近代観光の幕開け・・・大阪-別府航路就航100周年と油屋熊八
2011年06月03日掲 載
1960年代の黄金期に多くの新婚さんを運んだ「こはく丸」
大分県別府市が西日本有数の温泉地に成長するきっかけとなった大阪-別府間の定期航路が28日、就航100年目を迎えた。大阪市の浅野宏子・浪速区長ら市や観光団体の幹部のほか、ゆるキャラの通天閣ロボなどを乗せたフェリー「さんふらわあ」が同日朝に別府国際観光港に到着し、記念セレモニーが開かれた。(5/28付 毎日新聞西部版)
今日は話題を変えて関西-別府航路にまつわる話を。
かつて、「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」と謡い、関西方面を中心に多くの観光客を運んだ航路が来年で100周年を迎える。名門・関西汽船は今は長距離フェリーの「フェリーさんふらわあ」として運航しているが、来年5月の100周年に向け、船旅の魅力をあらためてアピールして、次の100年につなげる考えだ。
別府航路は、大阪商船(現商船三井)が1912年5月に開設。23年からは毎日運航となった。瀬戸内観光や別府温泉の人気が広まり、別府では地獄巡りバスが誕生、ふ頭の整備や観光施設の建設が進んだ。70年のピーク時には232万人の利用があったが、新幹線や飛行機との競争で現在は40万人(2010年度)まで減っている。
同航路は国内の近代観光発展に大きく寄与している。それまで、国内の長距離旅行と云えば、お伊勢参りや出雲大社参拝など神社仏閣系詣でが中心であった。温泉といえば、近場で過ごすものが相場であった時代、わざわざ船に泊まって別府まで行くという新しい旅行形態をつくった。別府はそれまでの湯治場のイメージに、レジャーランドの要素を加味した当時として画期的な観光地を作り上げた。
前述した、「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」とは、別府観光の祖と言われる油屋熊八翁ら別府の旅館業者がPRのために富士山の山頂に掲げた宣伝柱である。この宣伝看板は全国各地に設置され、初めて観光にプロモーションの手法を取り入れた。
油屋熊八はこの他、日本で最初のバスガイドを自ら経営する亀の井バスに乗車させた。昭和3年のことであるが、「少女車掌」と呼ばれ、地獄巡りを七五調で案内をした。この伝統は今でも受け継がれ、同社の「地獄巡りコース」は七五調で案内されている。
熊八が活躍をした大正~昭和初期は、日本に観光産業が芽吹いた時期である。当時は行政が観光産業をバックアップする時代ではなく(観光課など存在しない)、すべて民間ベースで行われていた。熊八は私財を投じて、別府観光の開発に寄与したが、現実には桁違いの借金を抱え込んでしまっていた。
熊八の生涯は小説や舞台化もされており、『喜劇 地獄めぐり ~生きてるだけで丸もうけ』では中村勘三郎が演じており、管理人は興味があったので鑑賞させていただいた。
熊八は「観光王」といってもよいであろう。富士山頂にまで、広告塔を出すバイタリティとアイデアはすごい。たとえば、自分の経営するホテルの看板を公害のように設置する経営者はいるが、別府という土地を私財を投じてPRする懐の深さには感激する。地域への貢献がやがて、自らに戻ってくる。忘れてはならない図式だ。
ちょうど別府航路の開設と熊八の活躍、別府温泉の躍進は同時進行をしている。その後、別府航路は新婚旅行の黄金コースとなった。海外旅行が普及する以前は、別府から入り、宮崎方面や九州横断道路で阿蘇・長崎方面へ向かうのが定番コースであった。国鉄でも急行「フェニックス」という九州をほぼ全周する新婚さんご用達の列車があった。この横断道路も1920年代には熊八が計画しており、先見性には驚く。
航路の話に戻すと、関西汽船の客船もフェリーとなり合理化が進み、利用者は減少の一途。現在は商船三井の傘下となり、「さんふらわあ」で運航されている。航路の衰退と共に別府温泉も新興の湯布院や黒川温泉に客足を取られ、苦戦が続いていたが、最近では温泉本来の魅力が見直されて、客足が回復している。
今度は航路の方の復活も願いたいところだ。瀬戸内航路は揺れが少なく、乗船時間も手頃。クルーズ船としての魅力も秘めている。40年前の新婚さんたちにも、セカンド・ハネムーンを体験していただきたい。
震災輸送で活躍した「ナッチャンworld」が夏季限定で再登場、太平洋フェリーも運航を再開
2011年05月02日掲 載
青森・函館間の定期航路から退いて久しい津軽海峡フェリーの「ナッチャンWorld」が、7月29日~8月18日までの21日間夏季限定で運航されることになった。昨年も限定運航されたが、先日の震災では、自衛隊の災害援助部隊の派遣輸送や緊急物資使用などで使われた。
実はこの高速船、防衛庁が別の目的で輸送船としての購入を考えていたことが、2月の産経新聞に報じられていたが、震災により、思ってもないかたちで実現してしまった。
今回の限定運航は昨年よりも期間が短い。昨年はダイヤ設定が悪く、新造船の「ブルー・ドルフィン」の登場もあったため、集客には苦労をしたようだ。利用しやすいダイヤ設定と告知が行き届けば、集客は出来るはずなので期待をしたいところだ。
その他のフェリー関連の話題を・・・
震災の影響により、旅客営業を休止していた太平洋フェリーが、仙台港施設の一部復旧に伴い、4月28日(木)から苫小牧~仙台間限定の臨時ダイヤで運航を再開した。当面、仙台-苫小牧航路のみの運航で、仙台-名古屋間は5月17日まで欠航となる。なお、ダイヤや所要時間が変わっているので注意を。また、船内のショーも実施されない。
1.苫小牧~仙台間限定 臨時ダイヤ (1)苫小牧発 → 仙台行き (毎日運航)
苫小牧発19:00 → 仙台着 翌日09:30 (所要14時間30分)
(2)仙台発 → 苫小牧行き (毎日運航)
仙台発 17:00 → 苫小牧着 翌日11:00(所要時間18時間00分)
太平洋フェリーの詳しい運航状況についてはこちら
また、大洗港の使用ができないため、東京-苫小牧間で臨時運航(貨物車両のみの乗船)していた商船三井フェリーは、大洗港の復旧工事が進められており、6月の運航再開を目指している。
商船三井フェリーの詳しい運航情報はこちら
震災復旧支援でフェリーが活躍、その存在価値ももう一度見直してみたい
2011年04月11日掲 載
苫小牧港の東港、西港にあるフェリーターミナルが、東日本大震災の被災地支援に向かう民間ボランティアの車両や救援隊員で混雑している。ターミナルには一刻も早い復興につなげようと現地を目指す人々の意気込みが広がっている。(4/9付 苫小牧民報)
震災によって新幹線をはじめとした公共交通がいまだに遮断されている中、フェリーが奮闘している。震災直後から被害が殆ど無かった青函航路を結ぶ「津軽海峡フェリー」と「青函フェリー」はフル稼働し、臨時に「ナッチャン」も投入され、自衛隊員や車両を運んだ。現在でも道内の自衛隊は苫小牧などからフェリーを利用して、被災地へ向かっている。
港自体が被害を受けたのが、八戸・仙台・大洗である。八戸と苫小牧を結ぶ「シルバーフェリー」は3/25から緊急対策として八戸に替わり青森港を使用。復旧までの間、一日4往復体制で青森-苫小牧間を運航をしている。
もともと客船クルーズ色が強かった「太平洋フェリー」は仙台港が被災。3月25日から緊急対応として、苫小牧西港と仙台港間を1日おきに運航。乗船者は被災地復旧に関する車両や人員に限定している。消防や警察、自衛隊が中心。被災地入りの許可を持つ民間ボランティアの姿もあるという。
大洗港が大きなダメージを被った「商船三井フェリー」は、本州側の出港地を東京・有明に変更。こちらは貨物車両のみに限定して苫小牧西港とを往復している。
日本海ルートの「新日本フェリー」は被害もなく、臨時便を出して苫小牧東港・小樽と秋田・新潟・敦賀・舞鶴を結んでいるが、全体の2~4割は自衛隊や警察、消防など公的機関の震災支援支援。地震発生から続いている民間ボランティアの車も目立つという。
長距離便を運航している各社には今月に入ってもかなりの予約が入っていると云う。
高速道路の無料化や大幅割引、燃料高などで窮地に追い込まれたフェリー業界であるが、東日本エリアに限って云えば、「震災特需」が発生し、フェリーの価値が見直されている。鉄路・道路・空港などが使用できない場合、フェリーは強みが発揮できる。勿論、港が被災すれば同じであるが、八戸→青森、大洗→東京有明に変更といったように、小回りのきく対応が可能である。
今回、フェリーの存在意義を見直すよい機会ではないであろうか。
また、長距離フェリー協会に所属する各船会社では、「がんばろう日本!!フェリーで移住支援プロジェクト」を実施している。これはフェリーを利用して、移住・避難する人に対して、運賃を無料にするもので、4/25まで実施されている。
こういったプランは殆ど知られていないので、メディアにももっとPRしていただきたいと思う。
ウィラー・トラベルがフェリーなどの船ポータルサイトを開設 バス&フェリーの商品を強化か
2011年02月28日掲 載
ツアーバス最大手のウィラー・トラベルがフェリーなど国内航路の予約ポータルサイトを今日2月28日に開設した。北海道から九州までの22の船舶会社の航路を扱っており、近距離から長距離フェリーまで多岐に亘っている。
これまでフェリーのポータルサイトは存在しなかった(個人が開設したものは除く)。最近はフェリー会社の自社サイトも充実しており、ネット割引や事前に好みの座席や船室を選べるサービスなど使い勝手もよくなっていた。しかし、総合的なフェリー情報がないため、公共交通としての認知が低かったのも事実だ。
今回、ウィラー・トラベルで予約が可能な航路は長距離フェリーに留まらず、たとえば、青森と下北半島の佐井を結ぶシーラインや酒田-飛鳥航路(酒田市定期航路事業所)、愛知県の師崎と伊良湖を結ぶ名鉄海上観光船など生活航路や観光船などバラエティに富んでいる。
北海道関連では、ハートランドフェリー(利札&奥尻航路など)、津軽海峡フェリー(青函航路など)、川崎近海汽船(苫小牧-八戸)、太平洋フェリー(苫小牧-仙台)、商船三井フェリー(苫小牧-大洗)の予約が可能、新日本海フェリーも近々に参加するという。
フェリー各社は路線バス事業者と提携し、割安な連絡輸送きっぷを発売しているところも多い。今後、ウィラートラベルでは自社のツアーバスとフェリーをパッケージにしたきっぷを本格的に発売することが予想される。既存の乗合バス事業者にとっては脅威になるかもしれない。節約志向の折、高速バスに続き、フェリーが長距離移動手段として若者・女性などに浸透するか見ものである。
サイトを眺めてみたが、フェリー・船旅の楽しみ方を初心者を対象にレクチャーしており、いかにもウィラーらしいつくりとなっている。また、抽選で100名に乗船券プレゼントを実施している。苦戦が続くフェリー業界にとって、ウィラーの参入は「渡りに船」であろうか。
なお、ウィラーのようなポータル型ではないが、往路・復路それぞれ異なったフェリー会社が利用できるパッケージ商品(募集型企画旅行)を販売しているフェリー専門の旅行会社があるクルーズシステムというフェリーファンの間では有名な会社だ。たとえば行きは仙台から苫小牧まで、帰りは小樽から新潟までといった具合に航空機パックのような仕組で航路の選択ができ、かなり割安な設定となっている。こういった商品を販売しているのはクルーズシステムだけであり、使い勝手もよいので紹介させていただいた。
函館港を基点に“飛んでクルーズ”の太平洋版を計画、太平洋沿岸航路の充実に期待
2011年02月20日掲 載
写真は「飛鳥Ⅱ」と新日本海フェリー「らいらっく」(小樽港 昨年9月)
函館、室蘭、苫小牧、釧路の太平洋側の4港が、クルーズ客船の誘致に向けて連携に乗り出している。1月下旬に函館側の呼びかけで4港の港湾関係者を集めた初会合を開催。道内の周遊で定番人気の小樽発着の日本海回りツアー「飛んでクルーズ」に対抗できるルート開発を目指し、連携して営業や受け入れ体制の充実を図る。
「飛んでクルーズ」とは、国内初の空路と海路のフライ&クルーズプランで、出港地の小樽までは航空機を利用、小樽港から利尻・礼文・網走・知床などを周遊し、小樽へ戻るコースが一般的だ。北海道の港を起点とした将来の定期・定点クルーズを目指す目的で、北海道運輸局がサポートするかたちで2006年スタートした。JTBと商船三井客船が共同企画し、「にっぽん丸」を使用している。
往復飛行機利用のため、時間と費用の節約になり、4泊5日で15万円程度というお手軽価格のクルージングとなっている。時間と費用だけではなく、船内もカジュアル服でOKだ。毎年、人気が上昇し、8,9月のツアーは満席が続いていると云う。
今回、函館港が誘致に動き出したが、「飛鳥Ⅱ」、「にっぽん丸」などの豪華客船誘致の動きは道内各地にある。函館以外にも連携に参加した室蘭・苫小牧・釧路も積極的に活動をしているが、太平洋側の場合、寄港地が一ヶ所の場合が多く、4港で連携を取ることで「飛んでクルーズ」の太平洋版を目指すという。
太平洋側の4港は定期航路のフェリー便が大幅に減っている。室蘭港と釧路港を発着する便はすでになく、函館港や苫小牧港もフェリー会社のリストラ策により、かなりの減便となっている。また、函館は国際的な観光港湾都市にも関わらずクルーズ実績に乏しい。このあたりもクルーズ客船誘致の動きと関連があるであろう。
青函連絡船が出来る前の大昔の話だが、道東方面へは函館から客船が出ていたという(石川啄木はその船に乗った)。函館空港(函館港)と釧路空港(釧路港)を起点として、途中、室蘭や苫小牧、広尾などに寄港するクルーズがあってもいいかと思う。また、「飛んでクルーズ」の鉄道版として、東北新幹線利用で青森港を発着地にしてもよい。
管理人は釧路港に「飛鳥Ⅱ」が停泊している時に2度現地を訪れているが、想像以上に経済効果があると聞いた。宿泊は船内でも飲食や土産代の単価が高く、現地に前後泊をしてもらえれば相当の金額となる。なにより客船の乗客は服装もきれいなので、釧路の町が華やいで見えたものだ。
函館は客船クルーズの発着地としては最高の素因を持っている。港町=函館なのだから、豪華客船の町として売り出すのも新たな観光施策ではないか。また、室蘭・苫小牧も背後に登別や洞爺・支笏湖などを控えており、釧路も周辺の観光資源に恵まれた魅力的な港町だ。太平洋沿岸の周遊クルーズ開拓に期待をしたい。
太平洋フェリーが来春に新造船を就航、北海道-本州航路が活性化されるか
2010年08月01日掲 載
苫小牧-仙台-名古屋を結ぶ太平洋フェリーが来年3月から新船「ニューいしかり」を就航させることになった。毎年、「フェリー・オブザイヤー」を受賞している同社だが、これまで以上にクルーズ志向の高いフェリーの投入となった。
フェリー業界は高速道路の割引や燃料高などで廃業する会社も出るなど暗い話題が続いており、大型フェリーの新造も最近は殆ど聞かれなかった。就航から20年以上経過している大型船も多いが、名鉄系の太平洋フェリーは2005年にも「きそ」を就航させており、今回の「いしかり」は3代目となる。
また、苫小牧-八戸を結ぶ川崎近海汽船(シルバーフェリー)でも老朽化した「フェリーはちのへ」に替わる新造船を完成させており、近々に就航になりそうだ。新船の総トン数はフェリーはちのへに比べて2倍弱の1万700トンとかなりの大型である。
津軽海峡フェリーも新造船ではないが、カジュアル・クルージングをコンセプトにした「ブルードルフィン」を先月から就航させており、北海道と本州を結ぶ航路の活性化が期待される。
管理人は東京-釧路航路、博多ー直江津-室蘭(岩内)航路の復活を願いたいところ。釧路便は無理かもしれないが、日本海航路は境港・金沢など寄港地を増やし、太平洋フェリーのようなクルーズ志向にシフトをすれば需要はあるはずだ。
大間航路は新船建造と公設民営で継続&ドッグランフェリーは上々のスタート
2010年07月19日掲 載
暫定運航が続いている函館-大間(青森県)フェリー航路は、大間町と青森県が新造船の建造費を負担し、津軽海峡フェリー(函館)が運航を担う「公設民営方式」で継続することが16日、青森市内で開かれた事務担当者による3者協議で固まった。 (7/19付道新)
津軽海峡フェリーに関するニュースを2題。
まず、大間航路の存続に関して最大のネックとなっていた新造船問題は、老朽化した現行船「ばあゆ」(1529トン)に代わり、「現行船の輸送能力を下回らない」規模で建造することで合意した。行政側は今よりも大きな船を求めているようだが、建造費は20億円前後とみられている。
就航は3年後をめどとし、大間町が船を所有、津軽海峡フェリーに貸す。新造船の就航までは同社が現行船で運航し、赤字の場合は同町が一定額を補う。今月末にも3者の代表者協議を開き、基本合意する予定だ。
これで大間航路の存続が決まった。生活航路であるが、運賃が以前の倍近くに跳ね上がっており、もう少し値下げできないものか。最短距離航路の強みを引き出す意味でも、値頃感は必要であり、需要も増すはずである。
また、17日に国内初の犬用バルコニーを備えた「ブルードルフィン」(約7000トン)が函館—青森航路に就航した。この日は同社の青函高速船「ナッチャンWorld」(約1万トン)も10カ月ぶりに季節運航を再開した。
ブルードルフィンの最大の特徴は愛犬と一緒に過ごせる国内初の「船上ドッグラン」施設。青森発の初便には定員の約7割にあたる386人と犬6匹が乗船し、飼い主と航行中に遊ぶ姿も見られた。
一方のナッチャンは、昨年に続き夏場の観光シーズン限定で10月末までの運航を再開。函館発の第1便は定員772人に対して乗客約200人と出足は低調だった。
ドッグラン付の「ブルードルフィン」は上々のスタートを切った。夏場以降の客足がどうなるかがカギであろう。また、ナッチャンに関してはダイヤ設定に問題があり、このままでは宝の持ち腐れになってしまう。周知不足であり、定期ではなく、臨時運航をしている限り、集客に苦戦をするのではないか。もっと団体ツアーなどの商品に組み込んで、裾野を広げるべきである。
道内フェリー会社で夏休みに向けて周遊型サービス導入の動き
2010年06月16日掲 載
高速道路の割引や無料化などで苦戦が続くフェリー業界だが、ここへきて新たな動きがある。たとえば経路が異なる2社間のフェリーを利用できる往復プランやフェリーの目的地である島に宿泊をすれば航送料金が大幅に割引になるサービスなど各社、夏休みに向けて知恵を絞っている。
まず、青森~函館、大間~函館就航の津軽海峡フェリーと八戸~苫小牧に航路を持つシルバーフェリーの共同企画として、両社の航路を組み合せた季節限定の周遊パック商品『青森・大間~函館/八戸~苫小牧 乗っ得パック』を発売した。
6/1から9/30までの間、往復2等乗船券のほかにホテルルートインチェーン3千円分の利用券に旅行保険が付くもので、本州発、北海道発のどちらからでも利用できる。なお、この商品は企画旅行扱いで、クルーズシステムが主催をしている。クルマやバイクの積み込みも追加料金を払えば勿論できる。料金は本州発の場合、往路青森→函館、復路苫小牧→八戸で利用をすると大人9,250円である。
たとえば、ETC割引を利用して青森まで行き、往路は津軽海峡フェリーで函館へ、道内を周遊し、帰りは疲れるので苫小牧から八戸までショーットカットをすることなどできる。
また、奥尻航路や利札航路を運航するハートランドフェリーは今年7~9月、奥尻-江差、奥尻-せたなの2航路を乗用車で利用し江差町、せたな町、奥尻町の3町を巡ると、復路の乗用車航送運賃(運転手1人の運賃含む)が無料になるキャンペーンを実施する。
条件は①江差、せたなの両航路を使う②車1台に2人以上乗る③車の長さは6メートル未満④奥尻島内の旅館、民宿などに1泊以上する⑤事前予約を行うなど。5メートル未満の車の場合、復路分としてせたな航路の1万2630円か、江差航路の1万8040円が無料になる。
こちらは道の補助予算から実施するが、片道乗用車積載が無料というのは魅力的である。クルマで訪問をする機会の少ない奥尻島だが、海産物だけではなく、温泉や最近ではワイナリーとなかなか魅力に富んだ島なのでPRにはよい機会かもしれない。
大間航路は当面安泰、本州北海道間レンタカー乗り捨て可能な新サービスの導入は
2010年06月06日掲 載
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まもなく函館港へ入港する大間発「ばあゆ」 外人墓地付近から撮影
函館—大間(青森県)間のフェリー航路の存続問題で、同航路の運航事業者の津軽海峡フェリー(函館市港町3)は1日、当初は8月末までとしていた暫定運航を、財政支援や新造船の導入を前提に12月末まで継続すると発表した。新造船就航までは現行船で最長2012年度まで運航するとし、存廃に揺れた同航路は当面存続される見通しになった。(6/2付 函館新聞)
存続が危惧されていた大間航路は当面運航が継続されることになった。町と県が折半で年間6000万円を上限に補助金で支援することも決まったが、東日本フェリー時代と比較すると旅客運賃や船送料は2倍近くになっており、これだけ値上げしても大きな赤字が出る航路なのであろうか。
また、津軽海峡フェリー側は現行船「ばあゆ」(1529トン)の老朽化に伴い新造船導入の必要性を訴えている。これに対し、大間町では、町議会が新造船の大きさについて現行と同規模の「1500トン級」が相当と結論づけた一方、同社は「就航率の向上や観光振興には安定運航が不可欠」として「2000トン級」を提案。今後も、船体規模のメリット・デメリットをまとめて町議会に説明すると、函館新聞では報じている。
現在、「ばあゆ」の輸送能力はトラック15台または乗用車60台、輸送人員470名である。運賃が2,200円、4m未満の航送が16,000円だが、東日本F時代は運賃が1170円、航送が9,990円と前述したとおり、かなりの値上げだ。また、4往復体勢であったものが、通常期では2往復に減便されている。
大間航路は生活航路であるが、新たな需要を創出するために「観光航路」として再生することはできないか提案をしたい。大間町はかつては最果ての寒漁村であったが、最近では「大間のマグロ」で全国的にも知られるようになった。大間がある下北半島は恐山やブナ原生林、奇岩が続くむつ湾(仏が浦)、下風呂温泉などの隠れた名湯など観光資源に恵まれており、最近では観光客の入り数も増やしている。12月には新幹線が新青森まで延長し、さらに脚光を浴びることが予想される。
これまで下北観光の最大の欠点はアクセスにあった。公共交通利用だと大湊線から路線バス乗り継ぎになるが、バスの本数は少なく大間までの利便性は低い。そのままUターンをして戻るケースが殆どで、フェリーで渡道する観光客は少なかった。マイカー利用者も航送料の高さや便数の少なさもあり、Uターンが多かったはずだ。
レンタカーが有効に活用できればよいが、大間にはオリックスレンタカー1社のみ。大湊の駅レンやむつ市内には何社かあるが、レンタカーの乗り捨ては県内(北東北)のみで、北海道では出来ないのが決まりになっている。
もし、青森県内でレンタカーを借りて、フェリーを利用し、函館など道内で乗り捨てができれば利便性が高まり、広域観光への期待が高まる。レンタカーを活用して片道フェリー、往復フェリーで旅をする。往復の場合、大間航路だけではなく、青函航路利用の選択肢もある。
レンタカー+フェリー航送料をパッケージにしたような商品ができれば新たな観光需要の発掘となり、青函広域観光が可能となる。青森まで新幹線、そこからレンタカー&フェリーを利用して北海道へ、そして青森へ戻り、ふたたび新幹線で帰る。
レンタカー会社と提携し、宿泊などもパック化した値頃感のある商品を出せば、家族連れなどを中心に需要が見込まれるはずだ。レンタカーで本州・北海道を往来する・・・勿論、マイカー向けの商品もあってもいいが、高い印象の航送料を抑え、観光航路に活路を見出すことが大間航路ならびに青函航路を含めた活性への道ではないであろうか。
2千トンクラスといわず3千トンでもよい。観光&ドライブ(レンタカー&マイカー)層をターゲットにした戦略を津軽海峡フェリーと行政の方には考えていただきたい。
「ナッチャン」が季節限定で今年も復活、「はやぶさ」運転にあわせ通年運航と1隻は残留を
2010年05月15日掲 載
先日のブログで津軽海峡フェリーが7月から新造船「ブルードルフィン」を青函航路に投入することを紹介した。ドッグルームやジャグジー付きの豪華船室など、同社が打ち出している「カジュアル・クルーズ」をコンセプトにしたフェリーである。また、昨年秋から休航中であった高速船「ナッチャンWorld」が7月から10月までの季節限定ながら復活することになった。
「ナッチャン」は一日1往復で青函航路に就航。所要時間は2時間45分だ。就航時は1時間45分であったが、曳き波の影響による漁業関係者への配慮から速度規制を行い、昨年の臨時運航と同様の所要時間となった。それでも、新たに就航する「ブルードルフィン」の3時間40分と較べると、速い。座席はエコノミー・ビジネス・エグゼクティブの3クラス制が復活している。
何度も書いているが、「ナッチャン」は売却を視野に置いているため、臨時運航となっている。本来であらば、12月に新幹線が青森まで延伸、それに併せて定期通年運航できるのが理想であるが。
冬季は北海道、青森とも観光客が大幅に減る時期だが、今年は新幹線景気が期待できる。たとえば、青森までは新幹線を利用、十和田や八甲田観光の後、「ナッチャン」で函館へ向かい、クリスマスファンタジーなどを楽しむといった青函交流観光が可能になるのだ。
新青森からフェリーターミナルまではシャトルバスを運行、そのままフェリーに乗り込み、函館港からはベイエリアまでの専用バス(運行中)を利用、勿論、観光バスでもよい。
私見だが、ナッチャン2隻のうち、1隻は残した方が青函観光、津軽海峡Fにとってもプラスになるのではないか。残る1隻も国内売却やリースにしていただければ、PRのネタになり、相乗効果が期待できる。
特に「はやぶさ」運用で3時間で東京と結ばれた時、このフェリーは意外な効果を発揮すると思う。
津軽海峡フェリーがドッグルームやジャグジー付きの中古改造船を青函航路に投入
2010年05月07日掲 載
津軽海峡フェリー(函館市港町3、関根二夫社長)は28日、函館―青森航路で国内初となる犬専用のバルコニーを備えた新船「ブルードルフィン」(約7000㌧)を導入すると発表した。7月17日からの運航開始に向け、道運輸局に認可を申請。青函圏の活性化や本州からの観光客の入り込み増が期待される。(4/29付 函館新聞)
津軽海峡フェリーが新船導入と訊いて一瞬驚いた。というのも、あのナッチャン2隻の売却が決まっていない段階で新造船はないと思ったが、記事を読むと1994年建造で、「びなす」と同タイプのものらしい。
ブルードルフィンは海外で就航していたものらしいが、国内フェリーで建造後16年はかなり経年している。最大の特徴はドッグルームを設けたことで、デッキを活用した「ドッグラン」も可能と云う(念のために船の修理のドックではなくペット用である)。
また、客室も個室を増やし、ドッグルームの他、赤ちゃんルーム、女性専用ルーム、さらにはジャグジー付きのプレミア個室を設けるなどデラックス化しており、中距離航路では異例である。
津軽海峡フェリーでは”カジュアル クルーズ”を同社の新たな戦略に置いている。その第一弾が「ブルードルフィン」ということらしいが、この戦略、疑問も残る。
まず、就航する青函航路の所要時間は3時間40分である。この程度の航路にジャグジーを備えたような豪華客室は必要であろうか?個室はコンフォート、ファースト、スイーツ、プレミアと4タイプもある(定員では全体の1割程度)が、ドッグルームを含めて需要に関してはわからない。
東北新幹線の青森延伸を見据えた営業戦略かもしれないが、もし青函接続を考えるなら豪華さよりも、速達性が重要ではないか。3時間40分という所用時間は青函連絡船時代と変わず、ターゲットが不透明である。時間に余裕があるシニア層や家族連れを取り込もうと考えているのかもしれないがその辺りの市場調査はしっかり行なったのであろうか。
現在、休航中のナッチャンは本来、カジュアル・クルーズと速達性を目的に就航させたものではないか。
カジュアル・クルーズというコピーはナッチャンに似合うものだ。ブルードルフィンはニュース性はあるが、付加価値部分の発想がズレていると思う。今回の新船は、同社が撤退をした長距離航路には最適だが青函航路に投入をしてもあまり意味がない。ナッチャン就航時もそうであったが、津軽海峡フェリー(リベラ)は需要を読めていないような気がする。
ナッチャン1隻でも、青函航路に復活させた方が遥かに可能性があると思うが、改造した中古船を投入せざるを得ない事情があるからであろう。津軽海峡Fの動向は気になっていたが、よい方向へ向かうことを期待する。
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いい旅しよう 北杜の窓
「ナッチャンWorld」体験クルーズに乗船,,高速船の魅力を十分にPRできたのではないか
2010年02月22日掲 載
21日(日)、「ナッチャンworld」の久里浜港からのクルーズに乗船した。午前、午後の2回に分けて行なわれ所要時間は約100分。浦賀水道を南下し、三浦半島剣崎灯台を過ぎたあたりからフルスピード約36ノット(66キロ)での航行が始まった。船内では青森物産展やねぶたショーなど青函観光のPRが行なわれた。
寒さも和らぎ、波も殆どないクルーズ日和であった。デッキの風には春の到来を感じた。管理人は13時発に乗船したが、数えたところ200人以上の乗船客はいた。料金はエコノミーで6千円(青森特産品のお土産付き)。利用者はフェリーファンと一般客とに分かれていたが、写真撮影、ねぶたショー、物産品販売など飽きさせない。
浦賀水道を南下して、三浦半島剣崎灯台付近から全速航行となる。揺れやスピードも感じないほど何事もなく航海し、その安定感ぶりに乗船客の多くが驚いていた。ナッチャンは三浦半島沖で20分ほど全速で走行、Uターンをして久里浜へ戻った。
このプロモーションは東北新幹線延伸を控えた青森キャンペーンのために行なわれたが、ナッチャンのPRにも大きくなったはずである。これが青函航路や青森&函館(北海道)観光の活性化、ナッチャンの再生につながってくれることを祈る。
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乗船券引換え場所 郵船トラベルなどがエージェント この場所、大分行きフェリーシャトルハイウェイラインの事務所で中はそのままになっているので廃止ではなく、休航なのであろう
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歓迎の横断幕と乗船を待つ人々 大分行き乗り場であった大きな岸壁
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全速力で航行開始 ちなみに青森から横浜までの所要時間は20時間弱とのこと。
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ねぶたショーも開催 かなりの盛り上がりをみせる リゾートしらかみを思い出す
「ナッチャンWorld」 in Yokohama, 平日にも関わらず大盛況の見学会、この船の潜在力の高さを再確認した
2010年02月21日掲 載
2/19.20と「ナッチャンworld」が横浜港大桟橋にやってきた。この件については、先日の拙ブログで紹介をしたので詳細は省くが、管理人は19日(金)の見学会に行ってきた。
当日は平日にも関わらず多くの人で賑わい、入場整理のため200人近い人が桟橋に待たされていた。多くがリタイアをした中高年層であるが、物産展絡みだと(車両甲板で青森物産展を開催)どこで情報を嗅ぎ付けたのかシニアが大挙来場する。
一昨年5月、「ナッチャンWorld」には青函航路で乗船しているが久しぶりの対面。船内は少し古くなった気がしたが久しぶりのお客さんを迎えてなっちゃんも喜んでいるであろう。
津軽海峡フェリーのスタッフも何人か来ていたが、中高年客から同じような質問がスタッフに飛ぶ。「この船はどこを走っているのですか?」。スタッフは現況を説明するが、何だか気の毒に思えてしまった。
津軽海峡Fの方と話をしたが、ナッチャンの今後はまだ未定とのこと。現在はworldが青森港に、Reraが函館港に係留されている。会社としては貨物から旅客へシフトをしたいと云っており、模索中のようだ。売却されないのであれば、青函航路以外でもクルーズなどでの団体使用を考えてもいいのではないか。お手軽クルーズにこの船の生き残る道があると思うが。
就航時、首都圏でも大々的にPRをしたが残念ながら今ひとつ浸透されなかった(その前に撤退してしまった)。今年は東北新幹線が青森まで延伸するが、函館まで開通するには5年かかる。これから青函交流・青函観光を活性化されるには絶好の機会である。
その直前に撤退をしてしまった「ナッチャン」であるが、しっかりとした営業戦略を持てば再生は可能と見た。青函観光の大きな武器になることを再確認をしたが、カギはこの見学会に来ているような中高年層への訴求である。
【参考】「ナッチャンworldで行く北海道 乗船体験記」
小樽市が新日本海フェリー利用者にまた補助、宇高航路も廃止され限界にきたフェリー業界
2010年02月18日掲 載
小樽市は、新年度から新日本海フェリーの小樽発新潟行きのトラック運賃を、1台に付き1万円補助する方針を決めた。16日発表した新年度予算案に、関連の事業費1500万円を盛り込んだ。 不況や高速道路割引の影響で輸送実績が落ち込むフェリー便を支援する狙い。同社によると、自治体が特定のフェリー便のトラック運賃を補助するのは道内初という。
昨年6月のブログで、新日本海フェリーの小樽-新潟便利用者に小樽市が金券を贈呈するというニュースを書いた。しかし、その後も実績は回復をせずに、今回はトラック運賃を2万円割引くというサービスに出た。補助は小樽市とフェリー会社が1万円ずつ出し合うもので、4~9月末までの半年間、小樽発の便に限ってキャンペーンが実施される。
フェリー業界の苦境は頻繁に報じられるようになったが、伝統の宇高航路も2社(国道フェリー&四国フェリー)が撤退することで、全廃されることになってしまった。瀬戸内では昨年3月からわずか1年足らずの間に6社7航路が撤退に追い込まれたことになるという。四国新聞に詳細記事が出ている。 【→参照記事】
フェリーの退潮はフェリー業界だけではなく、小樽市や宇野市などフェリーと共に歩んできた町の地域経済にも大きく影響を及ぼしている。フェリー各社の営業努力はすでに限界に達しており、小樽市のような地道なサポートに頼るしかないのが現状である。政府が動かない限り打開策は見えてこないが、現状ではフェリーは切り捨てられていくであろう。
高速道路とフェリー・鉄道・バス(公共交通)の闘いは地方をさらに衰退化させ、都市部と地方中核都市だけに人やモノが集中する歪な国づくりに拍車を掛けそうである。
ナッチャンWorldが青森のPRでふたたび横浜へ、今回は久里浜で外洋クルーズ実現
2010年02月11日掲 載
最近ウワサを聞かなくなっていた「ナッチャンWorld」が昨年3月に続いて、2月19日(金)~20日(土)に横浜へやってくることになった。昨年は「函館開港150周年イベント」のPRで来たが、今回は東北新幹線青森延伸を記念したプロモーションを兼ねての再登場、1年ぶりの出稼ぎ航海である。
目玉は2/21(日)に行なわれる久里浜港発着の”外洋クルーズ”である。昨年の「函館開港150周年イベント」では、体験航海が横浜港内であったため、自慢の速さを披露することはできなかった。しかし今回、久里浜発着のクルーズは所要100分とあり、東京湾を出て館山や伊豆大島の近くまで足を運ぶことも可能なので、これなら高速船の速さを実感することができるのではないか。津軽海峡以外での一般向け本格クルーズは多分初めてであり、今後こういった機会はないと思われる。
それにしても「ナッチャンWorld」はどこへ行くのであろうか。不況で目論んでいた海外への売却も出来ず青森港に係留されたままである。昨年は夏季のみ青函航路で復活したが利用率はよかったようだ。復活を期待したが津軽海峡フェリーではすでに次のもう少し小型の高速船を検討しているようだが、「ナッチャン」が売却できないことには無理であろう。やはり青函航路からの撤退は惜しいと思うし、再建中の会社が何のために高価な巨大船を2隻も造ったのか理解できない。
今回、横須賀市久里浜港(房総・金谷とを結ぶ東京湾フェリー発着地)を利用するが、ここから伊豆大島・三宅島・八丈島など伊豆諸島にナッチャンが就航できないものかと管理人はだいぶ前から思っていた。伊豆諸島便を運航している東海汽船にはフェリーがないのがネックであるが、
現在、東京竹芝・久里浜と大島を結んでいる小型高速船はかなり揺れ、2年前には高波による事故も起している。敢えて、スピードが出せない東京(東京湾)は走らず、すぐに外海で出られる久里浜を拠点とする。ここは高速(横浜横須賀道路)のICにも近く、マイカー利用者にも便利だ。
もし、「ナッチャンWorld」が伊豆諸島や久里浜・館山・熱海・伊東・下田・三崎・江ノ島など観光地を結ぶことができれば新たな需要を開拓できるのではないか。たとえば、週末は大混雑をする湘南・伊豆方面の道路を避けてナッチャンで伊豆方面へ行くという方法もある。また、お手軽クルーズのような形態で旅行会社とタイアップして運航すれば安定した需要も見込まれる。
国内でナッチャン就航に見合うような航路は探してもなかなか見つからない。国内であれば首都圏しかないのではあろうか。瀬戸内もいいが高速道路には勝てず、航路は狭いため高速航行は無理だ。また、久里浜港は4年までシャトルハイウェイラインの長距離フェリー大分便が就航しており、港も整備されている。
今回のクルーズ、売却へ向けたデモ航海と云う意味合いもありそうである。
乗船してみたい。
関西汽船と阪神高速が共同商品を開発、フェリーと高速道のコラボは初めてか
2009年11月15日掲 載
阪神高速道路会社、関西汽船、さんふらわあトラベルの共同企画により、九州から関西を訪れるドライブ旅行者にお得なプランが販売されている。別府〜大阪間のカーフェリーを利用して大阪に宿泊する旅行商品に申し込むと、オプションで阪神高速の乗り放題パスが利用できる。10月30日出発分からスタートし、来年3月末まで。(11/14付 観光経済新聞)
この企画商品、九州から関西を訪れる人が対象である。関西汽船の阪神〜別府航路の100周年記念の期間限定商品として企画されたもので、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を満喫・大阪宿泊プラン」として発売している。この商品の参加者だけに阪神高速道路会社が阪神高速の通行料金が終日1200円で乗り放題となるというもので、ETC搭載の乗用車が対象である。
これまで高速道路とフェリーは本四架橋の完成や、千円高速の実施などで、云わば天敵関係にあったが、両者がコラボレーションをしたのは初めてではないか。今回、参加した高速道路はNEXCOではなく、阪神高速なのでエリアは狭い。本来であれば、フェリー、高速道路をそれぞれ格安で利用できるようなサービスになればフェアーであると思うが現実的には難しいであろう。
100周年となる関西-別府航路は昭和40年代前半までは新婚旅行のゴールデンコースであり、豪華クルーズのはしりといってよいルートである。実際、関西汽船とJALが利用できる周遊きっぷを発売していた時代もあり、花形ルートであった。今後は関西から九州へ訪れる人たちを対象にした企画商品の開発を期待したいところだ。
なお、関西汽船は11月1日付けでダイヤモンドフェリーと事業統合を行い、共同設立による「株式会社フェリーさんふらわあ」として営業開始している。取り巻く状況は厳しいようである。
【参考】阪神高速ETC乗り放題付き商品に関するHP(PDF)
国内フェリーの過半数が赤字、フェリー(船旅)の魅力を身近なところから見直してみよう
2009年10月27日掲 載
国内航路を持つフェリー会社82社のうち過半数の42社が2008年度決算で当期純損益が赤字だったことが、民間調査会社の帝国データバンクが26日発表した調査で分かった。鳩山政権が掲げる高速道路無料化政策が実現すれば、競合航路を持つ企業の収益が一段と悪化するのは必至だ。(10/27付 道新)
帝国DBは、国内に航路を持つフェリー会社のうち、売上高は数字が判明した103社、純損益は82社について調査している。08年度業績で売上高が減少したのは55社で、53・4%を占めた。また純損益の赤字は51・2%の42社。2期連続の赤字も2割強あり、収益環境の厳しさが浮き彫りになっている。
西日本を中心に苦戦するフェリー業界の模様は頻繁にニュースに登場するが、千円高速道路に続き、無料化が順次進めば、決定的ダメージになることは誰の目にも明らかである。高速道路の格安化や昨年までの燃料高が仮に起きていなくても、フェリー業界は物流形態の変化や高速道路網の発達、割高な必要コスト(港使用料や人件費・船舶の更新など)で斜陽産業になっていたことには変わりないだろう。
30年前の長距離フェリー航路図を見ても半分以上のルートと会社がなくなっているのだ。東京発でいえば、釧路・苫小牧・室蘭・松坂・南紀勝浦・高知・大分・日向便などが消えている。再建に失敗をした東日本フェリー(現・津軽海峡フェリー)を見てもわかる通り、先行きは大変厳しいと言わざるを得ない。
管理人はフェリーの観光利用、特に長距離フェリーのクルーズ感覚での利用促進について何度かこのブログで触れている。北海道と本州を結ぶ便であれば商船三井フェリー(大洗-苫小牧)、太平洋フェリー(仙台-苫小牧)、新日本海フェリー(舞鶴・敦賀・新潟・秋田-小樽・苫小牧東)などがあり、太平洋フェリーなどは中高年向けのツアー商品でもよく利用されている。
また、高速バスとセットにした格安チケットを販売して若年層の掘り起こしを図っているが、なかなか客足は伸びていない。このあたりの話題は拙サイト左側にある「カテゴリー」の中の「公共交通・フェリー船舶」を見ていただきたい。
北海道ルートの場合、旅行費用の減少や日程の短縮化、航空機の格安化などフェリーを利用しにくくなっている環境があるが、ひと昔前の夜行列車(寝台列車)と同じで、利用者にフェリーが旅の移動選択手段に入っていないのであろう。
このような時だからこそフェリー業界には頑張ってもらいたいところだ。やはり、利用者アップには認知訴求に尽きると思うが上記3フェリー会社はテレビCMも流しており、集客には努力をしている(以前、北海道では東日本フェリーのCMが相当流れていたことを思い出す)。政府、国交省にも、もう少しフェリー業界への支援をお願いしたいところだ。
長距離フェリー乗船はイベントになってしまうが、身近な短距離フェリーなら気軽に使える。たとえば管理人の実家に近い久里浜(神奈川県)と金谷(千葉県)を結ぶ東京湾フェリーは40分足らずのクルーズだが、乗船するだけで気分転換となる。年に1回ぐらいは目的もなく乗船をするこがあるが、手軽に気分転換ができる。夏は納涼船になるが、ビールと潮風の相性は心地よい。
都内の水上バスも楽しいが、やはり川よりは海の方がいいものだ。関西へ行けば、もっと多くの航路がある。北海道でも航路は減ったが、青函間を中心にいくつか残っており、函館ー大間などはローカル線感覚で楽しめる航路だ。そういう意味では「なっちゃんシリーズ」の撤退は残念でならないが、身近なフェリー航路に乗ることにより、フェリー(船旅)の楽しさを発見してもらいたいものだと思う。
小樽市、新日本海フェリー乗客に金券を贈呈、減便・航路廃止阻止の意味合いもあるか
2009年06月10日掲 載
小樽市は、小樽港と舞鶴(京都)、新潟両港を結ぶフェリーを運航する新日本海フェリー(大阪)に対し、本州側からの乗船客に無料配布する商品券代やその作製費用計2千万円を全額補助することを決めた。観光客の誘致とともに、フェリーの利用促進を図り、不況や高速道路料金の自動料金収受システム(ETC)割引の影響などで輸送実績が落ち込むフェリー会社を支援するのが目的だ。 (6/10付道新)
先日のブログでETC割引によるフェリー会社への打撃について報じたが、今回、小樽市が舞鶴・新潟から乗船をする新日本海フェリー利用客に、舞鶴発が5千円分、新潟発が3千円分の商品券を乗用車1台に付いて支給する。船内と小樽港フェリーターミナル内の飲食店、物販店でのみの使用だが、乗客にとっては有難いサービスである。
新日本海フェリーの小樽航路は1970年に開設、初の日本海ルートによる超大型船就航で、”昭和の北前船”と云われた時代もある。特に時代の先を行く豪華な船内が有名であったが、最近では合理化が進み、以前ほどの輝きを失ない昔の貨物中心の時代に戻った印象がある。
北海道側の発着港は小樽のみであったが、積丹半島経由による時間のロス、物流の流れが太平洋側に集中したこともあり、10年ほど前から苫小牧東港ルートを開設、現在では4往復のうち、小樽、苫小牧それぞれ2往復ずつ担当している。
小樽航路は近年、利用実績の減少傾向が続いている。特にETC割引を開始して以降、乗用車輸送台数の落ち込みが激しくなり、4月は前年比マイナス10%であった。
小樽市から見れば、苫小牧ルートの開設で減便となり、さらに燃料高、そしてETC割引と利用者の減少はイコール小樽市の収入落ち込みにつながる。そうでなくても観光客の減少が続く小樽市にとってその影響は大きい。
今回の商品券は、乗船客へのサービスだけではなく、これ以上の減便を避けたい小樽市の思惑もあるであろう。実際、小樽ルート廃止の噂もあり、新日本海フェリーへの繋ぎ止め対策の意味合いも含まれているのではないか。
道内では室蘭・岩内・釧路・広尾から本州へ向かう大型フェリーが廃止となっている。管理人としては首都圏から道東方面への航路の復活を願うが。そのためには港の使用料の大幅減額などの処置も必要であろう。青函航路の大型高速船にしてもそうだが、フェリーは新たな観光市場開拓の可能性を秘めている。
長距離フェリーの旅はブルートレインとまた違った趣があり、いいものだ。その魅力があまり知られておらず、クルーズ船ばかりが隆盛を極めるのは悔しい気もする。但し、新潟-小樽航路などは小樽港到着が何と早朝4時である。このダイヤは何十年と変わっていないが、その時間に下船しなくてはならないのが面倒だ。物流輸送の関係でこのダイヤ変更は難しいらしいが、せめて朝まで船内に居られないものか。
なお、フェリーターミナル内にある展望レストランと温泉はなかなかいい。フェリーを利用しなくてもいく価値あり。
道南自動車フェリーが休日マイカー割引を開始、また「ナッチャン」の復活も正式決定
2009年05月21日掲 載
道南自動車フェリー(函館市港町3)は19日、6月中旬からマイカー利用客を対象に函館と青森、大間を結ぶ土日、祝日前後の運賃を最大で約25%引き下げる割引サービスの導入を発表した。高速道路料金の大幅値下げや定額給付金の支給に合わせた需要を取り込み、新たな顧客獲得を図る狙いだ。(5/20付 函館新聞)
道南自動車フェリー(旧東日本フェリーで通称津軽海峡フェリー)では、「マイカーホリデー割引」と銘打ち、6月12日—9月28日までの土日、祝日の翌前日などに実施する。また、7月18日から運航再開が決定した青函航路の高速船「ナッチャン」も対象とする。
今回の割引では、軽・普通乗用車のドライバーが一律20%引きで、函館—青森の在来船が片道1万6000円、函館—大間が同1万2800円。同乗者も最大で約25%引きとなり、函館—青森間の在来船2等(エコノミー)が大人片道2000円となる。首都圏発なら東北道経由で、おとな二人で渡道する場合、2万円でお釣りがくることになる(休日ETC割引&2等利用)。但し、乗船日の5日前までに決済を終えていることが条件である。
ETC搭載車の休日高速道路割引はフェリー業界に深刻な影響を与えた。特に長距離航路や本州と直接道路が繋がっている四国・九州とを結ぶ航路では大型連休中、利用者は激減した。北海道と本州を結ぶ航路の場合、大洗や仙台、舞鶴・敦賀・新潟などを結ぶ長距離は痛手だが、青森県と北海道を結ぶ航路にとっては追い風となる可能性がある。何と言っても道路が繋がっていないので、フェリーを利用せざるを得ないのだ。
かつてJRでは、青函トンネルを通る「カートレイン」や「モトトレイン」を運行していたが、利用者が少なく、最近では運転されていない。
また、昨年10月末から運休した函館—青森航路の高速船「ナッチャンWorld(ワールド)」の運行再開が7月18日から9月30日までの期間限定で正式に決まった。
函館—青森間の所要時間は就航当初より1時間長い2時間45分。一日1往復だが、繁忙期は2往復体制をとる。 所要時間の延長や船内サービスの簡素化に伴い、運賃は値下げする。旅客はエコノミーが大人片道4000円、エグゼクティブが7000円。
季節限定の1往復では採算が取れるのか疑問だが、買い手が見つからず、係留させておくよりはデモンストレーションにもなり、よいか。魅力的な高速船なのでこの機会を利用して、是非乗船していただきたい。青函エリアの観光資源にも成りえるので、このままで終わらせては勿体ない。
道南自動車フェリーが津軽海峡フェリーへ 地域に根差す会社になることを期待する
2009年03月04日掲 載
撤退した東日本フェリーの子会社である道南自動車フェリーが3月1日から「津軽海峡フェリー」に名称をあらためた。
同フェリーは現在、函館-青森、函館-大間の2航路を5隻のフェリーで結んでいる。もともと道南自動車フェリーはトラック貨物中心のシンプルなフェリーであったが、東日本フェリーの撤退により、同社船舶を引き継いだため、利用者層は広がっている。
地域輸送に特化、地元密着という意味ではよいネーミングではないか。奥尻や利札航路を運航している東日本海フェリーがハートランドフェリーと社名をあらためたが、こちらよりはわかりやすくてよい。
あとは[継続」を願うばかりだ。
俄かに信用できないが「ナッチャン」が青函航路に復活?
2009年02月21日掲 載
東日本フェリー(函館)が昨年十月末まで運航していた函館-青森航路の高速船を、親会社のリベラホールディングス(広島)が早ければ四月にも再就航させることで検討に入ったことが分かった。 (2/20付道新)
先日のブログで「ナッチャンworld」が横浜開港150周年イベントへの参加を計画していると書いたが、何と青函航路への復活を考えているらしい。時期は4~9月の季節運行で、一日1往復を基本、繁忙期には増便を計画とのこと。運行は道南自動車フェリーか東日本フェリーのいずれか。
燃料代も下がり、世界的な不況で高速船の売却先も見つからず、休ませている位なら動かして日銭を稼いだ方がいいということか。この会社、これまで何度もバルーンを揚げながら実現に至っていないケースが多く、管理人は信用していない。
先日、ナッチャンと高速バスをセットにしたきっぷを販売していたあるバス会社の方が、「高速船のダイヤ変更が頻繁に行なわれ、その度にバスダイヤも変更しなければならいので、大変迷惑した」という旨の話を人伝に聞いた。
高速船の復活が本当ならいい話に違いないが、はたして一日一往復の季節運行でやっていけるのか疑問は残る。
『ナッチャンWorld』が何と横浜港で復活か
2009年02月15日掲 載
昨年十月末まで、函館-青森間で運航されていた東日本フェリー(函館)の高速船「ナッチャンWorld(ワールド)」を今月末にも、横浜港大さん橋に回航させ、函館の開港百五十周年をPRする舞台とする計画が持ち上がっている。(2/13付 道新)
横浜も今年開港150年を迎え、多くのイベントが控えている。その場を借りての函館開港PRだが、何で今更「ナッチャンWorld」なのか。観光や物流、地域の足を奪うなど多方面に亘り、函館へ深刻な影響を与えた東日本フェリーのいわく付きの船である。
管理人はもうてっきり売りに出されていると思っていたが、まだ東日本フェリーの手元にあるようだ。このご時勢だから海外での売却話もどうなったことか。
横浜港を回遊させるのなら派手にやっていただきたい。あのスピード、東京湾では無理だ。まして横浜港内だから期待できないが、ベイブリッジを高速でくぐり抜けて、僅か数ヶ月で終わった青函航路の恨みを晴らしてほしいものだ。首都圏-伊豆諸島の定期便で使用すれば面白いと思うが、東海汽船はフェリーの運航をしないので無理であろう。「ナッチャン」どこへ行くのか。
「飛んでクルーズ北海道」がNO.1クルーズに
2009年01月20日掲 載
日本外航客船協会(会長・松平誠郵船クルーズ会長)は15日、「クルーズ・オブ・ザ・イヤー2008」のグランプリにJTB北海道や商船三井客船などが実施した「にっぽん丸『飛んでクルーズ北海道』」を選んだと発表した。授賞式は2月2日、東京・平河町の海運ビルで行われる。(1/17付 観光経済新聞)
「飛んでクルーズ北海道」は、北海道の港を起点とした将来の定期・定点クルーズを目指す目的で、JTBと商船三井客船が共同企画。北海道運輸局などもサポートするかたちで2006年スタートした。国内初の空路と海路のフライ&クルーズプランで、出港地の小樽までは航空機を利用、小樽港から利尻・礼文・網走などを周遊し、小樽へ戻る。
往復飛行機利用のため、時間と費用の節約になり、4泊5日で10万円程度からコースがあり、お手軽なクルージングとなっている。時間と価格だけではなく、船内もカジュアル服でOK。北海道観光に正装服とカジュアル服両方を持って行くのは大変なのでありがたいことだ。
利用者の7割強がクルーズ初乗船客であり、敷居が高かったクルーズの窓口を広げ、潜在需要の高さが確認できたという意味においても評価された模様。今シーズンも秋に4コース催行される。
北海道一周クルーズのようなかたちで定期的に航路が誕生すれば、クルーズの普及だけではなく、寄港地の地域活性にもつながるので期待したいところだ。
【参考】昨年の「飛んでクルーズ北海道】公式サイト(にっぽん丸)
室蘭港以外にもある航路の灯が消えたフェリー港
2008年12月01日掲 載
写真上:室蘭行き「びなす」・下:函館行き「びるご」青森港東日本フェリー乗り場 2008・6撮影
フェリー事業から撤退する東日本フェリー(本社・函館市)の室蘭―青森航路(青蘭航路)が30日の運航を最後に廃止され、41年にわたる室蘭港のフェリーの歴史に終止符が打たれる。室蘭市などは航路確保へ誘致活動を続けるが、めどは立っていない。(11/29付 朝日新聞北海道版)
2008年11月30日は室蘭航路だけではなく、東日本フェリーがフェリー事業から撤退をした日となり、同社41年の歴史に幕を閉じた。青函航路は子会社の道南自動車フェリーが引き継ぐが、何とも寂しいラストとなった。「0系新幹線」とは対照的である。
室蘭航路はかつて最大5航路あり、大洗や直江津など本州からの長距離便も就航。昨年の今頃は「なっちゃん」を就航させたいので岸壁を改修しろと東日本Fが言っていたものだ。苫小牧と物流面でも競っていたが、いっきにゼロとなり、すべて苫小牧に持って行かれるので室蘭市への経済的打撃も大きい。
私見だが、新日本海フェリーの新潟-苫小牧東港航路を室蘭寄航へ変更できないであろうか。苫小牧東港は苫小牧の中心からかなり離れており、連絡バスも40分以上はかかる。商船三井フェリーなどが発着する苫小牧港と比べると利便性が大幅に悪い。アクセスの悪い東港ではなく、室蘭港に寄港できれば大変便利である。
また、室蘭-青森航路は明治時代からある歴史あるものである。青森か八戸発着で川崎近海汽船あたりで復活できないものか。
それにしても東日本フェリー(リベラ)は北海道を本州を結ぶ航路をズタズタにしてくれた。室蘭だけではなく、早々と長距離航路(直江津便)が消えた岩内、室蘭便があった大畑、野辺地、リベラに変わる前だが三厩や福島などが消えて、寂しくなった。経済的打撃は室蘭だけではなく、核となる函館、青森、また生活航路としての大間、また、岩内なども含めて、廃止された港すべてである。
元凶の一部、「なっちゃん」はどこへ行くのか。せめて罪滅ぼしに大間-函館間にでも1年間就航させろ。
罪が大きい東日本フェリー(リベラ)とエアトランセ
2008年09月17日掲 載
東日本フェリーの国内フェリー事業撤退の陰に隠れているが、同じ函館を基地にしているエアトランセも本社機能を今月から東京に移していた。当初は1000億円売上げを目指す女性社長誕生ということで話題になったが、場当たり的ともいえる路線の就航と廃止(休航)の繰り返し、挙句に沖縄や大分、函館-仙台間のチャーター便に活路を見出したが、どれもが三ヶ月程度て撤退。機材の差押さえや融資の焦げ付きによるハコセンの倒産など数々のネガティブな話題を提供してくれた。
これまで拙ブログでエアトランセについては厳しく書いてきた。北杜の窓の方針としてイエローメディア的な人様の悪口や無責任な批判は書かないことにしているが、あまりにも無計画で、公共交通事業者としての意識が欠如するエアトランセに対しては糾弾したこともあった。最近はコミューター会社として機能しておらず、記事にする気もなかったが、東日本フェリー撤退のニュースを聞いて、両社に共通点が多いのでちょっと触れてみたい。
今回、偶然(?)にも函館をベースにする両社が撤退する訳だが、共に乗り込んで3,4年程度であり、かき回すだけ掻き回しての退散である。それぞれ思惑外れもあるであろうが、共通点はマーケティングの甘さである。素人目にも函館発着の道内コミューター便が成功するとは思えない。道が支援しているHACでさえも大幅な赤字である。日本でまだこのジャンルで成功した会社は存在しないのだ。道内限定で地道にやっていれば風向きも変わったかもしれないが、エアトランセ自ら不信感を招くような行動をしていた。
東日本フェリーには好意的に書いてきたつもりだ。道南、青函地域の活性へ貢献してくれると踏んでいたからだが、マーケティングの甘さは昨年9月の高速船就航時からかんじていた。リソースを高速船に集中させたことは再建中の企業にとって大きな冒険である。リソースを集中させること自体、企業の再建・効率経営へ向けたセオリーではあるが、その背景を読み違えていたと言わざるを得ない。エアトランセもそうだが、市場調査が非常にあまい。
東日本Fに関しては、背後にGSなどのハゲタカがおり、高速船売却を狙った計画的な撤退ではないかという噂もある。管理人のヨミでは1隻目就航時は青函航路に社運を賭けたが、伸びない利用者と燃料高で既に発注していた2隻目就航前には方向転換、単なる引取り手探しのデモンストレーション航海ではなかったか・・・・どんな背景があるにせよハイリスクな行為であり、結果的に東日本Fには「庇を貸して、母屋を取られた」かたちになった。罪は重い。
エアトランセの社長のブログを読んでいると道内メディアや北海道財界への不信感がよく出てくる。社長自ら不信感を招く事業展開をしていたので仕方がないのだが、道外からやって来て、それも札幌ではなく、函館ではきつかったであろうとその部分だけは同情する。管理人も函館で仕事をしていたが、歴史があり、ハマの函館は閉鎖性が強く、やりずらかったには違いない。経済も長期低迷する函館での「起業」はやはり無理か。結果的にはお互いを不幸にしてしまった。
不幸なのは大空に憧れてエアトランセに就職したスタッフ、同様に高速船に憧れて東日本フェリーに入ったクルーである。就職の機会に恵まれない地域に、失業者を増やしてしまう結果になった。
東日本フェリー撤退、地域への責任は大きいぞ
2008年09月09日掲 載
東日本フェリーの古閑信二社長は8日、函館北洋ビルで記者会見し、11月末で函館―青森など3航路の国内フェリー事業からの撤退を正式に発表した。燃油高騰や利用客の伸び悩みから採算が悪化したためで、3航路全体で年間の赤字が約50億円に膨らむことを明らかにした。昨年9月と今年5月に相次いで就航した高速船「ナッチャンRera(レラ)」「ナッチャンWorld(World)」の2隻も10月末で運航を休止する。(9/9付 函館新聞)
1年前の今頃、都内でもナッチャン就航のポスターが駅や地下鉄コンコースに大々的に張られていた。一地方船舶会社がここまでプロモーションを掛けるのは異例のことであり、そのヤル気が伝わってきた。反面、果たして費用対効果が合うのか一抹の不安もあった。そしてその不安は的中してしまった。
昨日の会見で社長は、「函館―青森について、昨年同期比で2倍の伸びを見込んでいた夏場の利用が27~28%程度しか伸びず、高速フェリーの利用者も当初見込んだ年間55万人に対し、33万人と伸び悩んだ。このままでは3航路合わせての赤字が40億円に達することが見込まれ、8月末に撤退を決断した」と撤退の理由を語っている。
高速船の利用者を前年比100%増と見込んでいたようだが、そのヨミ甘くないか。いくらなんでもそんなに増えるものではなく、燃料高が仮に無かったとしてもせいぜい4割増しといったところであろう。まだまだ高速船の認知度は高くなく、青函移動の選択肢に入るまでは時間が必要だ。年間の赤字が会社全体で40億円近くあるということだが、38億円もかけて作ったターミナルなど何でここまでやったのか理解に苦しむ。
記者会見では、「当初から高速船は売却ありきだったのでは」との質問が及んだようだが、過剰投資に限らず、この会社は何をめざしているのかわからないことが多い。もともと売り飛ばす目的で東日本フェリーの再建に名乗り出たということはないであろうが、結果的には本州と北海道を緻密なネットワークで結んでいた航路をズタズタにしてしまった。その責任は大きい。
青函の大型高速船就航は、地域振興や観光面に於いて数々の期待を持たせてくれた。飛行機、JRに代わる新たな移動手段としての活用(特に観光客の利用)、北海道本州間の直通都市間バスの運行(実際に計画中だったらしい)、新青森や新函館まで新幹線延伸時にはアクセスの悪い両駅に変わって高速船の活躍の場が広がると可能性などあったが、僅か1年で幕を下ろすことになってしまった。
高速フェリー「ナッチャン」(東日本フェリー)の休航に思うこと
2008年09月08日掲 載
東日本フェリーが、11月末で函館―青森など道内と青森県を結ぶ3航路からの撤退することが4日、明らかになった。函館―青森を約2時間で結んで話題となった高速フェリー「ナッチャン」は、就航からわずか1年余りで運航休止に追い込まれた。大量の燃料を消費する高速船は、期待に反して需要が伸び悩み、燃料高騰により赤字が膨らんだ。9月から乗船料を3割値上げし、段階的に減便などの対策をとったが、「焼け石に水」だった。(9/5付 朝日新聞)
これまで数々の話題を提供してくれた青函高速船「ナッチャン」シリーズだが、夏前あたりから雲行きが怪しくなってきた。燃料高による減便、大幅な料金値上げで、これからの閑散期に向かい1隻体制になるのではと危惧したいたが、まさか航路廃止とは想像つかなかった。
今後、その他の東日本フェリー航路に関しては、行政などと運航存続に向けて調整に入るが、高速船に関しては僅か1年での廃止となる。旧経営時代の同フェリーが2度に渡り、高速船を運航させたが、旅客のみでの需要は少なく、早々と撤退しているが、またしても同じ破目に・・・・
6月に「ナッチャンWorld」に乗船したが、その時も100人程度の乗客で閑散としており、積載車両も20台数台程度であった。燃料高という想定外のアゲインストはあったが、この高速船計画自体に無理があったような気がする。まず需要が定かではないのに2隻体制にしたこと。特にあの運賃では業務用の車載需要は期待できない。また、専用ターミナルや豪華な船内をつくるなどその”意気込み”は評価できたが、過剰投資(やり過ぎ)のような気がしていた。
事前に詳細な市場調査はしているはずだが、需要を読み違えていたのではないか。JR特急と対抗できる所要時間を売り物にしていたが、ターミナルまでの所要時間やフリークエンシーなどを考えると対抗馬にはなり得ない。もともと青函往復はJRでさえも集客に苦戦している。青森・函館間に限った往来はもともと需要がなく、そのあたり瀬戸内航路などどは異なる。旅客を中心に考えると青函連絡の市場は少ないのだ。新幹線も出来ていなかったので時期尚早といえないこともなかった。
これまで新体制の東日本フェリーは多くの話題を提供してくれた。短中長距離航路の大幅なリストラ削減では先行きを心配させたが、ナッチャンシリーズの就航発表、さらに青森・函館港の出航地を連絡船時代に近い場所に戻す計画、博多-直江津-室蘭航路(現代版北前船)の境港・金沢寄航と航路復活(結局は休止のまま)、最近では函館港フェリー乗り場からベイエリアまでの小型連絡船就航発表など話題を提供してくれたが、話題先行が多く、地に足が着いていないのではと心配していた。
考えてみると函館からはあのエアトランセも撤退するらしい。奥尻便のエアー北海道も会社を整理しており、公共交通ビジネスでは鬼門か。長期低迷が続く函館市にとって今回の航路廃止はイメージダウンにもつながり、観光集客にも影響するであろう。ナッチャンは函館観光の新しい魅力になり得たはずで、少しずつ定着してきた矢先なので残念な結果である。
東日本フェリーに限らず、フェリー業界はこのままでは休航・廃止が増えることが予想される。国にも何らかのサポートをお願いしたいところだ。
【関連記事】
e-hakodate ブログニュース
函館世界最大級導入の東日本フェリー撤退J-CAST ニュース
「なっちゃんWorld」で行く北海道 乗船体験記 拙ブログ
函館港フェリー乗り場とベイエリアにシャトル航路が誕生
2008年07月28日掲 載
函館港内などの観光遊覧船「ブルームーン」を運航するマルカツ興産は二十八日、東日本フェリー函館ターミナルと函館西波止場前を結ぶシャトル便の運航を開始する。同ターミナル-JR函館駅間のシャトルバスも八月一日から、ラビスタ函館ベイまで運行区間を延長する予定で、ベイエリアからターミナルへのアクセスが向上しそうだ。 (7/26道新)
高速船「ナッチャン」などが発着する東日本フェリー乗り場は函館駅からだいぶ離れており、函館駅とを結ぶシャトルバス(函館帝産バス)以外、中心へ向かう公共交通機関はなかった。今回、西波止場(金森倉庫群)とフェリーターミナルが航路で結ばれたことでベイエリアへのアクセスが大変便利となった。また、シャトルバスもホテルラビスタ函館まで延長するので、乗換えなしで観光スポットまで行けるようになる。
これまでベイエリアへのアクセスは意外と不便であったが、このところ函館市内の公共交通(特にバス)の利便性が増している。函館駅方面から朝市前を通り、金森倉庫群へ向かう循環バスの運行や空港から五稜郭方面への直通バスの運行など新路線の開設が相次いでおり、道内では数少ない公共交通機関で観光ができる場所だ。
以前、函館観光関係のセミナーで管理人は、路面電車を駅前まで乗り入れさせて、さらに朝市前から金森倉庫群まで延長させてドック線とつなげる新路線や元町地区の坂道にサンフランシスコやリスボンのようなケーブルカーを走らせたらどうかという絵空事に近いようなことを発表したことがある。その中の提案ではベイエリアの循環バスは実現したが(管理人以外からの提案であろうが)。
今回のフェリーターミナルからベイエリアまでの航路とバス路線の新設は、東日本フェリーから持ちかけた話であろうが、もし、ベイエリアから高速フェリーが出航できれば、「ナッチャン」が利用し易くなり、函館観光全体から見ても活性化が期待できる。西波止場からドック方面にかけて専用ターミナルは作れそうな気がするが。
今度は東京-富良野 高速バス&フェリーきっぷが登場
2008年06月25日掲 載
最近、高速バスと長距離フェリーのコラボレーションによる格安きっぷが多く誕生している。弊サイトでもこれまで何度かお伝えしてきたが、6月より東京-富良野を結ぶ「ふらの・ストーリー」が登場した。料金は片道11,800円で9月30日まで運行(7/18-8/31を除く)。
東京駅発の場合、水戸駅までは高速バス(JRバス関東・関東鉄道・茨城交通)を利用、路線バスに乗り換え大洗港まで行き、18:30発の商船三井フェリーに乗船、翌日13:30に苫小牧港到着、札幌行きの高速バス(中央バス)に乗り換え15:45札幌駅到着、さらに16:20発の「ふらの号」(中央バス)に乗り、富良野には18:48到着。東京駅発は14時発までの「高速みと号」を利用することになっている。
これまで札幌行きの「パシフィックストーリー」、さらに札幌から知床行きのバスを加えた企画乗車券を発売していたが、今回は人気の観光地・富良野行きを発売。富良野観光はJRもこの時期、直通のリゾート特急を走らせるなどドル箱となっているがバス&フェリーはどこまでニッチ市場に食い込めるであろうか。揺れが少ない時期なので時間と体力がある人にはおススメ。
【参考】商船三井フェリー オフィシャルHP
【参考】これは最安値か?「東京⇔小樽エコノミーきっぷ」は8,900円
「なっちゃんWorld」で行く北海道 乗船体験記
2008年05月25日掲 載
写真は上から①旅客ターミナル用の送迎バス(なぜか函館ナンバー)②高速船ターミナル③車両積載を開始したナッチャンWorld
5/23(金)、青森港からこの5月に就航した東日本フェリー高速船第二弾「なっちゃんWorld」に乗船した。
昨年秋に書いたブログ「高速バス&なっちゃんReraで行く北海道」には今でも多くのアクセスをいただく。ところが、このタイトルには偽りがあり、実際は当日荒天による遅れのため、乗船できなかったのだ。その後、乗り直さなければと心に引っ掛かっていたが、やっと乗船する機会に恵まれた。
乗船当日は前泊地の黒石市・温湯温泉(鄙びた温泉地)からレンタカーで酸ヶ湯、八甲田などを通り、青森市内へ。少し時間があったので青森県立郷土館で開催されている企画展「青函連絡船なつかしの100年」を見学した。内容的には青函交流の歴史は面白いが、連絡船に関してはやや力不足であった。
その後、青森駅でレンタカーを返却。出航は13時45分だが、青森駅12時半発のシャトルバスに間に合わず、タクシーでフェリーターミナルへ(約10分1,400円)。既存の東日本フェリーのターミナルではなく、「ナッチャン」専用のターミナルがつくられている。シャトルバスや高速バスで来た人は、もう一度、フェリーターミナル構内を連絡するシャトルバスのシャトルバスに乗り換えなくてならない。
今回、チケットは購入しておらず、当日窓口で5千円のエコノミークラスを購入。この他にもビジネスクラとエグゼクティブがある。船は、今月から就航したなっちゃんシリーズ第2弾「ナッチャンWorld」であった。既に停泊していたが、イラストが違うのであろうが両船の区別がつかない。それにしても巨大である。これまでのフェリーのイメージを覆すものであり、これに社運を賭ける新生・東日本フェリーのやる気度が伝わってくる。
座席は指定になっており、管理人の席は最前列。前方の視界が開けているが、その前にはラウンジもあり、お客さんは指定された席に座らず、ソファーがあるラウンジに最初から来ている。リピーターであろうか。
当日の乗船客は見たとこ100人強。約800人収容できるので空席が目立つ。上級船室を見学に行ったが上層階にあるエグゼクティブはロープが張られており、乗船客はゼロの模様。船尾にあるビジネスクラスも無人であったが、進行方向と反対に座席が設置されており、エコノミーとそれほど差もないのでビジネスの存在自体が問われそうである。
この日の津軽海峡の波高は1メートル程度で穏やか。スムーズで座席に座っていると船に乗っているというかんじがしない。速度はあまりかんじないが、15分先に出航した室蘭行き「びなす」をあっという間に追い抜いた。また、函館発の「Rera」とすれ違う場面があるが、これまでの同僚船すれ違いとは全く違う次元のスピードで、近づき、そして離れてゆく。
サッポロクラシックビールで気分が良くなり、ウトウトしていると函館山が見えてきた。出航してからまだ1時間ちょいである。実質の所要時間は1時間40分程度で函館フェリーターミナルに到着した。確かに速く、早い。
自動車の乗客から先に下船となるが、ほぼ全員が動き出したので管理人も席を立ち、エスカレーターを降りたが何と車両甲板へ行ってしまった。乗客の多くがオバサンでてっきり”旅客のみ”だと思ったが、観光バスやマイカーの利用者が多かった。車両甲板には乗用車が20台ぐらいとトラックとバスが5台。管理人はお願いして、ふたたび船室へ戻してもらったが、乗船のみの客は僅か5人だった。乗務員の案内がまだ不慣れで、誤解を招く。
港から函館駅まではシャトルバスを利用した。床が木製、両替機も故障している古びた路線バス(帝産バス)であった(約15分300円)。
「ナッチャンWorld」初乗船、感想は順調なクルージングだったせいもあるが、全体に好印象である。最大のネックは青森、函館両港共に中心部・駅から離れており、所要時間ではJRに軍配が上がる。やはりフェリーはクルマのためにあるのかもしれない。
写真は上から①津軽海峡で姉さんの「Rera」とすれ違い②エコノミークラス③ビジネスクラス④木製床の函館駅行きシャトルバス
これは最安値か?「東京⇔小樽エコノミーきっぷ」は8,900円
2008年05月14日掲 載
新日本海フェリーのHPに「東京⇔小樽エコノミーきっぷ」なるものを発見した。最近流行のフェリーに高速バスを絡めたものだが、8,900円という価格は「青春18きっぷ」などを除けば首都圏-北海道の最安値きっぷではないであろうか(期間限定)。
ちなみにコースは池袋駅発着。【北海道方面】池袋駅発23:35 - 高速バス - 新潟駅前4:07 - 路線バス - 新潟港10:30 - フェリー - 小樽港 翌日4:30着。【東京方面】小樽港10:30 - フェリー - 新潟港 翌日6:00 - 路線バス - 新潟駅前7:05 - 高速バス - 池袋駅12:20着。(*高速バスはこれ以外の便も利用できる)
同様なチケットとしては、商船三井フェリーを使う「パシフィック・ストーリー」(東京・札幌連絡きっぷ)があり、こちらは9,900円で北海道へ行く場合のルートは、東京駅発14:00 - バス高速みと号 - 水戸駅16:32 - 路線バス - 大洗18:30 - フェリーさんふらわあ - 苫小牧 翌日13:30 - 中央バス高速とまこまい号 - 札幌駅15:45着である。(*東京-水戸間の高速バスはこれ以外の便も利用できる)
新日本海F、商船三井Fどちらも所要時間はあまり変わらないが、小樽コースは高速バス乗車が1回なのに対して、苫小牧コースは2回乗らなくてはならない。その分、千円高いのであろうか。また、小樽コースの北海道方面は最速だと2夜行になるのでかなりきつそうだ。
どちらにしても体力(若さ)と時間がある人向けの格安きっぷである。苫小牧コースは札幌でウトロ行きを当日乗継(夜行)すれば割引となり、知床へも格安で行ける。また、当日、空室があり、追加料金を払えば上等客室にも乗れるので使い方次第では面白そうだ。なお、新日本海フェリーのきっぷでは、舞鶴港を利用する大阪発着コース(9,200円)もある。
【参考】「東京⇔小樽エコノミーきっぷ」のページ
【参考】「パシフィック・ストーリー】のページ
「いい日旅立ち」ソフトバンク犬と急行「銀河」廃止騒ぎ
2008年03月17日掲 載
3/15のJRダイヤ改正で寝台急行「銀河」、特急「なは」、「あかつき」などがダイヤから消えた。どのテレビニュースでも放映していたが見ていてあまり気分がよくなかった。13日夜には2千人もの人が東京駅に集まり、最後の出発の時は「ありがとーう銀河!!」、「さようなら~」と絶叫している。ブルトレ廃止毎度おなじみの光景である。
東京駅にいる2千人の内、いったい何人「銀河」に乗ったことがあるがアンケートを取りたいと思った。更に「ありがとーう」と叫んだ輩にも同様な質問をしてみたい。
昨年、東京-静岡を結ぶ「東海」を廃止になる前日に乗車したが、車内はいつもよりは多いがそれでも7割程度しか埋まっていない。それに引換え、ホームには夕方前にも関わらずカメラを抱えたサラリーマンなど百人以上がかぶりついていた。勿論、大半は乗車をせずに写真を撮るだけだ。寝台でなく、自由席なのだからせめて20分間横浜迄付き合えといいたい。仕事中、サボって来ているのから、それ位の時間はあるだろう。
ここぞとばかし紹介するメディアにも複雑な感情があるが、もし「銀河」に一度も乗ったことがなく、「ありがとー」と絶唱しているとすれば、その神経を疑いたくなる。何に対して「ありがとう」なのか。ただの野次馬である。
管理人は大阪出張の帰り、一度だけ大船まで乗ったことがある。キタで酒を飲み、時計を見計らって確信犯的に銀河に乗ったが、出張清算の時、日帰り申請だったのでドキドキしたが、仕事関連の飲酒・寝台だったので全く問題が無かった。
当時、広島出張へ行った時に「あさかぜ」を飛行機より安いなどど理由を付けて使い、新幹線も食堂車と個室を連結する「グランドひかり」ばかり乗っていたので同僚は管理人の乗り物好きを察知していたことであろう。
管理人は「銀河」に対して、とても「ありがとう」などと言える資格はない。北斗星には80回程度乗っており、もし、廃止になれば、思いでも多いので「ありがとう~」とホームで絶唱しないまでも、「おつかれ、ありがとう」と静かに最後の雄姿を見送ってあげるであろう。思い出は静かにしまっておいた方がいい。
乗車回数には関係ないが、こういった「廃止フィーバー」に便乗する人たちは本当に鉄路を愛しているのか疑いたくなることもある。多くのレールファンは今回の件を冷静に受け止めているはずだ。
もうすぐ「北斗星」も1往復になる。「はやぶさ」・「富士」もなくなる。今年は未乗車の「きたぐに」と九州ブルトレに久しぶりに乗りたいと思う。「はやぶさ」は生まれて初めて乗ったブルトレ、鹿児島まで20時間以上かかり、車内では3度食事をした。復路は新大阪まで廃止になった「あかつき」に乗ったが、★★★の2段寝台で快適であった記憶がある。
最近の鉄道ブーム、そしてブルトレやローカル線の廃止フィーバーを見ていると昭和40年代後半からのSL廃止を思い出してしまう。管理人が小学生から中学にかけてだが、SLには思い出もないのであまり興味がなかった。ちょうど「ディスカバー・ジャパン」キャンペーンの時代だが、地方が切り捨てられ、都市へ一極集中する現在、もう一度、忘れ去られた光景(既になく過去のものだが)への再認識とノスタルジーが増しているのかもしれない。
ソフトバンクのお父さん犬が、「いい日旅立ち」をバックに、日本の田舎を旅するが、携帯がかかり、「どこほっつき歩いているの」と嗜めらるとショボンとしてしまうCMには腹を抱えてしまった。しかし、この内容、時代そのものであり、ブルトレや廃線が惹きつけるのも、このあたりかなとも思ったりした。
携帯とノートPCを捨てて旅に出よう-そんな「勇気」も必要かもしれない。どうしても情報収集やメールチェックが必要ならネットカフェに入ればいい。肩の荷物が少ない旅は思い出深いものにさせる。
東日本フェリーの高速船、青森-室蘭線にも就航、課題もあるが
2008年01月24日掲 載
昨日のブログで青函航路に2隻目の高速フェリー、「ナッチャンWorld」が就航することを紹介したが、運行する東日本フェリーでは、2隻体勢になったことで一部の便を5月をメドに青森-室蘭間に振り分ける計画があることを明らかにした。(1/24付け道新記事より*道新記事は2週間で削除されます)
青森-室蘭航路はリストラを進めた東日本フェリーの中で生き残った航路。この航路は明治末期の青函連絡船就航時の頃から民間(北日本商船など)で運行されていた歴史があるルートである。トラック利用など物流輸送が中心で現在の所要時間は7時間程度。「ナッチャン」により、3時間台に縮小されるというが、運賃が高いため、トラックドライバーなどが利用するであろうか。
東日本フェリーの山本会長は「室蘭は札幌にも近く、首都圏からの高速バスなどの利用も見込める」と言っているが、フェリーターミナルまでのアクセス問題や高速バス利用者はあくまでもニッチ市場であり、たかが知れている。
また、高速船の就航には、車両や旅客が乗り降りするための専用可動橋を室蘭港の岸壁に整備する必要があるという。新会社になってから青函航路を旧青函連絡船の乗り場(青森側)から出航させたいという発言もあったがその後どうなったかわからない。また、博多-直江津-室蘭を結ぶ日本海ルートも休航したまま廃止か再開か情報がない。
夢がある話を提供するのはいいが、もう少し固まった段階で発表するべきではないであろうか。
青函高速船、2隻目船名は「ナッチャンWorld」に、大型連休から就航
東日本フェリーは22日、今春に函館―青森間で就航を予定している2隻目の高速船の概要を発表した。船名は「ナッチャンWorld(ワールド)」で、船体には「パレード」をテーマに、恐竜や動物などのイラストが描かれている。4、5月の大型連休前後からは、昨年9月に就航した同型の高速船「ナッチャンRera(レラ)」との2隻体制で、さらなる顧客獲得を狙う。(1/23付け函館新聞)
新たに導入する船は、「ナッチャンRera」と同タイプ。これで2隻揃うことになり、東日本フェリーの主力体勢が整うことになる。
管理人は昨年11月、時化で「ナッチャンRera」に乗り損ね、その時の体験をブログに残しているが、乗船した何人かに聞くとかなり揺れるらしく、それほど混んでいないようだ。津軽海峡は波が高いので、それに耐えられる高速双胴船を導入したらしいが、冬季は1時間45分の所要時間を2時間15分に変更している(1時間45分という触れ込みだが実際は係留作業やイカ釣り船迂回などの為に2時間以上かかるようだ)。
これまで青函航路に東日本フェリーは、1990年にジェットフォイル「ゆにこん」、1997年には2代目「ゆにこん」を就航させているが、冬季欠航の多発、燃費の悪さ、乗船率の悪さなどで失敗に終わっている。
それが原因で屋台骨が崩れた訳ではないであろうが、「ナッチャン」の就航はかなりのリスクもあると思う。
船を利用して青函を移動する客(プロドライバーは別)がどのくらい居り、潜在需要があるのか管理人も読めないところがある。
2隻目の「ナッチャン」の就航で高速フェリーが認知され、利用が促進されて地域に根付いた乗り物になれるか注目である。
東日本海フェリーが社名変更、ハートランドフェリーへ
2008年01月16日掲 載
利札航路や奥尻、サハリンとの国際航路を運航する東日本海フェリーが1月1日より、社名を「ハートランドフェリー株式会社」に変更した。
新社名は、利尻・礼文や奥尻を「ハートランド」と名付け「思いやりの心が根付いた自らの地域を住民が誇りに思い、島を訪れる観光客にもその魅力に触れて欲しい」(同社)との願いを込めて名づけたという。
実際は資本関係(親会社?)であった東日本フェリーが経営破綻し、広島の会社(リベラ)の傘下に入った為、東日本海フェリーとの関係がなくなり、社名変更をしたのであろう。もともと東日本海フェリーと東日本フェリーは、名前が紛らわしく、塗装もよく似ているので同じ会社と思っている人も多かったであろう。
新しい塗装(コーポレートカラー)は濃紺とピンクでなかなか新鮮なカラーリングだ。
それにしても「ハートランド」という社名、ビールの銘柄を思い浮かべてしまう。
ナッチャンReraの乗船率は29%、この数字どう評価する
2007年10月05日掲 載
東日本フェリーが3日までにまとめた新型高速船「ナッチャンRera(レラ)」の就航一カ月間の運航実績によると、乗客は4万640人で、乗船率は29%だったと道新が報じている。
乗船車両は乗用車が7559台、トラックなど貨物が1874台、バスが95台、オートバイが585台だった。 同社によると「高速船の乗客は、(在来船4隻で運航していた)昨年同月のほぼ二倍。乗船率はまだ低いが、乗客をさらに増やしていきたい」と話している。
乗客数が昨年の2倍ということであるが、新造船就航前の青函航路は貨物輸送が中心であったので29%という数字をどう判断したらいいであろうか。首都圏でも大々的にプロモーションを掛けていたのでやや物足りない印象もあるが、馴染みが薄いフェリーであり、浸透には少し時間が必要かもしれない。今月中旬以降、観光客が減り、来年春までどれくらい頑張れるかが見ものだ。
料金はかなり高めの設定だが、同区間のJR特急より早い所要時間1時間45分をもっとPRすべきであろう。また、冬に向かい荒天時の揺れがどれくらいなのかも知りたいところだ。今月中に乗船してみようと思う。
「ナッチャンRERA」はフェリーの輸送概念を変えるか
2007年08月27日掲 載
9月1日から青函航路に就航する高速船「ナッチャンRERA」が大々的にPRをしている。首都圏でもテレビCMや駅張り広告などフェリー会社がこれほどプロモーションに力を入れているのは、最近では見たことがない。
再建を進める東日本フェリーにとって青函航路への大型高速船投入は、「新生・東日本フェリー」として社運を賭けたプロジェクトであり、採算が見込まれるこの航路にリソースを投入している。
外見、デザイン、船内、ネーミングとも斬新で、これまでフェリーを知らなかった人たちに訴求する魅力があるのではないか。
これまで青函航路のような中距離航路は、貨物と車積が中心で、旅客は二の次であったが、1時間45分で結ぶ高速船の登場は、観光客だけではなく、ビジネス客を取り込むこともできそうだ。
最近、瀬戸内海の中距離航路(本州四国連絡)でも旅客、特にビジネス需要を考えた利用者開拓を進める動きがあり、フェリーの新しい利用活路が期待される。
なお、「ナッチャンRERA」では、盛岡-青森港間を高速バスで利用し、函館まで行ける「盛岡・函館きっぷ」を発売した。料金は大人片道6千円。所要時間は平均5時間半程度である。
JR東北新幹線八戸乗換と比較してみると、運賃は9800円、所要時間は3時間50~4時間10分程度なので所要時間では負けるが、運賃は4千円近く安い。
東日本フェリーの日本海ルート再開はならず
2007年07月13日掲 載
まもなく夏休みがはじまり、長距離フェリーを使った船旅を計画されている方もいるであろう。特に北海道と本州を結ぶ便は、旅客数が閑散期の5,6倍に跳ね上がるから稼ぎ時である。
ところで昨年、11月から休航している東日本フェリーの日本海縦貫ルート(博多-直江津-室蘭)であるが、運航再開が延期されることになった。
運航再開へ向けて、船体の改造やダイヤの大幅見直し、寄港地の追加(金沢港?)などが検討されていたが、費用的に合わなかったようだ。会社自体が再建中であり、これまで何度も計画が変更になっているので今回も驚かなかったが、夏休みを前に残念な知らせである。
特に、これまでの貨物中心から旅客志向(クルーズ志向)へシフトするようなことを言っていたので期待をしていたが・・・・
先日、青函航路に高速船「ナッチャンRERA」を就航させることを発表し、久々に明るい話題を振りまいた東日本フェリー。11日発表のリリースでは、「最優先の再建策であります函館ターミナルの新築、高速船建造を進め、弊社フェリー事業の根幹でもあります函館~青森航路の改善を成し遂げるべく、全ての経営資源を投入して取り組んでいるところであります。」とある。まずは青函航路を固めてからということか。
【参考】日本海航路再開延期について(東日本フェリーリリース)
東日本フェリーのその後
2007年05月15日掲 載
大幅なリストラにより、会社再建を進めている東日本フェリー(現在はリベラが運営しているが、東日本フェリーのブランドで運航している)。航路の縮小や変更・休航が続き、昨年秋からは、博多-直江津-室蘭の現代版・北前船が休航に入り、苫小牧-大洗航路も商船三井フェリーに売却したことで、長距離航路が地図から消えていた。
その後、新しい情報がなかったが、道新によるとかねてから発表されていた青函航路の高速船が、9月から運行されることになった。当初、6月からと発表されていたが、新造船は、36ノット約1時間45分で青函間を結ぶというから魅力だ。総トン数も約1万トンあり、既存船の2~3倍の大きさだ。
1時間45分の所要は、JR特急よりも単純計算で早く、貨物だけではなく、旅客でも十分な競合になる。高速バスと連絡するなどで人気が出るであろう。
以前、青函間には、ジェットフォイルが運行され、1時間40分で結んでいた。しかし、船体が小さい、揺れも大きく、欠航も多かった。管理人も一度、乗船したことがあるが、津軽海峡が凪であったのにも関わらず、振動があり、狭いため、船酔いはしなくても窮屈であった記憶がある。
新造船は、船体も大きいので、船酔いだけではなく、船内の「くつろぎ」という面でも期待をしている。
船名は、「ナッチャンレラ」である。写真を見ると、これまでの塗装からイメチェンし、斬新なデザインとなっている。
新造船に続き、博多-直江津-室蘭航路の早期の復活も望みたい。当初は5月連休前に再開と聞いていたが、その後の情報はない。金沢へ寄航するようなので、その関係もあるかと思うが、貨物から旅客へ長距離フェリーがシフトをしている時期であり、どういう船に生まれ変わっているのか楽しみである。発表を待ちたい。
東日本フェリーの再生はなるか
2007年01月25日掲 載
昨日の引き続きフェリーの話を。
大洗航路から撤退した東日本フェリーは呉市にあるリベラという会社のもと再建中である。
唯一残った長距離航路である日本海ルート(室蘭-直江津-博多)は12月から運休となっている。燃料費高騰や貨客減による経費節減と改修のための運休のようであるが、運行再開が4月下旬からに決まったようである。
再開後は金沢に寄航する予定と道新にあったが、今後は観光を視野に入れ、貨物から旅客の方へシフトするらしいが、今回の船舶改修もその一環であろうか。
東日本フェリーは傍目で見ていると試行錯誤を繰り返している。航路の大幅削減や港の集約などリストラを継続中である。減らすたけではなく、リソースの集中を目指しており、青函航路には高速船を就航させる。また、昔の青函連絡船で利用した青森の桟橋を復活させたいという話もある。
東日本フェリーのホームページなどを見ても以前のものと比べると一般利用者(旅客)を意識した見やすいものになっており、やる気は窺える。
本気で旅客をターゲットにするなら太平洋フェリーや新日本海フェリーに負けない客室設備やサービスでろう。
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この記事を書いた翌日、大きな動きがありました。東日本フェリーの再建は進んでいるようです。
(以下毎日新聞)25日、「リベラ」に吸収合併された「東日本フェリー」は、リベラからフェリー事業の譲渡を受ける認可申請を北海道運輸局(小樽市)に出した。引き継ぐのは函館-青森、函館-大間、室蘭-青森、日本海航路(室蘭-直江津-博多)の計4航路。同フェリーはリベラのもとで経営体制を整備し、昨年10月、受け皿会社を設立、分社化準備を進めていた。
新生会社は今後、物流より旅客に比重を置きたい考えで、約2000万人の観光客がある金沢市を日本海航路に加えることも検討している。来年までに在来の約2倍となる時速約70キロの高速フェリー(8000トン、定員800人)2隻も導入する。
東京駅と札幌駅をバスとフェリーで結ぶ企画きっぷが登場
2007年01月24日掲 載
最近、高速バスとフェリー航路のコラボレーションが盛んになっている。
昨年の夏から東京-青森線の高速バスが青森フェリーターミナルまで延長され、さらに青森-函館間のフェリーと函館駅までのシャトルバスの運賃を含んだ商品を発売したところ反響があった。
今回、新たにフェリーと既存の高速バスを組み合わせ、東京-札幌を結ぶ企画きっぷ“パシフィック・ストーリー(東京・札幌連絡きっぷ)”が12月15日からスタートした。
航路は大洗と苫小牧を結ぶ商船三井フェリー、バスは東京駅と水戸・大洗を結ぶ高速バス(JR関東、茨城交通、関東鉄道)と苫小牧-札幌(北海道中央バス)を結ぶもので運賃は片道9500円に設定している(2等客室利用の場合)。予約をすればきっぷの購入は乗車当日でいいので気軽に使えるのも魅力となっている。
以前このブログでも書いたが、最近高速バス業界は、楽天高速バスなど格安のツアー型バスに客足を奪われている。既に首都圏-札幌間はツアーバスが青森経由で運行しているが、今回のパシフックストーリーは、フェリー乗船に重点を置いているのがこれまでのものとは違う。
現在、首都圏と北海道を結ぶ航路は大洗-苫小牧航路だけとなった。共同運航していた東日本フェリー(リベラ)も会社再建のために撤退、東京発の貨物航路も3月から休止するなどフェリー業界は取り囲む情勢は相変わらず厳しい。
乗客の少ないこの時期、青春18きっぷに対抗するわけではないであろうが、新たな客の掘り起こしも狙ってのものであろう。
きっぷは3/31まで有効、約25時間の行程である。
函館-青森航路に高速船が就航,連絡船復活の動きも
2006年10月06日掲 載
東日本フェリーを運航するリベラが、函館-青森間に高速フェリーを就航させることになった。現在、3時間40分の所要時間を約半分の2時間に縮小する。
また、フェリー業界でははじめてのETCの導入を検討、詳細はまだわからないが、事前に車の登録をしておけば乗船名簿への記入や出航1時間前に集合するなどの順番待ちをすることなく、乗船することができる。
青函航路のスピードアップや合理化はこれまでも何度か試された。東日本フェリー時代、旅客のみの高速船を運航したことがあるが、利用者が少なく数年で廃止された。
今回は貨物と旅客の両方をターゲットにしているようである。2時間で結ばれればJRとも競うことができるが、新幹線開業を控えているのでどうであろうか。
また、リベラが投入する新型高速フェリーを、将来的にJR青森駅、函館駅周辺にも接岸させるという「平成の青函連絡船」構想もある。既にリベラが県フェリー埠頭(ふとう)公社や青森港振興協会に伝えているらしい。
もし、これが実現すれば奇跡の青函連絡船復活であり、駅前の衰退が続く青森市では歓迎の姿勢を示している。しかし、連絡船廃止から18年が経過し、周囲が様変わり、以前の岸壁を活用することは不可能なようだ。
函館、青森ともに駅前の閑散化が進む。駅前からフェリーが出れば人の流れが大きく変わるであろう。フェリーの旅客が減っているのは、現在のフェリーターミナルが駅、中心街から遠く離れ、シャトルバスでしか行くことができないということも大きい。
今は一般の人が乗らなくなってしまった青函航路であるが、もう一度陽の目の当る場所へ登場すれば存在意義も大きく変わるはずである。
函館港でも摩周丸や金森倉庫群付近がフェリー岸壁になれば人の流れが大きく変わる。先日、青函連絡船の記憶をいつまで残すことができるか疑問という内容のブログを書いたが、それも違ってくる。
やはり、函館、青森の駅には接岸する船がよく似合うと思う。
洞爺丸沈没から52年が経過した
2006年09月27日掲 載
今から52年前の今日(26日)、洞爺丸台風事故が起きた。説明するまでもなく、台風15号による突風、高波で青函連絡船洞爺丸をはじめ、第十一青函丸、日高丸、十勝丸、北見丸の5隻が沈没・座礁し、乗員379人、乗客1051の計1430人の犠牲者が出たものだ。客を乗せていた洞爺丸は、函館港外に投錨後、高波で流され、七重浜に座礁・転覆をして大惨事を招いた。
この犠牲者数は海難事故では、あのタイタニックに次ぐものである。気象観測網が発達している今ならありえない事故であるが、当時は船長の判断ミスが裁判で問われたらしい。
GHQやお偉いさんが乗っており、これ以上出航を遅らせることができなかったなど諸説があるが、レーダー網が発達しておらず、天候を読み違えたのが最大の原因であろう。
なお、洞爺丸台風があった翌年には宇高連絡船の紫雲丸が濃霧で仲間の船と衝突、就学旅行生の多くが海に投げ出され、亡くなった紫雲丸事故も起きている。
青函連絡船はその後、波高対策が施され、1988年3月の廃止まで死亡事故を起こしていない。
洞爺丸が出航をした函館駅は新築され、連絡船の面影を留めるものは殆んどない。曲線を描いたホームと上野駅のような櫛型(ターミナル式)構造が当時を思い出させてくれる。青森駅も駅前が開発され、大きく変わってしまった。
また、函館駅2階にある「いるか文庫」は青函連絡船関連の図書館があり、書籍や模型、CDなどを販売している。レアなものもあるので列車待ちの時でも訪ねてみたらどうであろう。
青函連絡船が廃止された年に生まれた子供は高校3年生になっている。いつまで語り継がれるであろうか。
長距離フェリー会社が頑張りはじめている
2006年08月26日掲 載
このところ首都圏で新日本海フェリーのテレビCMが頻繁に流れていた。もともと宣伝には熱心な会社で系列の阪九フェリーとセットのCMを土曜朝に流していたが、最近何本かスポットで「秋の北海道クルーズ」をPRし、詳細は「明日の朝刊で」という通信教育のユーキャンのような手法のCMを放映していた。
早速、翌朝、朝刊を見たがユーキャンのような全面広告ではなく、中頁の5段程度の広告で地味に出ていた。あれでは気づかなかった人も多いであろう。
原油高の中、最近長距離フェリー会社が旅客向けの企画を打ち出している。先日のブログでは東日本フェリーの室蘭-直江津-博多航路で途中、金沢と境港へ寄航、観光需要を探る実験について書いた。フェリー業界は景気回復で貨物がやや盛り返しているとはいえ物流の流れが変わった今、多くは望めない。そこに代わるものとして観光需要への期待がある。
特に2007年問題を睨んだ団塊層をターゲットにしたクルージング型旅行やゆったり型のツアーに目を付けている。今回の新日本海フェリーのCMもそれを意識していることがすぐにわかる。
現在、本州-北海道を結ぶ長距離航路は新日本海フェリーが舞鶴・敦賀-新潟-秋田-小樽・苫小牧(数ルートあり)、東日本フェリーが博多-直江津-室蘭と商船三井との共同運航で大洗-苫小牧、太平洋フェリーが名古屋-仙台-苫小牧線を運航している。
大体の航路に乗船しているが、航路(使用船舶)によってかなりの差がある。クルーズとしては太平洋フェリー(やや料金が高く、太平洋航路のため揺れやすいのが難点)がいちばんオススメ。以前は新日本海フェリーを押していたが、合理化が進み、サービスが落ちている。その他の航路は客室や船内の設備などかなりグレードが落ちる。その辺、よくチェックして乗られるといいであろう。
これから秋の船旅はサイコウ、しかし怖いのは台風、太平洋にも日本海にもやってくるので出発まで落ち着かないのがフェリー旅行の頼りなさでもあるが・・・・
東日本フェリーが金沢、境港に寄港、観光需要を探る
2006年08月16日掲 載
6/9のブログで「室蘭-直江津-博多便フェリー、観光需要を探る」という題で、長距離フェリー寄航による地域観光活性化について触れたが、9月1日より、金沢、境港へ試験的に寄航、観光需要を探ることになった。
私のブログでは既存ダイヤでの航行では深夜到着など観光利用には無理があると書いたが、国土交通省が掲げる「公共交通活性化プログラム」のため、1回限りの特別ダイヤが組まれ、寄航する金沢港、境港ではそれぞれ10時間程度の停泊時間があり(北上コースのみ)、観光を楽しむことができる。
北海道発の南下コースの場合、金沢は寄航のみだが、境港では10時間停泊するので松江、出雲大社、足立美術館など1日をかけて観光ができる。
使用船舶は通常この航路に利用している「ニューれいんぼうべる」と「ニューれいんぼらぶ」を使用。上等客室の数は少ないが、カイコ段式の寝台室がある。北海道と本州を結ぶ競合の新日本海フェリーや太平洋フェリーと較べるとやや見劣りするが、国内フェリーでは初めての海遊型3泊4日の旅である。
これまでも北海道発の主催旅行ツアーの場合、鉄道や航空機アクセスが悪い観光地向けにお手軽なフェリーを活用したパックを催行してきた。
今回はクルーズ型であり、おもに中国地方から北陸地方の観光需要を探る側面が強い。お気軽クルージングとして地方の人でも気軽に遠距離観光ができる選択肢のひとつとして定着してくれるといいが、航路で結ばれることで、日本海航路に多様性を持たせ北海道観光の振興だけではなく、関西-山陰、北陸-山陰間などこれまでコース設定が難しかった観光ルートに新しい道筋をつくり、山陰地方などの活性につながってほしい。
なお、モニターツアー参加者を東日本フェリーでは募集している。
■北上コース (ニューれんぼうべる)
9月1日 博多港 23:00発
9月2日 境港 09:35着
境港 21:30発
9月3日 金沢港 06:30着
金沢港 15:00発
直江津港 22:00着
9月4日 直江津港 01:00発
室蘭港 17:35着
■南下コース (ニューれんぼうらぶ)
9月1日 室蘭港 20:00発
9月2日 直江津港 12:50着
直江津港 15:50発
金沢港 22:40着
9月3日 金沢港 00:40発
境港 09:25着
境港 19:00発
9月4日 博多港 05:30着
室蘭-直江津-博多便フェリー、観光需要を探る
2006年06月09日掲 載
東日本フェリーを運航する海運会社のリベラ(広島県呉市)が、不採算の室蘭-直江津(新潟県)-博多(福岡県)航路に寄港地の追加を検討している。九月にも金沢(石川県)、境港(鳥取県)の二港に寄港して、乗船客へのアンケートや観光セミナーなどを行い、需要を探る。 (北海道新聞)
東日本フェリーは首都圏、新潟、青森と北海道間を結ぶ多数の航路があった(以前は三厩、大畑、野辺地などからも就航)。青函間のジェットフォイルや高速フェリーの運航、九州・博多と新潟・直江津(子会社の九越フェリーが就航)、さらに室蘭までを結ぶ現代版・北前船の就航など拡大路線を取っていたが、経営が破綻し、現在はリベラという海運会社が支援をしている。
その後、航路はリストラ策で削減され現在は7航路を運行するが、2隻体制で週3回運航の室蘭-直江津-博多間の需要開拓が最大の課題であり、東日本フェリーが経営破たんする要因にもなっている。
東日本フェリーは同じ日本海航路を持つ新日本海フェリーと比べ、トラックなど物流比重が多く、一般の利用者は少ない。新日本海フェリーはどちらかというとクルーズ志向であり、豪華な船内設備を誇っているが、東日本フェリーは客室、船内設備を含め地味である。
また、合理化により特等や1等客室を廃止したことも一般利用者を減らしていると思う(最近は上級客室を復活させている)。東日本フェリーと新日本海フェリーを乗り較べると旅客に力を入れていなかった会社の違いがよくわかる。
今回、境港、金沢に試験的に寄航をする。観光利用を当てこんでのものだが新日本海フェリーや太平洋フェリーと比較すると困難も予想される。北海道基点で考えた場合、船中2泊となり、金沢着が早朝、境港が昼前後になり、乗船時間が金沢で30時間を越える。
また、客室や船内設備が長時間の船旅に耐えうるほど充実していないので退屈であろう。船体もやや古小さく、新日本海フェリーと較べると半分程度の重量である(約1万1千トンと2万トン)。
時間と設備面の問題をいかにクリアし快適な船旅が提供できるかが観光需要を呼び込むためのカギである。
北海道ではクルーズ旅行に力を入れている。シニア層だけではなく、若年層のフェリーへの呼び込みなど気軽に乗れるフェリーの価値を見直すべきだ。また、フェリー会社も発想の転換が求められる時である。
