんだが、今回釧路へ往復してみて、珍しく怒っている人が多かった。最近、車両故障が多いのも、偶然ではなく、火災事故以来、頻繁に、且つ慎重丁寧に各駅などで車両を点検しているため、故障が発見されているからだと見る。皮肉な話だが、HACとも共通する問題がある。
管理人はJR北海道を応援しているが、正すべきものは多い。現場の人数が少ないなどのハンディもあるが、車掌や駅構内のアナウンスなどは改善すればすぐに取組めるはずである。風通しのよい環境でないのであれば、上層部からそこを正していただきたいと思う。
釧路駅到着後、車両点検をする「Sおおぞら」
http://www.hokutonomado.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/2046
管理人様
こんばんは。大惨事を招いたにもかかわらず、何一つ詫びる事をしないとはまさに「役所」ですね。道民として情けないです。
JR北海道には、情報開示をぜひ行ってほしいですね。それも、報道発表だけでなく、乗車する(している)客には特に核心部にまで、当然に伝えるべきです。一部のクレーマーはともかく出張で来た人、観光客といろいろな思いで北海道に来たはずです。運送契約を締結したJRには開示する責任(債務)が有ります。起こってしまったなら、それなりの誠意を見せる事、トンネルや鉄橋、信号機の点検、新しいものへの設置とかけれるコストは惜しみなくするべきです。
道東の観光客の影響は少なからずあるでしょうし、このたびの事が原因か否か夏季限定で運行する急行「まりも」が運休となりました。楽しみが今年はおわずけになった方には残念です。
今回の話の後に大変恐縮ですが、グリーン車にはドリンクのサービスが有るはずですが、コーヒーだけは御代りが自由との事です。私が、G車に乗車していた時、コーヒーを別途買おうとしてアテンダントの女性がいる詰所を尋ねました。すると「G車のお客様ですよね。コーヒーは御代り出来ますよ」と、得した気分になったものです。なお、2年前の話です。
投稿者 あさま山荘 : 2011年06月18日 19:07
あさま山荘さん、こんばんは。
今回の一連のアクシデントに関する利用者の怒りは相当なものでした。北海道では珍しいことで、同じことが東海道新幹線などで起きれば大変なことになっていたはずです。結果は結果として情報開示だけはちゃんとしてほしいですね。
最近のJR北海道を見ていると利益・効率を追求して尼崎事故を起こしたJR西日本を思い出します。急行「まりも」の復活はこちらも楽しみにしていましたが残念です。
グリーン車のコーヒーおかわりは初耳です。ツインクルレディは皆さん、かんじがよいですね。とても好感が持てます。プラス3,500円の料金(札幌起点だと函館・釧路・稚内など)は決して高くないです。16日の上りSおおぞらでもアテンダントが車掌に乗客から聞かれたことをどう説明していいのか質問していましたが真摯な態度でした。見習ってもらいたいですね。
投稿者 管理人 : 2011年06月18日 21:18
管理人さま お久しぶりです。
記事を読んでいると確かにのんびり(怠慢?)ですね。
>この駅(追分)でこんな人を見たことがない
↑この状況は笑えますね。
宮脇俊三さんがこの列車に乗ってたら、どんな文章を書くのか、、、などと思ってしまいました。
投稿者 FCエジソン : 2011年06月18日 22:56
FCエジソンさん、こんにちは。
>この駅(追分)でこんな人を見たことがない
↑この状況は笑えますね。
はい、笑えます。
追分駅前にはテレビ中継車も数台停まっていました。衆人の監視の中、堂々と遅れてしまいました。あの駅に多くのマスコミが集まったのはSLが廃止された1975年以来では?
>宮脇俊三さんがこの列車に乗ってたら、どんな文章を書くのか、、、などと思ってしまいました。
管理人は長々と書いてしまい、読み返してみるとメリハリがないなと嫌悪状態です。宮脇さんならさりげなくもチクリと強烈な一撃を加えるでしょうね。
投稿者 管理人 : 2011年06月19日 14:11
管理人様こんにちは。
国鉄末期の頃、カラスの鳴かない日はあっても、国鉄の話題は毎日あったことを思い出します。
列車火災のマニュアルが多数あり社内で矛盾だらけと国交省から指摘されました。
数年前の滝川で発生した、信号が赤に変わらないという重大インシデントで事故再発防止を誓ったのにもかかわらず、また信号に関する重大インシデント。
この会社は、関係者が責任をとらないことが、ぬるま湯体質だと感じます。(安全統括管理者の責務とは?)
現に、今の鉄道事業本部長は、前の安全推進部長で滝川のインンシデントの時も対策に関係してるはず。(何を安全統括管理者としてマネジメントしてきたのか?)
会社トップ自身に厳しさを感じさせるショックを与えねばならないでしょう。数年たてば、子会社の社長になれるから、どうにか今を乗り越えればなんて思っていおるようにしか思えません。(末端の社員にもそのような感じは伝わるもの)
JR北海道の社員の大半は、日々まじめに、規則どおり働いていることと思いますが、列車火災事故にしろ、誰かを注意することにしろ、その状況に対し咄嗟の臨機応変さの行動をとれない方々が残念ながらいるのでしょう。
それが、JR北海道の致命的な会社風土なんでしょう。
投稿者 元夕張市民 : 2011年06月19日 19:01
元夕張市民さん、コメントありがとうございます。
不祥事は一度起きると悪循環で立て続けに起きる傾向がありますね。今回のJR北海道の件は、これまでの膿がいっきに出たような気がします。
JR北海道は地域独占企業ですが、どこか東電とも通じるものがあります。これで変わることができるでしょうか。様子を見たいと思いますが、根本的な構造が変わらない限り、難しいのではないかとも思ってしまいます。
投稿者 管理人 : 2011年06月20日 20:45
管理人さん 初めまして。しばらく更新がなかったので心配していました。こんな事があったのですね。テレビを見ないので知りませんでした。北海道は憧れの土地でした。20数年前に初めて訪れた時の感動は忘れません。自然も人間も素朴で良かったと記憶しています。しかし、時代の変化とともに、北海道の魅力が薄れて行くのは感じます。もちろん、日本も世界もかもしれません。大好きな北海道だから余計に不満を感じるのかもしれません。以前、JAPANRAILPASSが購入できるので、北海道へ旅をしました。日本語はもちろん喋れますが、札幌駅のみどりの窓口で、ワザと片言の日本語で指定席を購入しましたが、窓口の若い男性は「こいつ何いってんだろわけわかんねー」と小さな声で呟いていました。JR北海道は、確かに道内優良企業だと思いますが、西日本・四国同様の旧国鉄時代をそのままひっぱる印象は否めません。ただ、ツインクルレディーの接客がピカイチだったのは、強く印象に残っています。同じ屋根の下なのに、なんでJR職員とあんなに違うのでしょうか?JRだけでなく、役所・警察・電力会社・教師・その他、これでもかと言うくらい北海道の〇〇天国を垣間見ますが、JRも同じ感覚で仕事をしているような気がします。
投稿者 サンダーバード : 2011年11月05日 14:52

