北杜の窓トップページ » 公共交通

ウィラーが路線バス事業に参入 今年はバス業界にとって激動の年となる

2012年01月04日掲 載

willer ferry

ツアーバスの最大手・ウィラー・エクスプレスが12月22日から大阪・南港の3フェリー・ターミナルと都心部を結ぶ路線バス事業に参入した。大阪南港には3つのフェリーターミナルがあるが、今回、新規路線として運行を開始する高速バスは、大阪梅田・京都駅と各フェリーターミナルをつなぐもので、フェリーの発着にあわせ1日最大6便運行する。

ウィラーが初めて乗合バス事業に参入した。このニュース、地味なようだが、バス業界にとってはエポックになりそうである。これまで都市間ツアーバスが専門のウィラーであったが、「高速バス」とは云え路線バス事業への初参入である。

実は2012年度は高速バス業界にとって激動の年になりそうなのである。今春に道路運送法が改正されるが、新法ではツアーバスと一般路線バスの境目がなくなり、ツアーバスも一般路線バスと同じ旅客運送事業にまとめられることになる。

新法では乗合免許で運行されている定期路線の高速バスと旅行商品として運行されているツアー高速バスが同じ条件で走ると考えてよい。市場がどうなっていくかについては、別の機会で述べたいが、ツアーバス業界に関して云うと大手による淘汰が進むであろう。特にウィラーのようなリーディングカンパニーはいっきに攻勢に出てくるはずである。そのひとつが今回の路線バス事業への参入と考えてよい。

法の境目がなくなることで、これまで地域で独占してきた路線バス事業者の営業エリア内にウィラーなどのツアーバスが参入できるようになる。既に高速バス部門に於いて、路線事業者と業務提携を進める動きは各地にあるので路線バスへの参入も可能性ありと見る(採算性が合えばであるが)。

これまで路線事業者は一般路線バスの赤字を高速バスで補っていた。しかし、ツアーバスの台頭により、それも厳しくなり、路線からの撤退やツアーバス側との共同運行をしているところもある。今後、業界の既成概念を覆すような形態が登場するかもしれない。

 

また、今年はLCC元年である。既にウィラーでは海外のLCCと提携を結んでいるが、今後、LCCと高速バスを絡ませた商品も増えてくるであろう。ウィラーではフェリー会社や私鉄の一部など公共交通機関との提携を急速に進めている。「ウィラーバス」をベースに他の公共交通機関と繋ぎ、ネットワーク化を図る。

集客では苦労をしている提携先も多いのでウィラーとの提携は渡りに船。もともとツアーバス事業が営業に苦戦をしていた零細貸切バスからの借上げで大きくしたものだ。

その事業モデルへの評価は別にしても、今後のウィラーの動向は大いに注目である。

この記事へのコメント (2)| この記事へのトラックバック (0)



北杜の窓トップページ » 公共交通

増える「限界集落」と公共交通の未来

2011年12月31日掲 載

高齢化や人口減少に伴い「共同体の維持が困難」と判断された集落が道内に126か所あることが27日、道の調査で分かった。うち7割が20人未満となっている。道では有識者らで作る「集落対策促進会議」で来秋をメドに対策を検討する。(12/28付 読売新聞

今年最後のブログのテーマとしては深刻だが、日本の将来が懸かった問題だ。

現在、道には3772の集落が存在し、その中で冠婚葬祭など扶助機能や集会所の維持といった「機能が低下した」と判断されたのが584集落、「維持が困難」とされたのが126集落ある。維持困難の126集落のうち、住民が20人未満では7割、50人未満だと9割以上になるという。

この維持が困難な126集落がよくいう「限界集落」であろうが、今後は「集落」ではなく、行政機能がある中心部でさえも生活維持が困難な市町村が出てくるであろう。

今年2月の拙ブログで、2050年度には道内で人が住んでいる場所の5割が無人化するという記事を書いた。もしそうなれば、町が消え、鉄道やバス路線の廃止も進み、100年以上前の北海道地図に戻ってしまうであろう。北海道新幹線と札幌近郊・道央圏以外は鉄道が走っていないという状況も考えられる。

空路も危ない。新千歳への一極集中が進み、本州からの地方空港便は観光需要がある一部を除き、廃止されるかもしれない。道内の移動公共交通は新幹線と新千歳からのLCCによるローカル路線、それと都市間バスだけになってもおかしくない。地方では北関東のように路線バスそのものが町から消えるであろう。

新幹線や高速道路網が伸びれば、通過点はさびれて行く。利便性が高まるほど一極集中が進み、都市と地方の共存共栄などあり得ない二律背反の世界だ。

 

「限界集落」をこれ以上つくらないためには、月並みだが命綱である公共交通の確保と利用促進に懸かる割合は大きい。鉄路が消えた町がその後どうなったか、道内各地を見れば一目瞭然である。

集落が維持できれば町の機能も保てる可能性が高い。サテライト網の維持が生命線であり、路線バスや鉄路の廃止も免れる。現実的には厳しい問題だが、生き残りへ動かなければ廃れるのは時間の問題だ。

来年も拙サイトでは公共交通の重要性やその価値など訴えて行きたいと思う。

皆さん、よいお年を。

この記事へのコメント (2)| この記事へのトラックバック (0)