「大人の休日パス」がスタート 12,000円で行ける函館がなくなり金沢へ流れそうな今回のパス
2012年01月12日掲 載
今日12日から恒例の「大人の休日倶楽部パス」が始まった(1/12-1/24)。このパスについてはこれまで何度も紹介しているので詳細は省くが、JR東日本の50歳以上の「大人の休日倶楽部カード」会員向けのもので年2回実施される。昨年からルールが変わったので簡単に変更点を紹介する。
■改正前 JR東日本+北陸(JR西日本)+函館まで3日間乗り放題で12,000円
■改正後 5日間コース JR東日本+JR北海道全線乗り放題 23,000円 4日間コース JR東日本+北陸(JR西日本)乗り放題 15,000円
これまで12,000円で行けた函館が23,000円となった。有効日数やエリアは広がったが実質上の値上げである。これまで「大人の休日」が実施される度に函館では「特需」が発生したが昨年のルール変更以降は客足が増えず、観光関係者をがっくりさせた。新幹線を使って往復12,000円で函館まで行けるという値頃感が魅力であったが、それが無くなったので今回も期待できないであろう。
実際、「JRサイバーステーション」で予約状況を調べても東北新幹線や「白鳥」は週末でも「◎」であり、函館市内の宿泊も空いている。4日間コースでは青森まで来れるが、東北新幹線の空席状況から見ると、こちらも売れていないようである。
この5日間でJR北海道全線乗り放題であるが、首都圏から行く場合、往復鉄道だとそれほど遠くへ行けない。道東や道北方面の旅行は可能であるがスケジュール的にはかなりハードとなる。行き帰りのどちらかに「北斗星」や「カシオペア」を使いたいところだが、運賃のみの有効であり、特急券と寝台券は別途購入なのでプラス1万円以上はかかってしまい面白みがない。また、「はやぶさ」も運賃のみ有効であり、制約が多いのだ。
また、1/24までの有効期間だと流氷観光や冬のイベントなど冬期観光シーズンに突入する前に当たり、観光列車や流氷船、観光バスが運行されていないものが多い。
この金額であれば北海道へは航空機パックツアーで行くであろう。
有効期間の延長や寝台利用Okなどの条件緩和をしない限り、このパスで北海道観光をする者は少ないと見る。
以前、一般の企画きっぷで販売されていた「ぐるり北海道フリーきっぷ」は5日間有効で北斗星ソロ個室が利用できて5日間で約35,000円、7日間で42,000円であった。「青森函館フリーきっぷ」も「あけぼの」のソロ個室が利用できて約28,000円であったが、それらのきっぷと料金的に殆ど変わらず、寒い時期にわざわざ東北・北海道旅行をする動機付けにはならないであろう。
今回のパスでいちばんお得なのは「北陸」である。上越新幹線経由で福井まで行けるが、片道13,000円はするのでこの15,000円は格安である。JRサイバーステーションで週末「はくたか」(越後湯沢-金沢)を調べてみたが、午前中は「△」が多く、大人の休日利用者が多いのではないか。金沢市内の週末のホテル予約状況も調べてみたが、各サイト共にかなり埋まっている状況だ。
昨年までの函館が今年は北陸にシフトをしたと言ってよいと思う。北陸観光は昨年夏以降、好調であったと聞く。北陸新幹線効果もあるかもしれないが、今冬は北海道ではなく、北陸に「大人の休日」客が流れそうである。
1/14(土)乗車で検索 普通車がすべて空席の「はやて」と△が目立つ「はくたか」
世界一有給休暇を取らない日本人、世界一ひとり旅をする日本人 これってまずくないか
2011年12月11日掲 載
世界最大のオンライン旅行会社、ExpediaInc.(本社:米ワシントン州)の日本語サイト、エクスペディアジャパン(www.expedia.co.jp)は、毎年恒例の有給休暇・国際比較調査関を行いました。20ヶ国の、16歳以上の有職者男女を対象とし、各国300名以上計7803名に2011年9月~10月に実施いたしました。有給休暇に関する日本、韓国、インド、欧米諸国などの様々な実態が浮き彫りになりました。(11/30付 エクスペディアジャパン リリース)
年間の有休消化日数は、日本が最下位で5日、次に韓国で7日。30日有休を消化する1位のフランスやスペイン等のヨーロッパ諸国やブラジルとは6倍の開きがある。さらに、実際の消化率で比較すると、欧米諸国は有休消化率86%-100%に対して日本は45%、韓国は70%と、もともと支給日数が少ないのにもかかわらず、消化もしていないという結果になっている。日本・韓国ともに、「自分が何日間有給支給されているか分からない」と回答した人は3人に1人。休暇を取る文化がいかに根付いていないかが分かる。
旅行会社の調査とはいえ、なかなか説得力があるデータであると思う。日本人が有休を消化しない理由1位「上司が協力的でないから」は日本人の国民性を如実に顕している。
また、もし年に1回だけ休暇があったら、「ロマンチックな場所に行きたい」という回答が1位だったのは日本と韓国のみ。20カ国中17国は、「ビーチに行きたい」という回答が1位であった。「ロマンチックな場所」という表現は曖昧であるが、欧米諸国はすべて「ビーチで過ごす」を挙げている。このあたりは、余暇の過し方に対する根本的な文化の違いが伺える。
いちばん面白かったデータは、有給休暇中に「ひとり旅をする」と回答した割合で、20ヶ国中、日本の11%が1位、「家族旅行」と回答した割合は日本の32%が最下位という結果であった。休暇は家族で過す欧米では考えられない現象であり、ここでも日本人の特性が顕れていると思う。飛躍するが、このあたり自殺率の異常な高さとも関係があるのではないか。
日本と欧米では休暇に関する概念が違う。特に欧州では休暇は長期滞在であり、これがない人生など考えられないであろう。フランスやスペインでは、低所得者に対し、格安で滞在できる施設を提供しており、国を挙げて休暇へのサポートを行っている。
欧州では有給休暇を取得することが「義務」である。それに対し、日本ではそれが「建前」であり、短期旅行か実際の多くは「病欠」用ではないか?欧州など多くの国では「病欠」は有給とは別枠扱いにされているが、終身雇用制が崩壊し、賃金も下がり続ける日本で、有給を取らないことはバカらしくないか?
データを見ていると米国も消化率は高いものの有給日数自体は少ない。米国の中産階級以下は長期休暇どころか旅行にも行けない人たちが増えている。米国に追随した日本も同じような状況に陥り、夏休みの家族旅行も毎年減っている。こんな余裕のない国に誰がしたのであろうか。
「有給」を消化しないことは、働くものの権利義務を放棄している訳で、ただ働きをして、お金を捨てているのである。今は有給を買い取ってくれる会社も少ないであろう。
「上司が協力的でないから」は、協力的ではないのではなく、彼らに休暇を取る習慣がないからだ。バカンスはおろか家族旅行もろくにしない国民だから仕方ない。実はイタリアが「上司が協力的でないから」がいちばん多かった。意外なかんじもするが、イタリアの多くは同族企業である。また、家族を中心に動く国民なので、案外エモーショナルな部分で日本人と共通点があり、人の目を気にして取りずらいのではないか。
日本人は組織に対する忠誠心がなくなったというが、相変わらず、人の目は気にしながら生きている(それも必要がないところで)。
管理人の会社員時代は会社の方針や上司の指導もあり、有給はかなり消化できた。しかし、休む時は周囲の目が気にはなったが、やはり「皆なで休めば怖くない」であった。有給の取得が仕事に影響を与えるというのであれば、それは組織が悪いのである。休む休まないは個人の自由であるが、権利を行使できない状況はおかしい。
最近の日本人は内向きで行動をしない、怒らなくなったと云われるが、それは刹那的・無気力にも映る。休む時は休んで英気を養い、次の楽しみに向けて仕事に励む。それが健康的な仕事をする姿ではないであろうか。
■調査結果詳細URL:http://www.expedia.co.jp/corporate/holiday-deprivation2011.aspx
別府温泉が「リバイバル旅行」で観光客を呼び戻し 北海道も参考にすべきでは
2011年11月23日掲 載
別府温泉がこのところ頑張っている。かつては日本を代表する温泉レジャースポットであったが湯布院や黒川などの人気もあり、次第に観光客が減少。大型ホテルの倒産なども続いたが、地域を上げて再生に取組んだ効果が次第に出始め、ふたたび賑わいを取り戻しかけている。
今回紹介する「別府リバイバル旅行」は、別府温泉黄金期を知る人たちにもう一度来てもらおというプロジェクトだ。家族旅行・修学旅行・新婚旅行で訪れたコースを再訪し、親子3代で訪れるなどして新たな別府ファンを増やすという企画だ。
別府温泉では、温泉を核としたウェルネス産業を起こす事を目的で、各種の観光プログラムを提供する別府八湯温泉泊覧会(=オンパク)を10年前から立ち上げている。地域が一体となって再生へ向けたおもてなし事業を実施しているが、これが評判となり、現在では函館・湯の川温泉や上諏訪温泉など各地で同様な企画が行われている。
今回の「別府リバイバル旅行」もオンパクの延長線にあるものと考えてよいだろう。何しろ別府は資源とコンテンツが豊富である。湧出量日本一(毎分10万リットル)、源泉数日本一(2850本で国内の1割に相当)、共同浴場数日本一(160ヶ所)、毎日温泉に入る住民が7割など温泉関連は日本一のオンパレードである。宿泊施設も高級ホテルから貸間(湯治宿のこと)までほぼあらゆる種類の宿が存在する。
また、観光スポットや娯楽施設も多く、数日いても飽きそうもないが、人気になっているのが廃業したマンモスキャバレーを改造したライブハウス「ヒットパレードクラブ」である。60年代ポップスが中心だがまさに親子3代で楽しめる店である。
レトロ・昭和ブームは長く続いているが、最近若者に人気があるのがキャバレーである。既に古い映画の世界でしか存在を知らない世代だが、大人の遊園地のように見えるらしく、まさにリバイバルである。観光客の呼び戻しには、こういった強力な「武器」が必要である。
来年は関西-別府航路が開設されて100周年である。5月に「近代観光の幕開け・・・大阪-別府航路就航100周年と油屋熊八」と題して、別府観光の歴史について書いたが、古い遺産がリバイバルの形で生かされている。
こういったリバイバル企画だが、北海道でも出来ないであろうか。管理人は以前からカニ族やアンノン族世代をターゲットにしたリバイバル旅行に市場があると訴えてきた。1950-1960年頃生まれの世代だが、団塊よりは若く、新人類世代よりは上の世代だ。
もっとも北海道が賑わった頃、周遊券や長距離フェリーなどで長期間旅をした世代だが、そろそろリタイアも始まる。この層はもっとも旅行好きで、旅慣れているのが特徴だが、ターゲットにするには、具体的な動機付けが必要である。
別府のコンセプトとは異なるが、たとえばユースホステルや個人宿などと連携して、プロモーションを行ったらどうであろうか。実際、最近のユースホステルは50代が中心である。このあたりの市場を掘り下げろというのが管理人の考えである。
函館のホテルが高齢者向け「越冬マンスリー宿泊プラン」を販売 受入れ態勢はどうなのか
2011年11月16日掲 載
札幌や函館などでホテルやコンビニエンスストアを展開するホテルテトラ(函館)は、函館市梁川町のビジネスホテル「アネックスホテルテトラ」(83室)で、地元の高齢者向けに「越冬マンスリー宿泊プラン」を初めて売り出した。 (11/16付 道新)
高齢者向けの長期宿泊プランは温泉旅館や老人施設と兼用している宿などでは聞いたことがあるが北海道では初めてだ。冬季の除雪や交通の不便さからお年寄りを解放し、ホテルにとっても観光客が減る冬場の利用増につなげようという狙いだが需要はどうであろうか。
料金は素泊まりで1人1カ月7万2千円。「アネックスホテルテトラ」の宿泊料金を調べてみると、いちばん安い1週間以上の長期連泊プラン(現金決済)で3,200円。楽天やじゃらんなどで素泊まり1泊3,400円である。冬期の函館市内ビジネスホテルは2千円台がザラなので料金的には格安という訳ではない。
高齢者でホテルに長期滞在できる人は富裕層に近いであろうから、ビジネスではなく、ワンクラス上のホテルや温泉旅館、函館以外の場所に行ってもおかしくない。こういったプランは料金ではなく、お年寄りに居心地のよい環境を提供できるかどうかなどの受入れ態勢が重要である。たとえば昼食や夕食の提供、日中の過し方、送り迎え、健康管理など通常のビジネスホテルと違う内容が求められる。
そうなってくるとデイケアやショートスティ施設と変わらなくなってくるが、本気でその層をターゲットにするのであれば当然必要なものである。高齢者向けに限らず、ホテルや旅館の長期滞在が苦戦をしているのは、宿側が利用者に何を提供していいいのか見えて来ず、試行錯誤を繰り返している点が大きい。
受入れメニューの充実も重要だが、求められるものは、何といってもホスピタリティである。心のこもった挨拶、温かいご飯、さりげない気配りなど家庭と同じような対応が高齢者向けのサービスに求めれるのではないか。
ホテルテトラグループの経営理念を読むと、「心のこもったおもてなしでビジネスや観光の役に立つ 建物や設備が古くても、おもてなしをよく笑顔や明るい声、すばやい対応お客様の立場に立った対応で顧客様を満足させる。顧客様ターゲットをビジネス宿泊客に定めてより良い仕事が出来るように役立ちたい」とある。是非、それを高齢者向けにも実現していただきたいと思う。
「滞在型」の定着には「避暑地文化」の育成も必要ではないか
2011年07月05日掲 載
後志管内ニセコ町のペンション、温泉など52の施設を利用できる3泊の旅行プラン「ニセコ泊まり歩紀(あるき)」が7月1日から始まる。ニセコ地区のコンドミニアムは首都圏などからの予約が増えているが、中小宿泊施設の予約は低調。このため、スクラムを組んで料金を通常より2割程度安くし、避暑客らを取り込む狙いだ。 (6/29付 道新)
上記、道新の記事ではペンションなどの中小施設の集客が低調と云う。ニセコは80年代の全国的なペンションブームの折、多くの施設が出来たが、多くが姿を消して行った。ニセコに限ったことではないが、全国のリゾート地(避暑地)はバブル期の粗製乱造の結果、今ではゴーストタウンになっている所も多い。清里、白馬の一部など見るも無残な場所もある。
本来、ペンション村やリゾートホテルなどが日本の滞在型観光を担うために作られたはずだが、実際は違ってしまった。その背景にはバブル崩壊などの事情もあるが、多くがパッケージ型のお仕着せであり、日本人の旅スタイルに合わなかったのではないか。また、同一箇所で長期休暇を楽しむ文化がなかったことにも起因していたかもしれない。
ペンションの多くが専門デベロッパーが開発した分譲型であったため個性に乏く、夏やスキーシーズン以外は開店休業も多かった。オーナーの多くが移住組であり、地域に根付いておらず、地元色も薄かった。欧州のペンションは地元民が経営している「民宿」であり、地域密着であったが、日本はそうではなく、その間、ホンモノの民宿が姿を消して行った。リゾートホテルにも云えることだが、新しく登場した宿泊施設の多くが、ブームに乗って作られたもの。お上が推進したリゾート開発と休暇取得促進は市民感覚と乖離していたようだ。
今夏は避暑地での滞在型観光が話題となっている。ニセコのコンドミニアムは7月から30泊以上の長期にわたって滞在する客の予約が100件以上入り、昨年の2倍に近い水準だという。首都圏からの「節電クール・トラベラー」が多いというが、北海道観光の新しい動きなので注目している。
管理人は今夏が、北海道観光の質が変わる分岐点になると何度か拙ブログで書いてきた。この記事は意外と反響があり、複数のメディアからの取材も受けたが、いよいよ本番の7月が始まった。旅行会社のパンフを見ると、確かにニセコやトマム、ルスツ、富良野などリゾートホテルやコンドミニアムでの1週間~一ヶ月程度の滞在型商品が目に付ようになった。特に、コンドミニアムに関しては、これまで商品が殆どなく、外国人観光客が激減した今、日本人がそのフォローをするような格好になっている。
その動向が気になり、先週末、東京駅にある「JR北海道プラザ」で尋ねてみたが、北海道観光そのものの予約数は例年並みとのことであった。しかし、滞在型商品となると、問合わせは結構あるが、実績がある沖縄の方が強いようである。
沖縄が滞在型に強く、北海道はこれまで実績に乏しいが、沖縄と北海道では受入れ環境が大きく異なる。沖縄の場合、旅行者が「南志向」のため、周遊型ではなく、バカンス型の長期滞在を求める傾向がある。海外の南の島へ行く人たちと同じ括りで捉えることができる。また、コンドミアムは海岸部だけではなく、街中にもけっこうあり、既に「沖縄ぐらし」の土壌がつくられている。島なのでレンタカーやレンタバイクで気軽に買い物などに出かけれるのも魅力だ。
これに対し、北海道の滞在箇所の多くが山や高原などのリゾート地である。利用者の季節変動が激しく、スキーシーズンと短い夏で商売をしているようなものである。リゾートホテルが中心なので、自由度も少ない。各種体験メニューも揃えているが、何もない山の中で1週間暮らすというのはよほどの目的がない限り、時間を持て余してしまうのではないか。
そして何よりも、北海道を訪れる観光客の需要は多岐に亘っている。周遊型観光がいまだ中心であるが、既存の物見遊山もいれば、アウトドアを楽しみながら移動をする者、何もない田舎に滞在する者など、ひと口に北海道といっても嗜好が異なり、セグメントが難しいのだ。
沖縄のような「海」であれば、自由度・応用度が大幅に増す。しかし、山間部が多いリゾート地では地域との交流も少ない。気軽に足を伸ばせる沖縄と異なり、北海道では、ホテルに囲い込まれた状態となる。滞在型の関しては「山」よりも「海」が強く、南高北低傾向のようだ。
道が実施している「ちょっと暮らし」では観光地とはいえない市町村に人気が出ている。中標津、黒松内、厚沢部、上士幌、東川、釧路など大きな観光地やリゾートがない場所でのシーズンスティに人気がある。こういった所を希望する人たちは、コンドミニアムやリゾートホテルに滞在する客層とは異なるかもしれないが、「ちょっと暮らし」の告知が旅行会社レベルまで達すれば大きく変わってくるであろう。
また、これまで北海道で滞在型が伸びなかった理由のひとつに「避暑地」と呼べるものがなかったことも関係していると思う。滞在に堪えうる別荘地が少なく、そこでのコミュニティ育成まで至らなかったのではないか。避暑地での滞在客は、普段の生活と同じように地元で買い物をしたり食事をしたりする。通年を通しても滞在者がおり、地域に根付いている。
皮肉だが、北海道の「避暑地文化」のさきがけを作ってくれたのは、オーストラリアなどの外国人たちである。
長期滞在者が増えれば、地域との交流、滞在客同士の交流が生まれる。そういったものから「避暑地文化」が生まれてくるのではないか。涼しく、避暑には最高の条件に恵まれているにも関わらず、これまで「避暑地」が育たなかった北海道。少しずつでも、滞在者が増えてくれば、そこに「文化」が生まれる。それが、口コミとなり、市場は広がってゆくはずだ。
コンドミニアム、リゾートホテル、田舎での「ちょっと暮らし」、また札幌ライフのような「都市型くらし」など形態は様々だが、自分のスタイルに合った北海道暮らしを経験していただきたいと思う。
川湯など道内の温泉地を滞在型へ 温泉旅館のコンドミニアム化構想(2)
2011年06月07日掲 載
写真は草津温泉「ホテル中沢ヴィレッジ」コンドミニアム棟
昨日のブログで低迷する川湯温泉の活性化案として、温泉ホテルのコンドミニアム化について書いた。今日はその続きであるが、温泉ホテルの滞在型活用事例について述べたい。
川湯温泉と同じ酸性硫黄泉の泉質で、その名も名高い草津温泉に「ホテルビレッジ」という施設がある。通称・中沢ヴィレッジと云い、元祖・リゾートホテルのようなところである。広大な敷地内にホテル・リゾートマンション・コテージ・大型スパ・スキー場などひと通りの施設が揃っている。北海道でいえば、トマムかルスツといったところだが、ここはもともと大阪屋旅館という老舗が経営しているホテルだ。
その中にある「別棟コンドミニアムヴィラⅡ」は会員制のリゾートマンションだが、施設の一部が一般向けの滞在施設となっている。1泊から宿泊が可能で、28平米の部屋にひと通りの生活用具が揃っている。食事は自炊も可能だが、ホテル内のレストランで取ることもできる。肝心の温泉であるが、コンドミニアム内の温泉のほか、ホテル棟の温泉も利用できる。
料金は平日で1名1室4,800円、2名1室で6,800円、週末はそれぞれ2千円加算される。素泊まりとしては決して安くないかもしれないが、ホテルヴィレッジに泊まれば2万円程度はかかる。
管理人は10年前に泊まってみたが非常に印象がよかった。チェックイン以外は誰とも顔を合わせず、好きな時間に温泉や食事に行ける。夕食はホテル内のバイキングにしたが、朝食込みで1万円でお釣りがきた。ホテルの半額程度で泊まれた訳だ。実は一緒に行ったのは北海道の友人で、「じゃらん」を見て、コンドミニアムを知ったという。外の人間の方がお得な情報には詳しい。
このヴィレッジヴィラと同じような形態が北海道の温泉ホテルでできないものか。昨日、川湯温泉について書いたが、客室の一部をコンドミニアムとして貸し出せば一定の需要があると思う。川湯の場合は札幌圏から遠く、道内から多くの集客は期待できない。ならばターゲットを道外にするという手もある。
川湯は釧路空港、女満別空港、中標津空港が概ね1時間以内の距離にある。首都圏からの直行便がある空港が至近にあり、アクセスに恵まれている。川湯周辺は阿寒・摩周、釧路湿原、知床など観光スポットも目白押しである。川湯をベースに観光することが可能であり、滞在型の周遊基地として適している。
宿泊者は食事の選択は自由とし、食べたければ事前に予約を入れるシステムにする。滞在客専用フロアをつくり、コンドミニアム化をする。湯治と同じようなシステムだが、冬ではなく、暑い時期に涼しい川湯で温泉滞在をするのだ。空いている平日の客室も有効活用される。
また、コメントでもいただいたが、医療・老人施設として活用する方法もある。温泉治療の場としては最適であり、永住型の施設として空きホテルを利用する方法もある。サテライト・オフィス化も含め、温泉ホテルの活用方法はいろいろありそうだ。
あとは宿側がどこまで「その気」になれるかだと思う。北海道では殆ど事例がないが、道外をターゲットにすれば需要は期待できる。川湯に限らず、空港に近い函館・湯の川温泉や知名度が高い洞爺湖などでも実践が可能ではないか。
川湯温泉で2軒が休業、「温泉コンドミニアム」という宿泊スタイルはできないものか
2011年06月06日掲 載
素朴な川湯温泉公衆浴場(非常に熱い)とお風呂がよい「川湯ホテルプラザ」
釧路管内弟子屈町の川湯温泉にある観光ホテル2軒が、東日本大震災による観光客減少の影響で、いずれも来春までの休業に踏み切った。 昨年10月から冬季休業していたグランドホテルアレックス川湯(110室)は、今春に再開予定だったが、来年3月末まで休業期間を延長した。パレスホテル川湯(53室)は、5月9日から1年間の予定で休業している。 (6/3付道新)
川湯温泉は管理人が大好きな温泉だ。草津温泉と同じ強度の酸性硫黄泉であり、どこの宿も掛け流し、泉質は道内でもトップクラスであると思う。また、料金も平均してリーズナブル。しかし、宿や温泉街に個性がなく、「寂びれている」といった印象は拭えなかった。
川湯温泉は屈斜路湖と硫黄山・摩周湖方面を結ぶ途中にある。道東観光の周遊観光コース上にあるが、素通り客も多い。中規模のかなりくたびれた鉄筋づくりのホテルが並んでいるが、使われていない宿も何軒かある。温泉街といっても、古い土産物屋(置いてある商品が珍品揃い)と路地に入ると数軒の飲み屋がある程度で空き地が目立つ。かつて高級和風旅館と思しき建物(橘屋)が十数年放置されている。
今回、休業を決めた2軒の内の1軒は暫く使われていなかった旅館を数年前に買い取ったはずである。もう1軒は以前からあったが、個人客を意識した少し豪華な宿に数年前に改装していた。
川湯温泉の特徴として、客室数が数百という大箱はなく、50~100程度の中規模ホテルが目立つことだ。カラカミや野口観光といった観光ホテルチェーンが進出していないが、昔から温泉組合の結束が強いと聞いたことがある。ランドマークのような大箱があった方がよいのか難しいところだが、温泉街が均衡化しているのは事実である。しかしながら、道東エリアは温根湯や糠平温泉にしても、それがない分,衰退をしている気もする(十勝川温泉は地域力で頑張っているが)。
川湯温泉が苦戦をしている原因として、中規模ホテルが多いのも一因であろう。営業力が強くないため、旅行会社との繋がりが弱い。そのため団体ツアーを取りにくく、取っても安い料金に叩かれてしまう。また、道央圏から遠いという地理的ハンディもある。宿泊客は道東圏か道外が多く、札幌圏が少ない。札幌から川湯までは丸一日がかりであり、JRで行けば片道1万円はかかる。
温泉側も最近では「源泉掛け流し宣言」をし、掛け流し温泉の全国サミットを開催、冬季の「ダイヤモンドダスト川湯」は恒例イベントとなっている。また、各宿も個人客を意識した内容につくり変えているが、如何せん二番煎じであったり、集客アップに繋がるほどの訴求力がないように思える。
川湯のどこに惹かれて訪ねるか管理人自ら考えてみると、まずは温泉そのもののよさ、環境的な開放感がある。また、周囲に観光スポットが多いことやリーズナブルな点などであろうか。
これまで数軒の宿屋に泊まったが、定宿化した「川湯ホテルP」は、その条件に当てはまる他、従業員が家族的で、ひとりでも気軽に連泊できてしまう点である。中規模以上の観光ホテルは連泊に適していないが、自由度が高ければ、「プチ湯治」感覚で滞在することができる。
苦戦する温泉地は朝食付き5千円、2食付で7千円以下で平日など格安に販売してはいかがであろうか。連泊条件で、さらに1週間や一ヶ月単位で客室を貸し出すようなサービスができれば、需要発掘につながると思うが。別府温泉(鉄輪など)では、長期滞在者へ貸す宿のことを「貸間旅館」といって今でも多くの利用客がいる。また、青森にも「客舎」という同様なシステムがあった。川湯であれば、コンドミニアム感覚での滞在が可能であると思う。
安いパックツアー客を取るよりも、こちらの方が実になるはずだ。北海道はこの部分が抜けている。
「滞在型観光」の条件 どこに滞在するか決めるかは優先順位として2番目である
2011年06月01日掲 載
6月1日は北海道の観光が「オフ」から「オン」に切り替わる日だ。宿泊施設の料金が上がり、定期観光バスなどが運転を開始する・・・・といってもこれはひと昔前の話。周遊券があった時代は、5月までにワイド周遊券などを購入すると2割引になったものだ。しかし、最近ではオンからオフへの切り替えも曖昧となり、6月はまだまだオフといった印象だ。
特に今年は震災の影響もあり、先行きは不透明だ。しかし、7月以降は天候不順や突発的なアクシデントが起きない限り、大幅な伸びが期待できるのではないかとこれまで述べてきた。特に、長期滞在への期待は懸かるが、反面、一筋縄ではいかないと思っている。
管理人は北海道への移住や2地域居住(デュアルライフ)、また、ロングスティまで行かなくても1週間~数日程度の連泊が伸びない理由として、観光客のデマンドが読めていないことも関係しているのではないかと考えている。
北海道を訪れる観光客の目的が多岐に亘っていることは説明する必要もないであろう。同様に滞在型の観光客ニーズもいくつかに分かれる。管理人が考える滞在型観光客をカテゴライズしてみると・・・
①避暑地・リゾート型滞在客:ニセコや富良野など代表的なリゾート地のホテルやコンドミニアムに滞在する観光客。北海道ではこの層がこれまで意外に少なかった。
②田舎暮らし型滞在客: 観光地ではないが、たとえば十勝の農村やお気入りの田舎で滞在するタイプ。行政が推進する「お試し暮らし」もこのパターンに当てはまることが多い。
③都市型滞在客: 札幌・函館・小樽・旭川・釧路などインフラ設備が整った都市部で避暑生活を送るタイプ。こちらも行政が力を入れている。以前からいるが実態が掴みにくい。
大きく分けるとこの3タイプだが、肝心なものがひとつ抜けているのだ。それは、温泉地などの旅館に長期滞在する客だ。データはないが数は多くないと思われる。北海道には湯治の習慣があまりない。メジャーな温泉地は大規模な施設が多く、なかなか長期滞在を希望する個人客を受け入れる土壌が整っていない気がする。
前述したデマンドが読めていないというのは、滞在観光客が複数のタイプに分かれることと、本来であれば、大きな受け皿でなくてはならないメジャーな温泉地や観光地の受入れ態勢が不十分で、ニーズの読み違えがあるということだ。
これが沖縄であれば、滞在客の嗜好がほぼひとつのカテゴリに入るので、枠組を作りやすい。しかし、北海道の場合は滞在者のカテゴリが複数存在する。このあたりの複雑さ、複合的な課題を解決しないと「滞在型観光」は簡単には進まないと思う。
実は、道内での長期滞在を希望する消費者の多くはどこへ滞在していいのかわからないのが現実である。何度も北海道旅行に行っていても、滞在となると場所選びに悩んでしまう。これはふつうの周遊型の観光でも云えることだ。誘客する側はまず、「地域」のPRから入って行くのが常だが、ここに盲点があるのではないか。
消費者の多くは、絶対に登別温泉に行きたいのではなく、各自の旅行目的・条件プランから見合ったものが、たまたま登別であったということを忘れてはならない。何が何でも、北海道の○○へ観光、○○温泉というのは意外に少数派なのだ。
滞在型の場合は特に利用者が最初に求めるものは「地域」ではなく、滞在の「目的」や「プラン」にマッチしたところがあるかどうかである。
たとえば、小さい子供からお年寄りまでが一緒に滞在できる宿、短期滞在の賃貸物件はあるのか、畑仕事ができる場所があるかなど目的やプランの紹介から入った方が利用する側から見ると、わかりやすい。
観光プロモーションは「地域」をPRするものだと思いがちだが、滞在型観光を推し進める場合、場所よりも、目的・プランを満たすことが優先であり、場所はその次であるという考え方を持つことも必要であろう。
お試し移住で人気は中標津、二拠点居住への対応が今後の流れか
2009年05月28日掲 載
道内の市町村が用意する道外在住者向けの短期移住体験プラン「ちょっと暮らし」の2008年度の利用者数が803人に達した。前年度に比べ3割増で、プランが本格化した06年度に比べると倍増している。首都圏の団塊世代などの間で、道内への移住を試してみたいという関心は高いが、体験をどこまで実際の移住に結び付けられるかが課題だ。(5/27付 日経新聞北海道版)北海道移住促進協議会がすすめるこのプロジェクトは、市町村が窓口となり、家具付きの職員住宅や公営住宅などを、割安で貸し出すもの。データによると 08年度は57市町村が実施しており、平均滞在日数は21.60日。地域別の利用者は、首都圏が285人と全体の35%を占め、関西圏(222人)、中京圏(131人)が続いている。
市町村別では中標津町がもっとも人気が高かった。中標津がいちばんになった理由としては、①羽田直行便があるなど道外からのアクセスがよい②スーパー・病院などインフラが整っており、近くに集中している③北海道らしい雄大な風景がある④観光地に隣接している⑤晴天率の高さなどが考えられる。
何度か北海道へ旅行している”事情通”には人気がある地域だ。
もともと、お試し移住「ちょっと暮らし」は、完全移住候補地探しの意味合いが強かったが、期待していたほどシニア・団塊層の移住者が増えず、最近ではデュアルライフ(二拠点居住)へシフトをしている自治体もある。利用者へのアンケート調査を見ると、目的は「シーズンステイ」が36%と最も多く、「移住候補地探し」が17%で続いている。
たとえば釧路市では「涼しい釧路で避暑生活」と銘打ち、移住、二地域居住の受入れの拡大に繋がるお試し暮らしをはじめとした、長期滞在事業を積極的に展開している。
北海道長期滞在のシーズンスティの場合、宿泊施設が問題となってくるが、北海道長期滞在の最近では一定期間、貸し出す「タイムシェア型住宅」が注目を集めている。タイムシェアは、リゾートマンションや別荘などの住居を複数の所有者がそれぞれ所定の期間に毎年使用することができる権利を保有するかたちで「共同所有」する仕組みだ。タイムシェアが盛んな南欧などでは個人オーナーや不動産業者が運営管理し、貸し出す仕組みもある。
管理人の周辺にもリゾートハウスを共同所用している人間を複数知っているが、多くが別荘地やスキー場のリゾートホテルであり、実際の利用頻度は低い。業者が運営する沖縄のタイムシェア型住宅の稼働率は高いようだが、そのあたり個人型別荘と区別して考える必要があるであろう。タイムシェア住宅は決して新しいものではなく、民間レベルでは会員制リゾートクラブに代表されるように1970年代から存在している。
タイムシェアは地域・立地条件・住居形態・気候環境・利用目的によって大きく使い方が違ってくるので、ひと括りで扱えるものではない。そのあたり推進するにあたり、地域の特性など十分、見極める必要がある。
厚沢部でキャリア人材を対象にした移住体験ツアーを実施、ブラジル人受入れも議題に
2009年02月10日掲 載
道外の経営者や商社OBから町の活性に向けたアイデアを提言してもらう「人材受け入れツアー」の第1陣6人が7日から3泊4日の日程で厚沢部町を訪れた。9日には町内で渋田正己町長ら関係者との意見交換会を開き、優れた環境を生かした移住促進や交流人口の拡大策について議論を交わした。(2/10付 函館新聞)
このツアーは「活性化を提案すれば格安で北海道へ行けるツアー」というタイトルで拙ブログで先月紹介した。会社経営者・コンサルなどキャリア・スキルがある人限定のツアーだが6人が参加した。どうやって告知をしたか知らないがよく集まったものだ。
函館新聞によると、『温暖化で本州は住みにくい。厚沢部の優れた自然や環境は有利」「大都市では高齢化のしわ寄せがこれから出てくる。厚沢部では高齢化を見据えた対応が取られていることは利点だ」と述べ、移住促進の取り組みを評価。特産のメークインや町内産の本格焼酎ブランド「喜多里(きたさと)」などの特産品を活用して「定期的に特産品を配達する『厚沢部友の会』を組織すべきだ。日常生活に厚沢部の名前が定着するとマチを訪れるきっかけになる。厚沢部ファンの獲得が大切」といった提案も。6人は全員が「夏には家族や友人と厚沢部を訪れたい」と述べて町への支援を約束』とある。
ユニークだったのは、職を失った日系ブラジル人家族の受け入れの検討が共同提案に盛り込まれたことだ。このところの不況で農業回帰が話題となっているが、今後、外国人労働者の受入れも真剣に討議されるであろう。受入れ態勢があるのなら間違いなく地域への刺激策となるはずだ。北海道の土壌(地域性)にも合っていると思う。
なお、このツアー、13日から第2弾が行なわれ、7人が参加する。
夕張で炭住がログハウス風に変身 使われていない古い公営住宅の有効活用を
2009年02月03日掲 載
小樽市のログハウスメーカー「トベックス」が、夕張市から買い取った築54年という古い市営住宅を約1千万円かけ改修。夕張への移住体験宿泊施設としてオープンした。
写真で見るとこ洒落たログハウス風建物に改造されており、ロフト付き平屋建て約80平方メートルの22LDK。オール電化住宅でテレビ、ベッド、寝具、食器など生活用品一式を備え付けている。道外在住者に限り1泊6千円で6泊7日を限度に貸し出すという。
最近、移住体験が盛んだが、宿泊施設として公営住宅が利用されるケースが多い。管理人は道内各地のおためし移住のHPをよく見るが、最初にチェックするのは宿泊施設である。中には一晩で逃げ出したくなるような建物もあるが、このあたりの意識は受入れ先によってかなりの差があるように思える。
移住体験希望者にとって、どういう施設に泊るかが最初の選択で、もっとも重要である。最初の印象で決まるといっていいのではないだろうか。
過疎化による人口減少で、公営住宅の空は多い。何か有効活用できないものか前から思っていたが、夕張の事例は参考になる。住宅の大規模の改修は官の力だけでは難しいであろうから、民の力を借りる。このまま気に入って、夕張で建てて、住んでもらえれば官も民も万々歳である。
移住促進を進めている自治体は、体験宿泊施設の充実を図ると同時に、地元の建築業者などに、公営住宅改修などのメリットを説明し、地元の理解が進めば 体験希望者も増えるであろう。
移住促進企業の「北海道コンシェルジュ」が事業撤退、やはり無理があった移住ビジネス
2009年01月28日掲 載
移住支援に取り組む北海道コンシェルジュ(函館)が本年度限りで移住支援事業から撤退することを決めた。二〇〇六年の会社設立からわずか三年足らずの決定は、移住支援という行政にも期待された新分野の業務が、ビジネスとして成り立たせるには困難な現実を浮き彫りにした。(1/20付 道新)
北海道コンシェルジュは、主に、道内の80以上の市町村が加わる北海道移住促進協議会(事務局・函館市)と合同で、移住・定住に向けた短期滞在の住居や体験プランを提供する「ちょっと暮らし」を商品開発。総合案内窓口として、移住希望者向けに情報発信してきた。
管理人はスタート時からこの会社に興味があり、動向を見守っていたが、撤退と聞いて「やはり」というのが正直な感想だ。もともと函館市から委託された事業であり、3セク色の強い会社であった。社長も替わり、途中からリクルートも参加したのではなかったか。
道新記事によると「同社を介した「ちょっと暮らし」の利用実績は、最多の本年度でも82組で171人。一定の売上高を挙げるには至らなかった。同社は「年間で4千-5千組の取り扱いがないと厳しい」と明かす。」とある。
北海道コンシュルジュが、最初の移住支援企業ではない。十数年前から北海道移住をサポートする事業者は存在したが、メインは不動産販売やその手数料であった。それでも事業として成功したという話は聞いたことがない。ましてやコンシュルジュの事業は公共性が高いものであり、微々たる手数料ビジネスではやっていけないであろう。
数年前から突如、沸き立った「シニア移住」であるが、それも最近は滞在型や2ヶ所居住にシフトをしている。北海道コンシュルジュは当初の役目を終えたのではないかと考えることができる。
今後、移住支援事業が営利として成り立つかは未知数だが、手間の割りには利益が上がらないであろう。むしろ不動産会社の移住ビジネスへの理解やサービスの充実の方が必要ではなかろうか。
【参考】㈱北海道コンシュルジュ公式HP
上砂川町がペットOKの公営住宅、転入者アップのために役場がアイデア募る
犬や猫と一緒に町営住宅で住めます――。旧産炭地で過疎化が進む空知支庁上砂川町がこんな試みを始める。これまで町はペットの飼育を禁じてきたが、町外からペット愛好者を受け入れるため、2月から1団地を開放する。人口減少に歯止めをかけるのが目的で、道住宅課も「ペットが飼える道営住宅はない。道内では、市町村の公営住宅でも聞いたことがない」という。(1/28付 朝日新聞北海道版)
上砂川町の人口は現在、約4200人。52年のピーク時には約3万2千人に上ったが、87年の三井砂川炭鉱の閉山以降、人口減少が続いている。倉本聡原作の「昨日悲別で」で有名だが、今回、町が職員にアイデアを募り、町外からの転入者確保と定住促進のために決めた。
管理人は昨年12月に上砂川を訪れている。1994年に廃止されたJR上砂川支線廃止の時以来であったが、当時よりも空家が目出っている印象があった。上砂川は旧産炭地のため、今でも多くの公営住宅が軒を連ねており、他所と比べると一軒家(持ち家)よりも町営住宅居住の比重が高い。住民の多くが高齢者であり、人口減少が続けばバス運行や共同浴場の運営などに支障を来す恐れがある。
公営住宅でのペットOKの狙いは、転入者アップによる定住・移住促進にあるが、どういう反応があるか注目である。上砂川町はJR砂川駅から車で20分程度、路線バスの本数は少ないが、高速のインターからは近く、札幌から1時間強で着くことができる。
なお、ペットが飼えるのは、東町北3丁目の東町団地(164戸)。現在、約80戸に空きがあり、建物は1
棟8戸の2階建てで、当初は3棟の空いている18戸を用意。3LDK(約69平方メートル)で、家賃は収入などに応じて1万3700円から。入居時、敷金2カ月分など10万円が必要。室内で飼うことが条件で、犬や猫(2~3匹程度。大型犬不可)を想定している。
問い合わせは、町土木建築係(0125・62・2011)へ。
市立赤平総合病院が医師確保のための体験ツアーを実施
2008年12月30日掲 載
深刻化する医師不足の解消につなげようと、赤平市の市立赤平総合病院では、道外の医師らを対象に病院視察ツアーを企画している。2泊3日の日程で、病院のほか市内の環境なども視察する。
3回目の実施だが、過去のツアーは無料にも関わらず、参加者がなかったようだ。今回は真冬の赤平に滞在、新築した医師住宅に滞在しながら病院を視察し、雪まつりやホワイトイルミネーションの見学などをして現地との交流を図る。12/1~3/31まで行われ、往復の旅費、夕食やお土産も出るなど至れり尽くせりである。
赤平市は第二の夕張市になることを避けるために、市立病院の経営改善が急務となっている。診療科の閉鎖や医師、看護士などの退職が相次いでおり、外来患者や入院患者が減り、収入も大幅に減っている。 医師1人を増やせば、約2億円の収入増になると試算し、医師確保策として視察ツアーを実施することにした。
人口減と高齢化が進む空知の旧産炭地。切羽詰っていることが伺えるが、発想としては斬新であり、注目したい。しかし、参加者がいるかどうかは別問題。さらなるPRと赤平(医療)の特徴付けやインセンテイブがもっと必要であろう。医師に限らず、専門技術などを持った人材に絞りこんだ移住促進をもっと進めるべきではないか。
本気度が高い入場者が目立った「デュアルライフフェア2008」
2008年11月30日掲 載
「海外ロングステイ・国内デュアルライフ2008」(ロングステイ財団・日本経済新聞社主催)は国内外での長期滞在や二地域居住に関する情報を提供するもので、11/29(土)、東京ビッグサイト会議室で開催された。自治体や海外政府観光局などの他、不動産会社や旅行会社、健康関係事業者などが出展している。
当日は7千人以上の入場者があり、北海道27の自治体が出展している「北海道暮らし広場」には1,500人以上の来場相談があったという。これまで移住やロングスティに関するイベントには何度か顔を出しているが、今回はこれまで見た中でもっとも来場者が熱心で、どの自治体ブースも相談客が途切れることがなかった。やはり、「北海道物産展」や観光イベントでの出展と違い、今回は最初から目的が絞られているので当りもよかったようだ。
管理人も面識のある複数の自治体へ挨拶に行ったが、客がひっきりなしの状態。質問内容もかなり具体的で、本気度が伺えた。これまで何度か述べたが、完全移住よりもロングスティを基本にしたデュアルライフのスタイルの方が北海道には適している。こういったイベントは的中率が高いと思われるので期もっと機会を増やしてもらいたい。
釧路市が取組む「避暑型都市滞在生活」,管理人もチャレンジ
2008年10月05日掲 載
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写真上:SSホテル(SSハイツ)外観 中:通路 下:入港した「飛鳥Ⅱ」(通路から撮影)
9月24日から10月1日まで釧路市に滞在した。実は1993年の8月に10日間滞在したことがあり、釧路を拠点に夏の道東を楽しんだ。あれから15年、今夏は久しぶりに避暑も兼ねてスティを予定していたがまとまった休みが取れず、結局9月下旬になってから「釧路滞在」に出かけた。
今回は仕事もしたかったのでPC持参、以前滞在したウイークリーマンション「みなと21」はきれいだが、ネット環境がなく別の宿泊施設を探した。1週間滞在するので条件は以下の通りである。
①通信環境が整っていること
②FAX,コピー、宅急便受け取りなど最低限のコンシュルジュ機能があること
②中心街に近いこと(公共交通でアクセス可能)
③食事が面倒なので最低限朝食が取れること
④ランドリー施設があること
これらの条件は概ねビジネスホテルやウイークリーマンションには付帯されている機能だが釧路市では数少なく、たまたま以前から知っていた南大通の「釧路SSホテル」にウイークリー機能があることを知った。上記の①から⑤までの条件をほぼ満たしていそうなので予約を入れた。
このホテル、1階から3階までがホテル、それから上が賃貸マンションになっており「釧路SSハイツ」という。以前は白い建物であったが、どぎつく塗り替えられており、壁面には啄木の詞やイラストが書かれている(ホテルがある場所に啄木の下宿痕があったらしい)。
チェックインをすると最初はホテルのロビーで担当者と契約を交わす。6泊で2万円でお釣りがくるから安い(別途光熱費などは1万円分を渡し、最後に精算)。部屋はホテルから一度外へ出て、マンション棟玄関から入る。かなり年季が入った建物で、6階に降りると港が一望できる通路を歩くが冬は寒いであろう。
2DKの部屋は昭和の公団住宅のそれで、6畳の台所と6畳の居間に寝室。あまりに生活臭があり、滅入ってしまった(備品も見ると昭和52年製とあったのでその頃の建物か)。
風呂は管理人が小さくなって入ってやっとの公団サイズ。ガスの付け方が面倒くさく触るのが怖い。寝室には気をきかせてベッドを入れてくれたが、硬すぎて痛く、結局畳を使った。
肝心のPCを使うには1階に降り、一度外に出て、ホテル棟に入り直さなければならないがロビーの天井からケーブルが無造作にぶら下がっており、床にとぐろを巻いている。それを拾い上げて使うが、えらく遅い!!電話回線ではないか。また、朝食も1,200円の和食セットだが「う~ん」という内容と値段。
結局、違約金を払い2泊でチェックアウトした。担当者が悲しそうな顔をしていたが、本当の理由は言わなかった。当初の予定が大幅に狂いその後、サロマ湖・羅臼に観光、釧路スティはホテルを転々として5泊になった。
現在、釧路市では「涼しい釧路で避暑生活」をキャッチフレーズに滞在型観光プロジェクトをすすめている。地方自治体は、滞在型の集客に力を入れているが、釧路市の場合、道内でもトップクラスの夏の涼しさと都市型生活を送れることをウリに差別化を図っている。今夏は東京新聞に紹介されたこともあり、17組が集まったという。
実際、体験した立場で申し上げると、夏が苦手な人にはオススメである。また、釧路市は周辺に観光資源が多く、日帰りや荷物を置いてショートトリップなど1,2週間滞在しても行く場所には飽きない。都市なので買い物や緊急時の時にでも便利である。
時間にゆとりがある中高年齢層だけでなく、夏休みでのステイ、遠隔在宅業務などいろいろな可能性がありそうなプロジェクトである。
今のところ滞在可能な宿泊施設(特に賃貸物件)に関する情報が少なく、今回のSSホテルのように満足いかないケースもあるので提供をする民間側の意識改革(認識向上)も含め、受入れ態勢の充実が必要であろう。
最後に今回、いろいろとアテンドしていただいた釧路市役所の方にこの場を借りて感謝の言葉を申し上げる。
かつてのカニ族からエビ族の登場
2008年01月12日掲 載
昨年の暮れ、某公共放送からカニ族とエビ族についての質問があった。管理人はカニ族は知っていたが、「エビ族」という呼称ははじめて聞いた。
エビ族とは、かつてカニ族(バックパッカー)として北海道を旅していた人たちが、荷物を小さめにしたエビ族として再び北海道へ戻ってくる現象をいうらしい。いい名づけは電通のようだが、この1,2年団塊層の大量退職もあり、道内のユースホステルなどは中高年層の客で賑わっているようだ。
カニ族といわれている世代は、概ね団塊~1957年生まれあたりと思われ、ちょうど「ディスカバー・ジャパン」やアンノン族、SLのラストランを知っている世代だ。長期間、ユースホステルなどを泊り歩くスタイルで括れば、もう少し年代は広がり、1960年代前半生まれあたりまで含まれそうだが、その頃は、カニ族が愛用したベージュのキャンパス地リュックは消えている。
ウイッキペディアでカニ族を調べるとエビ族についての記述もあり、最近登場したものではなく、円筒形の少し小ぶりのリュックを背負っている旅行者を以前からそう呼んでいたとある。平成のエビ族は、旅行日程の短縮と年齢かる来る体力の問題などで軽量化したためそう呼んだのであろう(カニ族が愛用した横長式のリュックもないが)。
どちらにしても、中高年が青春時代の旅よもう一度ということで北海道に戻ってきている。最近、シニア向けの「青春18きっぷ」指南書が売れているのも需要があるからであろう。団塊退職者の北海道旅行=ゴージャス志向というイメージがあるが、選択肢はいろいろとある。
旅行会社や行政は、シニアの北海道観光市場を、豪華さや長期滞在(移住を含む)、体験型などお決まりのセットメニューでプロモーションしているが、意外に抜け落ちているのは、カニ族型の旅行である。管理人も東京発だと20日間有効であった「北海道ワイド周遊券」を使って旅をしたが、時間をかけて点と点を移動する旅の方が彼らは落ち着くのではないであろうか。
このあたりの市場を掘り下げたら面白いかもしれない。特にユースホステルが減少し、それに代わる「とほ宿」に登場するような宿の情報は少ない。
ユースホステルの中にはシニア層で商売しているところもあるようだが、背に腹は変えられないのが現状のようだ。
移住は南高型、昨年の移住総数は273人だが
2007年07月02日掲 載
2日付けの朝日新聞北海道版に2006年度の移住に関する実績報告が掲載されていた。まず、道内へ移住した人は273人で、移住先は41市町村であるが、役場の窓口を利用しない人も含めると、もっと多いということである。
移住先は①函館市(25人)②弟子屈町(20)③石狩当別(19)④八雲町(19)⑤浦河町(19)⑥東川町(13)⑦黒松内町(11)以下、長万部、室蘭、小樽(各10)である。また、移住前の居住地は、首都圏(95人)や関西圏(50人)、中京圏(14人)が多かったが、道内の移住者も79人にのぼった。
この実績を見ると移住促進に力を注いでいる自治体、特に官民一体で行なっているところが上位に来ている。また、都市部や気候が比較的、温暖な道南地域の人気が高い。2位の弟子屈、7位の黒松内は意外な印象だ。また、伊達がベスト10に入っておらず、いちばん多いと思われる札幌もここにはないのであくまでも参考程度のデータである。
北海道移住の場合、あらためて雪と寒さが最大のネックになりそうである。おためし移住モニターでも冬季の参加率はすこぶる悪い。完全移住だけではなく、長期滞在、滞在型旅行も含めて、冬の暮らしをいかにポジティブにPRできるか。
冬季対策は、北海道観光の宿命であるが、あらためてその難しさをかんじる。
北海道開発局が新しい発想のロングステイモニターを募集
2007年06月26日掲 載
国土交通省北海道開発局が、「北海道における冬期集住・夏期滞在モデル調査」の一環として、夏期長期滞在者の意向や動向を調査するための、モニター募集を行なう。
このプロジェクト、詳細がわからいないが、人口の減少や高齢化による道内過疎地の生活上の困難等を克服するため、農村住民の冬期集住と都市住民の夏期滞在を組み合わせた新たな居住形態について、調査・検討を行うという、全国でも初の試みである。
単なるロングステイと違うところは、地域住民も対象にしていることで、オンシーズンはロングステイを希望する道外住民をターゲット、冬季などは、過疎地の住民などを対象に、同じマンションなどを活用して新たな居住形態をつくるということであろうか。
滞在先は、下川町、滝川市、伊達市の3市町、期間は7月下旬~9月下旬のうち1週間~2週間のコースを設定しており、宿泊施設は、大自然に囲まれた静かな環境のコテージや市街地にあるマンションとなっている。
このプロジェクトの運営は開発局ととともに、道内のまちづくりを専門にしているズコーシャが担当している。
アンケートや地域イベント参加などの義務はあるが、参加者には2万円の謝礼金が出る。画一的なものがロンスステイ計画のなか、ちょっと気になる形態のプロジェクトである。
活発な北海道長期滞在へ向けた施策、利用者ニーズの把握がもっと必要では
2007年06月19日掲 載
HAKODATE男爵倶楽部ホテル&リゾーツ(函館)と函館大沼プリンスホテル(渡島管内七飯町)は二十日から、七-十月に両ホテルを計三泊以上続けて泊まると、正規料金より三-五割安くなる新商品の販売を始める。道南の二つの地域のホテルが連携することで、北海道長期滞在と広域観光の促進を目指す。
6/17道新記事より
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このところ北海道の移住とともに、北海道の長期滞在を狙ったプランが増えている。これまでも旅行会社レベルでは夏休みを中心に、札幌、旭川の都市部やルスツ、ニセコ、トマムなどリゾート地に3日から1週間程度滞在する商品はあった。
今回、道南地区の経営が異なるホテル同士が連携するのが特徴であるが、これまで北海道に長期滞在できる環境が少なすぎた。以前、管理人は夏休み、釧路にウイークリーマンションを借りて、10日間滞在したことがあるが、好んでウイークリーマンションにしたのではなく、ビジネスホテルかここしか選択の余地がなかったからだ。
北海道の長期滞在「釧路10日間滞在記」はこちら
都市部はまだいいが、観光地や田舎にでも行こうというものなら、北海道の長期滞在で1週間も泊まれるような宿を探すのは至難である。まず、情報がなく、次に当たり外れもあるので、北海道の長期滞在にはリスクが伴う。そういう意味で、今回のように、隣接する地域内で、はしごができると旅に変化が出て、リスク回避にもつながる。
今回の商品は2人以上、計3泊以上を対象に販売。予約時に各ホテルの宿泊日数を申し込む。食事なしで3泊以上が一人一泊7300円、七泊以上が同6300円。
管理人は、一箇所に最低3泊するような旅が好きだし、オススメである。しかし、今このようなスタイルで北海道旅行をしている人はほんの一握りである。時間に余裕があるシニアでも、興味はあっても実際の行動に出るには腰が重い。そのあたりが、沖縄と北海道観光の違いである。
また、高級乗用車の送迎や高級マンションに滞在、健康診断など移住者と長期滞在者獲得のため、いろいろな知恵を絞っているようだが、管理人が知る限り、長期滞在をするシニアは、束縛されることを嫌い、旅なれた、自分の時間の使い方を知っている人が多いようだ。
なので、至れり尽くせりで効果が出るかは大いに疑問である。特別なゲストとして扱うよりも、いかに地域に溶け込ませるお膳立てづくりができるかが大切だと思う。
週末田舎暮らし向け「情報バンク」制度を国交省が創設
2007年06月04日掲 載
来年度から、都市部に住みながら週末に地方で「田舎暮らし」を楽しむなどの「2地域居住」支援策の一環として、移動費を軽減するための「情報バンク」制度を2008年度に創設する方針を固めた。
「情報バンク」は、国土交通省が所管し、初年度はまず数百人規模の2地域居住者に、年齢や各地域での滞在期間、活動内容などを登録してもらう。(6/4読売新聞)
この制度は、2地域居住を証明する書類を管轄機関に提示すれば「ふるさとサポーター会員証」が交付される。2地域間を移動する際、会員証を提出すれば、鉄道や航空機などの割引が受けられる仕組みである。
この発想、いいのではないか。田舎暮らしをしたいが、交通費が悩みのタネという人は多いはずだ。実際、管理人も首都圏と北海道の2拠点を行き来する生活をしたいが、交通費が最大のネック。これほど遠くないにしても、たとえば首都圏や関西圏と長野県では、鉄道を使えば往復軽く1万円は超えてしまう。
どこまで補助されるか不明だが、行政が交通費を持つような仕組みよりも健全といえよう。
また、2地域移住は、地方側の経済が活性する可能性がある。週末だけでも、日銭が入ってくれば大きい。シニアの持参金目当ての移住は、先日のブログで、騒がれているほど結果は期待できないのではないかと述べた。
住民税は入ってこないが、週末人口やロングステイ人口が増えることで、民間ベースで地域に新たな動きが生じる方が遥かに発展的である。
長期滞在&移住をガイドした「るるぶ暮らし旅北海道」を見て
2007年05月24日掲 載
JTBパブリッシングが、北海道長期滞在型&移住をテーマにしたムック「るるぶ暮らし旅北海道」を発行した。内容は、お試し移住と受け入れ体勢がある自治体の紹介、現地での過ごし方や体験ツアーの紹介、そして移住に関するQ&と移住ツアーについて告知している。
長期滞在と移住に関しては、昨日のブログで触れた。たまたま管理人の知人で、北海道の女性起業家などを支援する仕事に就かれている太田明子さんのブログでもシニア移住に関して、鋭い意見を述べている。
特に移住ツアーについては、(1)移住促進が地域活性としての団塊世代の「人材」が主眼じゃなくて、団塊世代の「持参金」が目的であること。
(2)結局儲かるのは本州の旅行代理店独り勝ちで、北海道の会社などは素通りかなと。
(3)何よりも問題なのは、「どうぞおいでください」と移住希望者に対して超低姿勢なこと。
と3つの問題点を挙げている。
その通りであると思う。やはり、「移住」と「旅行」は別口と考えるべきで、ロングステイ&お試し移住→北海道移住という発想と、それに群がる人たちを見ていると?と思ってしまう。
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完全移住よりもロングステイの充実が地域活性につながるのでは
2007年05月23日掲 載
ちょうど1年前のブログで長野県白馬村の長期滞在プログラムを紹介した。
今朝の朝日新聞(関東版)に、この滞在型観光「ふぉーゆー白馬」の広告が掲載されていた。中身は1年前とあまり変わっていないが、長期滞在は1週間単位から6ヶ月単位まであり、滞在の基本となる宿泊施設は、ホテル、旅館、ペンション、民宿、コンドミニアム(貸別荘)から選択できる。
また、「ライセンス」、「カルチャー」、「レクリエーション」の各種体験プログラムが用意されている。
料金目安は、民宿タイプで1週間滞在が18,000円~、1ヶ月滞在が76,500円~、6ヶ月滞在が391,500円からとある。
白馬村は村内や周辺に多くのスキー場があり、スキー客目当ての多くの宿泊施設がある。しかし、オフ期は休業か開店休業の宿が目立つ。この15年でスキー客がピーク時の3分の1程度までに減少し、宿の廃業・転売や空家も増えており、白馬には、ゴーストタウンのようなところもある。
村としては団塊層をターゲットに、首都圏、東海圏、関西圏からも近く、知名度がある白馬へ来てもらい、再生を図ろうという狙いで白馬村観光局(観光協会)が企画運営している。白馬は、あまり知られていないが、豪州人スキー客も増えており、復活を目指している。
この白馬モデルはスキー場などがあり、多くの宿泊施設を抱えているリゾート地・観光地で適用できるプログラムだ。北海道であればニセコ(倶知安町・ニセコ町・蘭越町)や富良野、トマム、ルスツなどがある。スキー以外でもペンション・民宿などが多い美瑛や弟子屈、釧路湿原などいくつか候補が考えられる。
団塊世代の移住が盛んに言われているが、最近の雰囲気を見ていると「完全移住」よりは長期滞在やセカンドハウスの方に流れている気がする。特に北海道は、遠距離であり、自然条件、インフラ、医療面などハンディキャップがある(そのハンディに惹かれる人も多いが)。
また、北海道の場合、移住希望者の嗜好が異なるため、絞込みが難しい。たとえば札幌のマンションで暮らしたい人もいれば、富良野の原野で暮らしたい人、大沼の別荘地がいいという人などセグメントが難しい。なので一ヶ所への集団移住は現実的ではないであろう。
まずは、移住より長期滞在のシステムを確立し、プロモートするのが先決ではないであろうか(特に観光地の場合)。また、移住とロングステイは別物と考えた方がいいのではないか。
各地でおためし移住はやっているが、空いている町営住宅に短期住むよりは、宿泊施設に滞在した方がよいに決まっている。全国の60%以上の宿泊施設が赤字いわれているなか、現地振興にもつながる。
団塊層の移住を促進するよりは、まず、地域の宿泊施設をロングステイ向けに安価で提供した方が地域ならびに観光の活性につながると思う。観光ロングステイの充実とこれまでの移住や観光施策のあり方を変えてみてはどうであろうか。
「大人の休日倶楽部」がウケている
2007年05月20日掲 載
JR東日本が盛んに宣伝している商品として「大人の休日倶楽部」がある。50才以上を対象にしたカードで、運賃の割引など特典がいくつかある。
5/14~5/24までは、1日6千円で、JR東日本管内+函館までが乗り放題のキップが発売されている。閑散期だからこそできる企画であるが、東京-函館間は、片道約3分の一の金額なので、かなりオトクである。
実は、18日(金)、管理人がよく行く小料理屋Aの客二人がこのキップを使い、それぞれ旅に出た。
ひとりは、もっとも遠い函館へ何と日帰り、もうひとりは、長野新幹線を使い、小布施まで行った。函館まで行ったN氏は、午後1時過ぎに函館へ到着し、1時間40分の滞在時間の間に管理人が推薦した大門の寿司屋へ行き、さらにお土産まで買って、午後11時過ぎに馴染みのAへ戻ってきた。また、長野へ行ったS女史はもう少し早い帰還であったが、共に疲れた表情も見せず満足げであった。
金曜の夜ということで店内は、盛り上がっていたが、「おとなの休日倶楽部」を知らない50才以上のシニア客は、「そんないいキップあるの」ということで話題になった。そうでなくても、函館日帰りを公言していたN氏は、連日「おとなの・・・」を宣伝していたので、JR東日本としては、小百合さんやアフェリエート・ブロガー(サクラ)が居なくても、無料のPRマンがいたので、有難いことだ。
このキップ、6月には、福井まで行ける3日間1万2千円が登場する。これから、新しい層の鉄オタや鉄子が登場しそうである。JR東日本の戦略、あたっている。
なお、管理人はN氏から土産として函館駅のホタテ貝柱と鰊弁当、S女史からは、長野電鉄の小田急ロマンスカー「ゆけむり号」チョロQをいただいた。
美瑛で「スケッチ観光」、団塊の取り込みが進むが
2006年09月25日掲 載
JTB北海道は美瑛町で丘陵景観のスケッチツアーを柱にした新たなタイプの観光振興に乗り出すことになった。趣味を探す団塊世代などをターゲットとし、10月に最初のバスツアーを行うほか、今冬には雪中スケッチツアーも企画している。ツアーにはオバサマに人気の俳優榎木孝明が参加する。
企画の背景には中高年者をターゲットに、美瑛へ春夏秋冬訪れることによるリピータづくりを目論んでいるであろう。リピータづくりとは、美瑛へ足を運ぶことでファンづくり、それに伴う宿泊客の増加や長期滞在といった地域活性向けのものと同一旅行会社の利用により、他の旅行商品購入を含めたCRM化といった狙いも伺える。
しかし、美瑛の隠れたビュースポットは大型バスが入れないようなところにある。写真やスケッチ好きのシニアはそういう場所を知っている。何度か通ううちにそういう情報を入手するようになるが、いつかはお仕着では満足しなくなるであろう。
最近、2007年マーケット狙いの旅行商品が氾濫しているが、ヨミが甘いものも多い。旅ではないが、23日つま恋で行なわれた「拓郎・かぐや姫」復活コンサートの新聞記事で「団塊熱狂」と大新聞に書いてあった。このコンサート世代の客は団塊ではなく、45~53才ぐらいである。若い記者が書けば団塊もシラケ世代も同じに見えるかもしれないがかなり違う。
こういう初歩的な過ちをするとマーケティングのミスマッチを起こす。くれぐれも市場を甘くみないように。
標津、函館、移住関連の企画が盛んだが
2006年08月21日掲 載
団塊層を中心とした道内移住誘致が活発であるが、標津町では土地を無償で提供すると話題になった移住者用区画の現地見学会が20日に行なわれた。
この「土地をダタで差し上げる」プロジェクト。yahoo ニュースで紹介された途端に町役場にアクセスが殺到、サーバーダウンを起こしてしまったほどだ。
募集の条件は(1)町に住民票を移す(2)最低5年間の定住(3)家族構成は2人以上(1)契約時に100万円納入(入居後に返納)--など。9月中に契約が成立すれば、10月1日から住宅建設が可能である。
これまでに200件の資料請求があったそうだが、実際に訪れた標津の印象はどうであろうか。
また、「お験し移住」も盛んである。函館市では市定住化サポートセンターと移住コンサルタント会社㈱北海道コンシュルジュが来年2月28日までの1週間から一ヶ月の期間で湯の川温泉のマンションなどを利用したコースを設けている。概ね一ヶ月、10万円程度である。
体験プログラムも用意しているが、アウトドア体験や漁業体験、人間ドックなどのコースも用意している。
団塊層に狙いを定めた移住計画、思惑通りにコトが運ぶであろうか。
団塊北海道移住、皮算用どうりにいくか
2006年07月24日掲 載
道内への移住促進に向け、道や厚生労働省などが十一月二十三日に東京で、北海道の「食」や「住」を含む「くらし」に関する情報を提供する「北海道暮らし・フェア」を初めて開催することになった。主に首都圏在住の団塊世代を対象に、五千人の来場者を見込んでいる。移住を目的に地域のくらしの情報を提供する催しとしては全国的にも最大規模という。 (道新)
道はかなり早い時期から移住プロジェクトに取組んできた。1992年頃から自治体や就業企業を集めたイベントを首都圏や関西で開催していたが、それらはおもに30代以下をターゲットにした「UIターン」フェアである。その後、景気の後退で若年層をターゲットにしたイベントは年々縮小したが、昨年からいっきに出きたのが団塊・シニア世代を対象にした移住イベントである。
先日、JTBが道とタイアップしている「おためし暮らし」ツアーのパンフレットを見たが、完全に団塊世代をパッケージ商品化している。北海道移住に限らず、2007年をターゲットにした商品が氾濫しているが、安易な企画ものが多いように思える。
団塊世代のフットワークがよさ、こだわり性などから集客を期待しているようだが、彼らは社会を読む勘も鋭く、そう易々とは乗ってこない気もする。一筋縄ではいかない世代なので内容も問われる。
団塊移住については何度もこのブログで取上げているが、最近になって具体的なものがいくつか出てきている。本格化する来年を前に食いつきを見ることで反応等が予測できそうである。集客状況などわかればまた報告したい。
先進事例である鹿部町の団塊移住
2006年07月11日掲 載
口の約1割を首都圏などからの移住者で占める町がある。渡島支庁鹿部町。民間企業が別荘地として開発したリゾート地に、道外から定住する人が相次ぎ、現在約500人。人口減少対策として道内の自治体が力を入れる「移住」の先進地だ。だが、移住者の多くは高齢者。税収増はあまり期待できず、医療や福祉などの住民サービスは充実が求められるなどの課題もある。(朝日新聞)
鹿部町のダイワハウスが運営するリゾート地に移住者が多いという噂は5,6年前から聞いていた。私も仕事の参考になればと現地を訪ねたことがある。敷地内にはリゾートホテル、温泉、ゴルフ場など揃っているが自動車は必須であり、函館まで出ないと買い物らしい買い物はできない。
よくぞこの場所に作ったというのが率直な感想であるが、開発から30年以上が経過した現在、484人が住民票を移し、「町民」として生活をしている。鹿部の人口が4884人(2005年時点)なのでちょうど10%が移住者ということになる。
鹿部は歌手の鳥羽一郎や作詞家の星野哲郎が名誉町民でわかるようにベタな漁師町である。浜文化と移住はミスマッチのような気もするが、移住者の大半がシニア層であり、終の棲家として購入しているようだ。これまで地元住民との交流が希薄であるなどの問題もあったが、移住人口が増えるにつれ意識の高い移住者も増え、現役時代のスキルや知識を地域で教えている人たちもいる。
移住者が鹿部の人口減をカバーしている格好であるが年金生活者であるため税収はあまり期待できない。ひとつ間違えるととんでもないことになる危険が孕んでいる。
鹿部の場合、別荘地なので独立したかたちになり、周囲と断絶をしてしまっているのが気になるところだ。これから移住を考えているシニア層、移住で地域活性を計画している自治体の担当者は鹿部を訪れると参考になるであろう。
似たような事例としては茨城県の大洋村(現鉾田市)の開発がある(こちらは複数の小デベロッパー)。
白馬村が長期滞在の観光プラン開始
2006年05月19日掲 載
観光客の減少を食い止めようと、白馬村観光局が首都圏のシニア層をターゲットにした長期滞在型の観光プラン「ふぉーゆー白馬」の発売を始めた。割安の宿泊料を設定し、1週間から最長1年の滞在を実現。山菜狩りやカヌー、木彫りなど四季折々のプログラムを楽しんでもらう。07年から大量退職期を迎える団塊世代の移住誘致に乗り出す自治体は増えているが、長期滞在型の観光プランの売り込みは全国的にも珍しいという。(朝日新聞長野版より)
白馬村は八方尾根スキー場や北アルプスなどで知られる観光地だが、最近はスキー客の減少やリゾート客離れが進んでいる。白馬村の観光客数は94年度の380万人がピークだったが、最近は270万人まで落ち込んでいる。特にスキー場離れが激しく、94年度に260万人いたスキー客は半数近くに減った。
以前、訪れた時もペンション村には空き家や開店休業のものが目立った。私は1972年頃から白馬を知っている。当時の白馬はスキーシーズン以外はアルピニストが訪れる場所で軽井沢や蓼科のようなリゾート地ではなかったが、スキーの大衆化やリゾートブームで瞬く間に森林が伐採され、ペンション村などが出来た。
しかし、バブル崩壊とともに客足は衰え、ゴーストタウン化が始まった。清里ほどではないがかなり深刻である。
そんな白馬村だが知名度が高く、首都圏、東海、関西からも近い。団塊層にとっても馴染みがある人も多いであろうから気軽に訪れることができのが強みといえる。また、受入れ態勢もできているであろう。
滞在は60軒の民宿、ペンション、ホテルなど希望の宿を選び、1週間、1ヶ月、1年など滞在期間によって宿泊料がパッケージ化され、値引きされている。現地生活は「白馬コンシュルジュ」(最近どこでも「コンシュルジュ」を使うが気恥ずかしさがある)に相談をするとプ滞在プログラムが提案される。
登山、乗馬、スキー、蕎麦打ち、燻製づくりなど定番の体験型メニューがあり、平均滞在日数は1週間~10日という。
カントリーライフは憧れの的だ。プチ移住体験ができるのも魅力。白馬村はペンション、ロッジなどサービスが悪いといわれていた頃があったが改善されているのであろうか。
このあたりもポイントである。
北海道でも長期滞在観光が盛んに叫ばれているが、白馬とタイプが似ているリゾート型のニセコや富良野などは滞在型に入り込みやすいであろう。しかし、 それ以外の場所ではモデルがないだけに困難が予想される。
私は今から13年前、釧路湿原や海岸線、夕陽などじっくり味わいたく、釧路に10日間ウイークリーマンションを借りて生活をしたことがある。(滞在日記は観光ミシュランで公開)
郊外ではなく、中心街MOOの前にあるウイークリーマンションに滞在をしたが、この体験で自然だけではなく、地域そのものが好きになった。
朝は近所の喫茶店でモーニングに通っているだけでかなりの知り合いができた。
いろいろなタイプの長期滞在があるかと思うが白馬村に注目したい。

