2008年01月17日更新
夕張に外国人向け別荘建設の動き
ニセコに続き、夕張でも外国人向け別荘を建設する動きがあると15日付け道新が報じている。
道新のデータは2週間で消えてしまうので一部を抜粋しておく。
「昨年後半以降、ニセコ地域で別荘の売買実績がある数社から、土地を所有する夕張市に照会が相次ぎ、既に分譲の具体的構想を市に説明した会社もある。土地を売って財政再建の助けにしたい市側も協力する姿勢だ。 夕張が注目され始めたのは、ニセコ地域が国際リゾート化で地価が高騰しているのに加え、外国人スキーヤーで混雑し「もっと静かな環境で滑りたい」というニーズが高まったため。」
夕張で外国人向けリゾート開発というと「えっ?」という言う人もいるかもしれないが、充分、市場は期待できると思う。まず、新千歳空港から1時間程度の距離で、千歳発ではもっとも近い規模が大きなスキー場であること。
ゲレンデはニセコに比べればスケールは落ちるが、ほどよい大きさとレイアウト、雪質もいいので満足させられるレベルであること。スキー場とホテル、中心街(シャッター商店街だが)が隣接していること。石炭の歴史村などレジャー施設があり、アジア人観光客をターゲットにできることなど上げられる。
何よりも外国人から見れば夕張に対する先入観がないことが魅力だ。国内では、炭鉱の町、財政破綻の町といった負の暗いイメージがあり、リゾートとしてマイナス材料であるが、外国人からみれば関係ないことである。
海外でもドイツ、スコットランドなどで炭鉱町がリゾートに転身した例がいくつかある。夕張の外国人向け開発と観光客誘致に注目してゆきたい。
2007年09月19日更新
夕張の自虐キャラにひとこと
財政破綻した夕張市の新しい観光キャラクターとして「夕張父さん(倒産)」と「夕張まっ母さん(赤字で真っ赤)が登場した。「夕張夫妻」と称し、、「金はないけど愛はある」を座右の銘にした自虐キャラである。
デザイナーから夕張に話が持ち込まれたようだが、提案した会社は、ビーコンコミュニケーションズとあり、ここは世界的な広告会社である。
今の夕張で広告料を払う余裕はないであろうし、ボランティアであろうが、中田市長時代に代理店の言いなりになって無駄な金を垂れ流した。11月22日の「いい夫婦の日」に夕張駅でイベントを行うそうだが、自虐・逆手をとった話題づくりとしてはいまひとつだ。
まず、「夕張父さん」だが、この手のネーミング、キャラは「テレビ父さん」や「時計台臣」など道内各地で似たようなものがある。何よりもネガティブというのが気に入らない。夕張は洒落にならない!!
以前、道が「試される大地北海道」というキャッチを官自ら使っていたが、何で自分たちを卑下するのか理解できなかった。北海道はもういい加減に自虐の世界から卒業してもらいたい。
十数年前、中田市長時代の観光キャッチフレーズ「バリバリゆうばり」は好きだった。駄洒落だが、石炭を勢いよく掘る躍動感と観光で頑張る夕張のイメージが伝わってきたものだ。
今こそポジティブなキャッチコピーやキャラクターが夕張に必要であると思うが。
「試される・・・・」に代表されるマゾコピーはもう勘弁してほしい。
2007年06月06日更新
夕張観光、周遊券式は不評のため方針を転換
5/8付の本ブログで、夕張の13ある観光施設を一括して、周遊券方式で販売をする「ワンペイ方式」について問題点を指摘したが、不評のため、一部施設は単独でも入場できるようになった。
今回、単独での見学も認める3施設は、ハンカチ広場、夕張鹿鳴館(旧北炭鹿ノ谷倶楽部)と市美術館である。
「道内からの観光客はリピーターが多いはずで「ワンペイ」へは、不公平感が残るであろう。初めての訪問が多い道外客にはいいかもしれないが、博物館・遊園地・迎賓館・温泉など全く趣が異なる観光施設を一括して販売するのは無理があるのではないか。それぞれの施設の利用者層も違うはずである。」5/8ブログより
夕張市はテーマパークではない。もし、旭川市で、旭山動物園、男山酒造館、兵村記念館、ユーカラ織記念館、道立美術館、三浦綾子文学館などの入場券がセットで販売されれば、戸惑うし、購入者も殆どいないであろう。
ワンペイ方式の採用は、苦肉の策であり、同情できる部分もあるが、利用者を無視している。GW中の観光客が少なかった原因として、遊園地が開業しておらず、アトラクションがなかったことが響いたというご指摘をいただいたが、それが真実であろう。
夕張観光の正念場は、7月から本格観光シーズンに入り、本州からの客がどう反応するかである。その結果、方向性が定まるような気がする。
2007年05月08日更新
連休中の夕張は観光客が激減
朝日新聞によるとこの連休中の夕張の観光客数は2537人であった。遊園地の休園などもあったが、一日平均で約250人、この数は昨年度の約五分の一というきびしい結果であった。
加森観光へ運営が委託(子会社の夕張リゾートが運営)され、運営13施設を周遊券方式でまわるワンペイ方式に変更された。チケットは3150円であるが、このシステムどうであろうか。
まず道内からの観光客はリピーターが多いはずで「ワンペイ」へは、不公平感が残るであろう。初めての訪問が多い道外客にはいいかもしれないが、博物館・遊園地・迎賓館・温泉など全く趣が異なる観光施設を一括して販売するのは無理があるのではないか。それぞれの施設の利用者層も違うはずである。
全体的に見て見切り発車の感は拭い得ない。今後、夕張観光が目指すものが炭鉱の歴史などをメインにした硬派志向のものか、または、遊園地・アトラクションなど家族連れを狙ったものにするのかなどまだ方向性が見えてこない。
周遊券方式で、すべてひっくるめて見てもらう、というやり方では集客が難しいであろう。夕張のマチは遊園地ではない。
現状の手駒では限界があると思うが、シャトルバスの運行や札幌方面からSLを走らせたり、話題のDMVの活用など付加価値で集客することは可能なはずである。特に、これまで少なかった道外客をターゲットに、市内2ヶ所のホテルに宿泊してもらう旅行商品を出すなど「夕張滞在」を打ち出したらどうであろうか。
5/10追記
JR北海道は9/8,9に32年ぶり、新夕張-夕張間にSLを走らせることを発表した。道新記事詳細
2007年03月11日更新
リリーズ、夕張にふたたび登場
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昨年8月の夏祭りに続いて夕張出身のリリーズが地元でコンサートを行なった。
10日、ホテルシューパロ内で無料コンサートを行なったが、加森観光の社長も舞台に上がったらしい。
夕張がきっかけになったワケではないであろうが、このところ活動を本格的に再開しているリリーズである。
最近では松山千春など有名人がコンサートを開いたり、話題に事欠かない夕張市であるが、まだ夕張があまり騒がれていない頃、最初にきた芸能人がリリーズであり、幼馴染などが手作りで開催した清水沢盆踊り大会に登場した。
ほとんど忘れられていたリリーズが夕張再生がきっかけで動き出したのは面白い。
2007年03月06日更新
全国地域ブランド1位は夕張メロン
今日6日、夕張市は再建団体に移行したが、ちょっと自慢できるニュースがある。
日本経済新聞社が初の「地域ブランド調査」を実施行った。インターネットを通じて知名度や実際に購入したかどうかなど6項目の質問をして、ブランドごとの実力を分析したものだが、夕張メロンが1位に輝いた。全国調査での1位なのでお見事である。
管理人も夕張メロン1位を支持する。贈答品としての価値が高く、実際に貰っても嬉しいものだ(あまり貰う機会はないが)。以前、地域ブランド開発に関する仕事に携わっていたことがあるが、地域の顔が見える特産品の代表としてよく夕張メロンを例に出した。
最近では鵡川のシシャモや苫小牧のホッキ、南茅部のガゴメなど地域ブランドは数多くあるが、夕張メロンはそんな言葉がない時代からのブランドであった(地域ブランドの教科書である)。
赤肉メロン生産は、道内競合でも増えており、夕張産はただ値段ばかり高く、味は変わらないのではと陰口を叩かれていたが、夕張産がモノサシとなって道内でメロン栽培が盛んになったのだから値段が張るのは仕方がない。
メロンは石炭と共に夕張が誇れる全国ブランドであり、そういったものが複数あったからこそ夕張が注目を集めたのであろう。
夕張メロン以外でお気に入りのメロンは、八雲町熊石(旧熊石町)で栽培されている海洋深層水メロンである。町が取水をしている海洋深層水を栽培に使っているが、深層水は糖度を増すらしい。生産量はごく僅かで予約でほぼ売り切れてしまうが、これは本当に美味しい。
2007年02月14日更新
夕張市の施設は加森が一括受託に
夕張市の観光施設は、大方の予想通り加森観光が一括で受託することに決まった。また、当初、リストに上がっていなかった美術館も引き受けることになった。
日経新聞の記事、 北海道新聞の記事
2007年02月13日更新
夕張美術館を観光施設へ組み入れるべき
夕張市美術館の閉館についてはだいぶ前のブログで紹介をした。年間4,5百万円の管理運営費を捻出できないため継続できない。
美術館は、図書館と同じ教育委員会の管理であり、観光課が担当するレジャー施設とは別のため、今回の施設売却に含まれていない。
管理人はそれに違和感を覚えていた。確かに管轄は違うが、美術館は石炭博物館とともに炭鉱生活の作品などを展示した立派な炭鉱文化を紹介する施設であり、観光施設としての価値も充分ある。
行政での区分は違うが、民間的な発想でいれば美術館めぐりは立派な「観光」と考える。各地の観光地には地域と縁のあるアーティストの美術館や、単なる集客目当てのファンシー系のものまで含めて数多く存在する。
夕張市美術館を観光ルートのひとつに取り込み、炭鉱画家の作品を紹介すれば価値は高い。また、夕張に関係のある映画のポスター展や、若いクリエーターの企画展など特色ある展示で集客は可能であり、あらたな夕張の情報発信ができる。
誰も美術館を購入しないのなら管理人自ら買ってしまいたいぐらいだ。これまでの市美術館は対象が市民であったが、市外客を相手にすれば5百円から千円程度の入館料は取れる。
年間維持費と簡単な企画展費用は入場料収入から賄えれと計算するがいかがであろうか。
炭鉱と美術館、海外の旧産炭地の事例をみてもいい組み合わせである(自画自賛)。
11日から最後の展覧会となる「夕張市美術館の軌跡、明日へ」が11日、始まった。炭鉱での生活などを描いた約1000点の収蔵作品は、閉館後の行き先が決まっていない。
2007年02月01日更新
夕張、運営受託か売却どちらを選ぶ?
夕張市の観光施設売却に関する公募が締め切られたが、以前から声があがっていた加森観光など16法人が応募した。
以前、このブログで「困った時の加森頼み」と紹介をした加森観光は、一部施設を除く大半をお得意の運営委託の方式で応募。夕張の観光施設を一社で賄うことにより、過去のノウハウを含め、その強みが発揮できるというのところがウリであろう。
また、京都にある学生マンションの管理・運営をしているジェイ・エス・ビーという企業が、加森よりも多い18施設の運営を申請した。こちらは運営委託ではなく、売却である。どちらも現従業員はそのまま雇用するという(当然だが)。
この他にもスキー場やホテルシューパロなど単独、複数の施設運営を申し込む法人がある。また、石炭博物館やめろん城、レースイスキー場など地元NPOや有志で応募しているところもある。
どこに決まるかは微妙であるが、加森+地元関連組織が何らかのかたちで加わるというのが妥当なところではないか。加森の社長は夕張の観光再生に自信を持っているようだが、施設がコンパクトがまとまっており、通年楽しめるので加森お得意の分野とみた。
もともと加森は、クマ牧場を手始めに、留寿都村にあった東京資本のスキー場・大和ルスツを村から運営委託、ここが起点となり、その後の隆盛を築いている。ルスツもスキー場から遊園地へと通年型の施設へつくりかえた。
そういう意味では夕張はハードが出来上がっており、それも莫大の金をかけたものなので、それなりのものがある。知名度も多いに上がったことからブレイクの可能性充分にあるとみる。
2007年01月30日更新
「たくぎん破綻」と夕張
1/28日(日)午後、破綻から10年が経過した元・拓銀行員のその後を追ったドキュメンタリー番組「元銀行マンの新たな軌跡~たくぎん破たんから10年~ 」がテレビ東京(テレビ北海道製作)で放映された。
この番組は1週間前にテレビ北海道でオンエアされているのでご覧になった方もいるであろう。
自主制作が少ないTVHだがこういった硬派番組を制作するのは珍しい。
ちょうど拓銀破綻から今年で10年、たくぎんを引き継いだ北洋銀行と札幌銀行の合併ニュースが飛び込み、大通にある旧たくぎん本店跡も再開発による取り壊しに入るなど時代の流れをかんじる。
10年ひと昔というが、あれほどの影響力を誇ったたくぎんの影が北海道から消えようとしている。
振り返るとバブル崩壊以降、何度も「たくぎん危機」が噂されたが、持ちこたえてきた。道民や行員にもここは国策銀行であり、他の銀行とは存在意義が違うのだから、絶対に潰れない。国が潰す訳がないという思いがあったであろう。
しかし、またかという噂に馴れた1997年、突然終止符を打った。私も「またか、いやまさか」と思ったが、どこか過信や甘え、依存といったガリバーならではの無責任さがあったのではないであろうか。やはり、競合が存在しない殿様体質かもしれない。
「たくぎん破綻」をテレビで見ていて、何かと共通するなと思い、考えているとそれは夕張の破綻であった。夕張にも役所が潰れるわけがないという過信やおごりがあり、役人も市民もどこか人ごとであったのではないか。
炭鉱町という特殊性から行政は、炭鉱親会社に代わる絶対的な存在であり、大半の市民も疑うことなく、市政に付いてきたはずだ。親(親方)のような存在であり、絶対、裏切られることはないと思っていたのではないか。
実体を知ることなく、絶対的な存在である大銀行と行政を、行員と取引先が、かたや職員と市民がその威光の元、疑いもなく生活していた。北海道の特殊性といってしまえばそれまでだが、非常に根深いものをかんじこのあたりをクリアしないと繰り返すような気がする。
たくぎん破綻から夕張の破綻まで10年がかかった。この10年は北海道にとって長かかったか、それとも短かったのか。
また、両者は直接の関係はないが北海道では絶対的な力を誇っていた特別な銀行と官が破綻したことに対して、どういう意味があるのか検証してみる必要があるであろう。
2007年01月13日更新
夕張再興とメディア効果
このブログの休止中、夕張に関する話題が日増しに増えてゆきました。特に各局ワイドショーやニュースで取りあげられたため、この財政破綻・財政再建団体入りは、主婦の世間話や飲み屋の会話に日常的に登場するようになりました。そして人ごとではないと思った方も多いはずです。
当初、好きな夕張がこんなかたちで注目を浴び、何とも複雑な気分で入院中の病室でテレビを見ていました。
特に最初に紹介された頃は、内容の間違いやテレビ特有のラフな作り、センセーショナルな構成が気になっていましたが、時間が経つにつれ、全体的に落ち着いた内容になってきたような気がしました。
先日の手作り成人式の話題は、結果的に視聴者を巻き込み連続ドラマのように盛り上がり、すべてのキー局でオンエアされました。来月には市民手作りによる映画祭が開催されるので多いに盛り上がり、再度露出も増えるでしょう。
また、夕張以外の財政破綻をしている空知の旧産炭地も紹介されるようになりました。歌志内や上砂川なども実情が紹介されましたが、夕張よりも厳しい面があり、オンエアされるだけまだ夕張はましかと思ったりしました。
夕張の抱えている問題はわかり易く、メディア向きのテーマであったかもしれません。
夕張の歴史は、閉山後、これでもかというぐらいの観光施設や映画祭などのイベントの物量攻勢で知名度を上げ、観光客を呼び込んできました。
その背後には、大手広告代理店の存在があり、多くが彼らのプレゼンにより、実行されたものです。
メディアの力を借り、一時的にも夕張は観光地の成功事例として取上げられました。管理人も大いに注目して今に至っています。
実際に知名度という面では道内に止まらず全国区になったので代理店を中心にメディアを活用したのは間違いとはいえません。
今回の破綻劇では、広告宣伝費を計上することなく、マスコミがわんさか駆けつけ、夕張を無料で紹介してくれました。広告効果としては凄いものでしょう。
これまで湯水の如く観光と宣伝にお金を使った夕張、今回は皮肉にも費用をかけずに知名度を高めてしまいました。
想像ですが、今後、メディアの力により、夕張を訪れる観光客は増えると予想します。行くことにより、多少なりにもお金を使い、夕張再興へ協力した気になれるでしょう。
また、そういう小さな力の結集が夕張には必要です。
皮肉にも行政が高価なプロモーション費用をかけなくても原則無料のパブリック・リレーション効果により世間の目を振り向かせた夕張。
地域を動かすのは行政ではなく、地域住民の時代に入っていることを顕すニュースともいえます。
これからも夕張を追ってゆきます。
2006年10月29日更新
加森観光支援などで夕張映画祭が存続
今朝(29日)のNHKニュースで「夕張国際ファンタステック映画祭」を市民NPOの手により、開催実現へ動いているニュースを報じていた。
また、夕張市に代わり、加森観光、JR北海道、東宝、松竹、東映などが運営資金の一部や機材提供などで協力をすることになった。
映画祭は国内で開かれる映画祭の中では相当の知名度がある。直接的には多くの観光需要は見込めないにしても、あの夕張がいうことで話題性があり、夕張の存在を知らしめる意味においても開催価値は大きいはずだ。
また、夕張観光の全面的なバックアップに乗り出しているか加森観光やこれまでツアーを催行してきたJR北海道などにとっても映画祭の存続はメリットが大きい。
運営資金は従来より縮小し、数千万円規模になる。開催時期は今後詰めるが、除雪費用などのかからない春以降となる可能性もあるという。
2006年10月22日更新
夕張に食指、”困った時の加森頼み”になるか
道内観光業最大手の加森観光が、夕張市の観光施設の運営受託について検討を始めたと道新にあった。市が所有する施設の大半で従業員を引き継ぎ、一括して運営を受託する内容で、観光事業全体を支援することも視野に入れているらしい。
先日、夕張市は観光施設の売却を提案型入札という形で市のHPで告知をしたが、マウントレースイスキー場(含むホテル)とユーパロの湯などはいくつか引き合いがあったらしい。
しかし、21ある施設を一括で引き受ける会社はなかったが、加森の場合、マウントレースイを核としながら大半の施設を引き受けるという。
単独施設の運営では一部を除き買収側のメリットが薄いので、施設を複合的に活用することによりシナジーが生み出せる一括購入を考えたのであろう。
加森の会社発展の基となったルスツでは、以前はスキー場だけの施設に遊園地などを作り通年型の複合型施設として大きくさせた。そのノウハウは最近ではテイネや運営を委託されている本州の安比高原や裏磐梯猫魔、御岳などで活かされている。
似た例として北海道の大型旅館(ホテル)は館内ですべての用が足りるように作られており、外ではお金をあまり使わない仕組みができている。外へ出にくいという気象条件も加わり、道外にあるような温泉街というものが道内ではあまり形成されていない。
こういったものは「顧客囲い込み戦略」であり、加森も夕張で構築したいのであろうが面白みにはかける。
よく、”困った時の加森頼み”と言われる。潰れかけたスキー場などを再生しているからだが、加森商法は相当ドラスティックといえる。
夕張にはある意味、加森的な狡さ、合理性も求められ、発想の転換という意味ではバラ売りされるよりはいいかもしれない。
今回の”切り売り”の中には夕張市立美術館が含まれていない。年間500万円の管理費が出ずに閉館になる。
年間収入が20万円にも満たないというが好きな施設であった。美術館も発想を変え、PRをすればそこそこの客足はあるはずである。たとえば入場料を500円にして一日30人くれば一ヶ月で45万円の収入となり、年間予算は賄えるはず。もともと500万という管理費も実際は相当削れるであろう。
加森さん、美術館を運営する気はありませんか?
2006年10月05日更新
夕張も参考にしてもらいたい大ヒット中の映画
夕張が騒がれている今、炭鉱関連の実話で大ヒットをしている映画がある。
昭和40年頃の福島県いわきの炭鉱を舞台に常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)のオープンまでの実話を描いた作品「フラガール」である。
東京からやって来たダンス教師と、ハワイアンセンターの広告塔として、見たこともないハワイの踊りを一生懸命踊ってこのプロジェクトを大成功に導いた炭鉱の娘たちとの友情と再生を笑いあり、涙ありで見せてくれる。
実話であるが、驚いた話が2つある。まず、舞台となる常磐炭鉱は、石炭の斜陽化で山の将来を見越した会社側が新しい産業の創出と雇用確保のため、ハワイアン構想を打ち出す。一見、突拍子もないようなアイデアであるが、実は毎分数トンという大量の温泉が坑内に湧き出し、その処理に莫大な費用がかかっていた。
その温泉を有効活用するために考えたのがハワイアンセンターである。弱みを強みに変える発想であるが、よく思いついたものである。ついでに当時は憧れの島・ハワイをコンセプトにしたところもいい。
もうひとつ、凄いのはフラの踊り子さんを外部から招聘するのではなく、炭鉱夫の家族から全員選んだというところだ。全員、度素人であるが、思いつかない発想である。皆仲間であれば、団結力が高まり、お客さんも増えてリピータになる。
この常磐ハワイアンセンター、今もスパリゾートハワイアンズとして人気が高い。40年以上、こういった施設が盛況なのも奇跡といっていいだろう。経営する常磐興産は、札幌でホテルクレストを経営するが、なかなかかんじがいいホテルである。映画を見て、一度も行ったことがない現地へ行ってみたくなった。
印象的なシーンがある。後にフラの踊り子のリーダになる紀美子(蒼井優)を最初に誘った親友早苗(徳永えり)がいる。蒼井は高校に行っているが、早苗は高校へ行けず、選炭工としてはたらいている。この環境から抜け出そうとふたりでダンサーになるため特訓が始まるが、早苗は父親の解雇で夕張へ行くことになる。この別れのシーンは泣かせる。この蒼井優は若いのに芝居が上手い。
「フラガール」を見て夕張も常磐炭鉱のような創意工夫と努力、団結があればマチも違った結果になったのではないかと思った。成功と失敗は紙一重であるが積み重ねの結果である。
やはり、公営や三セクは責任を曖昧にし、ひとりひとりのパワーを活かせなくしてしまうと思う。
2006年09月29日更新
夕張で再確認された公共レジャー施設のあり方
上:駅の度重なる移動でみすぼらしく、味気なくなった夕張駅 右奥の建物はホテルマウントレースイ
下:10年以上前お世話になった中心街の花月旅館(既に廃業)2軒の公共の豪華ホテルに挟まれれば一般旅館はやってゆけない・・・・
夕張市は第三セクターに運営・管理を委託している約30施設の大半を、休止・売却を軸に整理する方針を固めた。
8/27のブログで石炭関連の博物館など公共性・文化性が高い施設を除き、民間へ売却すべきであり、三セクで維持をするのは理解できない旨のコメントを書いたが、当然ながらそういう方向で落ち着きそうである。
集客が期待できるマウントレースイスキー場とホテルは、大手民間企業が視察に入るなど既に譲渡・売却の動きも出ているらしい。
夕張に限らず、観光施設を公共で運営する必要がどこまであるのであろうか。
特に娯楽性が高いテーマパークや華美なスパに宿泊施設を含め、必要か不要か徹底的な見直しをしなければならない。
温浴施設などは地域住民が中心ということもあり、公益性や福祉面などから線引きが難しいところもあるが、赤字のところは何らかの原因があるのだから徹底的に検証する必要がある。
最近は公共の宿の運営を民間へ委託する自治体も増えているがいいことである。
以前、私が調べた超赤字の某町営の宿では、高い人件費(自治体職員であるから)が問題であり、道内の温泉ホテルチェーン会社の平均給与の2,3倍は貰っている。確か支配人の年収は900万円に近く、これは田舎では大変な収入である。また、臨時職員(パートさん)にも社会保険やボーナスが適用され、臨時といっても10年以上勤務している人も多い。
更に、備品・食材購入費に占める割合も大きい。特に町内の個人商店などから商品を仕入れるため、定価に近い金額で購入している。多くを地域内の業者から発注する仕組であり、これを行政が変えることは難しい。
上記の町営宿の例がすべてとは思わないが、公共・三セク施設は数々の馴れ合いとしがらみから出来ていることは確かである。ここにメスを入れ、システムを改善しないと第二、第三の夕張が登場してくるであろう。
地域経済にダメージを与えず、合理化できる仕組み(たとえば備品は共同購入をするなど)はいくらでも浮かぶが・・・・
2006年09月13日更新
旧北炭清水沢火力発電所が解体されている
夕張市の再建団体移行を決めた以降、悲しい話が続く。
市立病院では医師が2人辞表を出したため、入院体勢が取れなくなり、市外の病院へ入らなくていけないことになった。これではオチオチ病気にもなれない。
また、石炭の歴史村では、村内施設の廃止が決まった。「ロボット大科学館」「知られざる世界の動物館」「SL館」(いずれも10月15日終了予定)、「ファミリースクールふれあい」(9月18日終了予定)、「ローラーリュージュ」(8月末に終了)。これは仕方ないであろう。
一連のニュースとは別物かもしれないが、夕張市清水沢にある「旧北炭清水沢火力発電所」の解体工事が始まってしまった。この発電所は清水沢から南部方面へ行く途中にあり、巨大な無機質なコンクリートの塊りが目を惹いた。
最近は廃墟ブームであるが、これぞ「廃墟」といえる建造物であり、炭都・夕張の歴史を偲ばせる数少ない施設であった。
発電所は、北炭の自家発電用施設として1926年に建設。当初は6000キロワットだったが、発電機の増強によって、出力は東京以北最大の5万キロワットに達した。
87年10月に北炭真谷地鉱が閉山とともに役目を終えたが、建物は残り、夕張へ行く時の楽しみのひとつであった。この建造物に魅せられ、すぐ近くに居を構える写真家もいる。
取り壊しの噂はかなり以前から聞いていたが、タイミングがタイミングだけに関係あるのではないかと疑ってしまう。現在は産廃業者が管理していると新聞に報じられていたが。
夕張には大規模な産業遺産といえるような施設が意外と少ない。そういった意味でも発電所は貴重な遺構といえる。近くにある旧・南部駅前の三菱大夕張鉄道の保存車両も市からの補助が出なくなる可能性があり、暗雲が立ち込めている。
ただやみ雲に削るのではなく、幅広い視野に立った検討が必要ではないか。
2006年08月27日更新
夕張の三セクを1社に、2つあるホテルも集約か
夕張市は25日、観光関連の第三セクター2社が外部の中小企業診断士に依頼していた経営調査の概要を発表した。2社の統合をはじめ、2つあるホテルのうち一つの整理、不採算施設からの撤退などを求めた。一方で観光施設の中核である「石炭博物館」は収益性があると位置づけた。(日経新聞)
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夕張に2社の三セクがあることを今回の記事で知った。石炭の歴史村観光と宿泊施設を運営する夕張観光開発の2社だが、夕張には純然たる民間観光施設は殆んどないのではなかろうか。
「石炭博物館」の維持に関しては収益性だけではなく、夕張の歴史・文化を語るうえで核となるところなので誰も文句は言わないであろうし、温泉施設の「ユーパロの湯」も人気が高い。
問題はもろに競合する「ホテルシューパロ」と「ホテルマウントレースイ」の扱いであろう。順当に考えれば観光レジャー型の後者を残すであろうが、どうして三セクで営業する必要があるのであろうか。売却先が見つかるまでの話かどうかわからないが、運営は民間に委託(雇用は維持)、その後売却するのが宿泊施設としては健全であり、時代の流れであると思う。
また、「ホテルシューパロ」はホテルとしてだけではなく、長期滞在向けや健康施設など発想を変えればマウントレースイとの差別化ができ、棲み分けが可能とみるが。
2006年08月24日更新
リリーズが夕張に里帰り、5千人が集まる
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7/27のブログで「懐かしのリリーズが夕張再生へ一役」という題で双子のアイドルであったザリリーズが故郷・夕張市清水沢で行われる夏祭りにノーギャラで出演をする話を書いた。
実はかなりの反響があり、サイト内の検索キーワードではリリーズ関連が上位を占め、記事へのアクセス数も最近ではダントツであり、その影響力に驚いた。
記事紹介後、8/12にNHKでオンエアされた「思い出のメロディ」に生出演、いっきにアクセス数が増えた。私もテレビを見ていたが、オープニングの森昌子(声が全然出ていない)の次に「好きよキャプテン」で登場したのでご覧になった方も多かったであろう。さすがに「好きよキャプテン」は無理があった気がする。「水色のときめき」を唄ってほしかった。
テレビでリリーズを見るのは実に20年数年ぶりである。さすがに歳は重ねていたが、素敵な大人の女性になっていた。若い頃よりもハーモニーに安定感が出ており、歌い手というのは人気のピークを過ぎてから上手くなる方が多い。
HPへのアクセスの多さを見ると大スターではなくても、その印象の強さというものが伺い知れた。また、夕張倒産と重なったことも関係しているであろう。
前置きが長くなったが、20日に市内二カ所で「里帰りコンサート」が開催され、清水沢の仮装盆踊り会場には何と5千人の観客が集まったという。夕張の人口の4割近くが集まったわけだから大変な数だ。
リリーズは本格的に復帰するようだが、是非、再生夕張のPRウーマンになってもらいたい。
2006年08月03日更新
「幸福の黄色いハンカチ」と映画のマチ・夕張
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3日の夜、BSで「幸福の黄色いハンカチ」が放映された。これまで何度もやっているがじっくり見るのは今回が初めてである。
網走刑務所帰りの健さんと武田鉄也、桃井かおりによる北海道ロードムービー。2,3年に「風花」を見たが北海道とロードムービーはよく似合う。
出演者が皆若いのには驚くが、健さんの「不器用な男ですから」というセリフが、らしくて最高である。また、寅さんファミリーの出演が多く、山田洋次監督らしい作品である。1977年の作品であるが、登場するものすべてが懐かしい。
クライマックスは夕張の炭住で倍賞千恵子が黄色いハンカチを掲げて再会を果たす有名なシーンだが、そこへ至るまでの夕張のマチなみが興味深い。山には炭住がぎっしり張りつき、住んでる人の多さが伺える。商店街を歩く人や子供の数が多いのに驚くが、29年前は炭鉱が斜陽とはいえ活気が残っていたことが窺えた。
このロケで使われた炭住は「ハンカチ思い出広場」としてそのまま観光用に保存されている。昨年公開された「北の零年」(駄作)のロケセットも最近公開されたが、これからどうなってしまうのであろうか。
石炭の歴史村のような大型の箱モノの閉鎖はやむを得ないとしても、夕張の顔といえる「ファンタスティック映画祭」の中止がいち早く決定した。映画でマチづくりをしている夕張が真っ先に映画祭を中止にしたことに対しては失望した。
山田洋次監督のコメントが印象的だ。 「市の自慢として、市民の心の支えとして、続けていきますと、なぜ言えないのか」
映画のマチ夕張が本物であるかどうか真価が問われる。
2006年07月27日更新
懐かしのリリーズが夕張再生へ一役
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「好きよキャプテン」などのヒット曲で知られる、夕張出身の双子の歌手、ザ・リリーズが8月20日夜、夕張市清水沢の仮装盆踊り大会の会場で無料コンサートを開く。かつての双子のアイドルは紆余(うよ)曲折を経て、昨年末に復活したが、自らの体験を財政再建団体となる夕張市に重ね、「市民を元気づけたい」と無報酬で駆けつける。 (7/27北海道新聞)
管理人の世代には懐かしい名前だ。確か渡辺プロが引退したザ・ピーナッツの後釜としてデビューさせたのがリリーズだ。「好きよキャプテン」、「水色のときめき」(デビュー曲であるこちらの方が好き)など小ヒットはあるが、大先輩の域には到底及ばず、その後、クイズ番組のアシスタント(覚えている方も多いのでは)グラビアお色気路線やJUZZボーカルに転向したりと試行錯誤をしていたが80年代に入ると名前を聞かなくなった。
2年ぐらい先輩にキャンディーズがいたが、リリーズがデビューした同時期、伊藤蘭をメインにした途端にブレイク、その後もナベプロ全盛時代であったため、トライアングルなどいくつかグループが登場してリリーズの印象を薄めてしまった記憶がある。
ところがとんねるずの「雨の西麻布」が大ヒットした時、♪ふたりのリリーズ♪というフレースで再度脚光を浴びたことがあったが、それはちょっと悲しかったし、リリーズ本人たちが困惑していた印象がある。
数年前、夕張関連をネットで検索していたら、ひょんなことでリリーズサイトに当った。みると複数存在し、今でも熱狂的なファンがいることに驚いた。
調べるとリリーズのその後、姉奈緒美の結婚により活動を休止、最近になって活動を再開、ライブなどをやっていたようだ。
リリーズは夕張の清水沢出身。そういわれてみれば透き通ったか細い、高音のハーモは初夏の北海道の爽やかさのようであり、反面どこか寂しげで愁いをかんじた。これは現在の先入観からであろうか。
出身地の清水沢は三菱大夕張鉄道の起点駅であった場所で、今年の市民祭りは清水沢で開催される。以前、5月のお祭りの日に偶然清水沢を訪ねたことがある。駅前に露天が出ていたが、客よりも露天商の方が多いぐらいのささやかな祭りであった。
リリーズが子供時代、夕張で過していた頃は今の10倍近い人口がおり、さぞ賑やかであったことであろう。
復活したリリーズ、再生を目指す夕張で無料で唄うなんでいい話ではないか。また、同年代のアイドルの元気な姿は嬉しいものだ。8/12にナマでオンエアされる「思い出のメロディ」に出演するから楽しみである。
参考までに夕張出身の歌手としては大橋純子がいる。
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2006年07月16日更新
無力感をかんじる夕張の反応
今朝の「朝ズバッ」で夕張市が特集された。閑散化したテーマパークやホテルと寂れた中心街を流すお決まりの作りだ。みのもんたが、これまでチェック機能を果たさなかった市議会に大いに責任があるようなことを言っていたが、中田市長時代、体勢翼賛状態であったのでこれはこれで事実である。
市民にインタビューを向けるとどこか他人ごとな答えで、これまで見た夕張関連の番組でもマイクを向けられた市民の多くが薄ら笑いをしているようで、諦めに似たものすらかんじる。
これまで何度も夕張倒産の話がテレビで放映されているが、箱もの行政に至る経緯、夕張市の置かれた詳しい状況や時代環境などが説明されているものが少ない。
20年前の閉山、雇用対策、三セクブーム、テーマパーク全盛、温泉ブーム、映画祭などの文化事業の必要性、バブル期の国が進めるリゾート開発、そしてその後始末と産炭地が抱える固有の問題などがテレビなどでは報じられていない。派手な施設、イベントの裏には背景があるのだ。夕張はその時代、時代に翻弄された犠牲者とも受け取れる。
中田市長時代にやったことすべてが否定できないし、バブル期は観光地として大いにクローズアップされた時期もある。箱ものすべてが悪いのではなく、何の疑いもなく、すべてを受け入れ、何のチェック機能もは果たさない見て知らぬ振りのピラミッド型の市政に問題があった。
市議会議員(市職員)の多くも市民と同様で、マチで起きていることに対しひとごとであったのではないか。市民の無力感や無関心さをみていると刹那的ですらある。
たまたまケタが大きいので夕張がクローズアップされたが、産炭地の芦別でもカナディアンワールドが先に潰れている。芦別は五重塔や大観音に温泉ホテル、歌謡ショーなど地域限定のベタな路線で頑張っているのでまだ夕張よりいいかもしれない。
道内にはまだまだこういうところがある。肝を冷やしている自治体や施設も多いであろう。
2006年07月06日更新
祭りでわかる分断化されたマチ・夕張市
夕張の夏を彩る「ゆうばり夏まつり」(同実行委員会主催)が今年初めて同市清水沢地区で開かれることが3日、決まった。従来、観光行政が市の北部に偏っているとして清水沢地区の住民から批判があったことに配慮。市が財政再建団体への申請を決めた後だけに、夏祭りで市民の心を一つにし、「夕張再生への第一歩」にしようとの思いを込めた。(北海道新聞)
夕張が財政再建団体になり、実体が次々に明らかになってきた。概ね想像通りだがチェック機能が無いに等しく、大勢翼賛的な市制が20年以上続いた結果が650億円という借金である。
夕張市民の肩を持つわけではないが、マチのことよりも自分の生活のことで精一杯であったのであろう。そう考えるとここまで放置しておいた道や国の責任も大きい。
今後、最悪、市から町への降格も考えられる。
夕張はマチがいくつかに分散されていた。これは夕張市内に多くの炭鉱があったが、炭鉱ごとにそれぞれマチを形成していたためである。市役所や石炭の歴史村がある本夕張地区、清水沢・真谷地地区、新夕張地区、大夕張地区(南部・大夕張)などいくつかに分散していた。また、本夕張と清水沢はホクタン、大夕張は三菱と企業(財閥系)ごとで城下町を形成していたところだ。そのため地域間の交流が少なく、結果、主流であり、最後まで石炭を掘り続けた本夕張地区に観光施設などが集中したのであろう。
夕張市民はひとつの夕張という発想に乏しかったことが、今回の破綻の遠因になっているのではないか。
好きな鉄道紀行作家であった故・宮脇俊三さんが夕張を愛されていた。その作品のなかで「夕張くうばり坂ばかり、ドカンときたら死ぬばかり」という夕張に伝わっているフレーズが紹介された。
なんとも刹那的で悲しいコトバだが今度こそ明確に未来を見据えた再生を願いたい。
2006年06月28日更新
産炭地に元気を、映画祭存続を望む
道は23日、空知管内の旧産炭地の地域振興に向け、支援態勢を強化する方針を決めた。「北海道産炭地域振興センター」に設置されている「地域活性化プロジェクト検討委員会」に新たに地元商工会議所や試験研究機関の参画を求め、新産業創出のてこ入れを図る。同日の本会議で民主党・道民連合の三井あき子氏(旭川市)の質問に高橋はるみ知事が答えた。(毎日新聞)
夕張市の財政再建団体入りはショッキングなニュースであった。
ハコモノばらまき市政と言われても仕方がない気がするが、時代、状況、空気などを考えるとこれしかなかった気もする。やり過ぎであり、最後は自転車操業になってしまった。あのまま同じ時代が続いていたら老人子供以外すべて市の職員になってしまったかもしれない。
最近、炭産地の産業遺構や観光が脚光を浴びてきていた矢先なので今回のニュースは残念である。
これで夕張市が動けなくなると最悪、地域の「解体」へ向かう心配がある。空知の産炭地のなかでは観光のリーダ的存在であったのでそれだけは避けたい。
しかし、テーマパーク、ホテルやスキー場の運営はコストはかかる。そう簡単に引き受け先も出てこないであろう(個人的にはMt.レースイスキー場は千歳から近く、ゲレンデも高レベル、ホテルスパなど捨てたものでないと判断するが)
夕張市の集客施策のなかで「ファンタステック映画祭」だけは存続できないものであろうか。1週間の会期中は世界中からゲストが集まり、ホテルも満杯になる。
産炭地を映画祭で復興させようとしたのはスコットランドが最初であると記憶しているが、夕張市など空知管内の旧産炭地6市町共同で「新ファンタステック映画祭」を開催したらどうであろうか。海外から高価なゲストなど招かずに身の丈でやる。
「北海道産炭地域振興センター」の基金を運用するかたちになるが、できる限り民間ベースで行なう。初期の頃の「横浜映画祭」のようなスタイルだ。各市町村で上映できれば単独で開催するよりはるかにスケールメリットが大きい。産炭地には古い劇場跡もいくつかあり、話題性もある。
北海道を代表する映画祭だけにこれで終了だけは避けたい。
2006年06月17日更新
夕張市『倒産』
夕張市の借金(負債総額)が税収など平時の収入(標準財政規模)の10倍以上の500億円を超えていることがわかり、事態を重視した道は15日、同市の助役を道庁に呼び、政府の管理下で財政再建を強制される「財政再建団体」になることを真剣に検討するよう求めた。後藤健二市長は同日夜、「道の考え方も示されたので、そのこと(財政再建団体への移行)についても検討しながら考え方をまとめていきたい」とのコメントを出したが、厳しい選択を迫られるのは必至だ。(朝日新聞)
夕張市が財政再建団体へ移行することは民間企業でいえば会社更生法適用である。つまり倒産だ。
以前、夕張のキャッチフレーズに「バリバリユウバリ」というのがあったが、バリバリと音を立てて崩壊した。観光面に力を入れていたが、多くが箱物であり、これでもかというくらい作った。
夕張駅前のレースイスキー場(松下興産が撤退し市が面倒をみていた)と付属のホテル、市街地にも市営のホテルシューパロという温泉付きのホテルがある。
そしてテーマパークの石炭の歴史村や幸福の黄色いハンカチなど短い間によく作ったものだ。
亡くなった前の市長がワンマンのやり手であり、大手広告代理店が計画を練り、夕張の観光化が進んだ。2月の「ファンタステイック映画祭」など名物行事も定着した。それはそれで陽の部分もあったが、地域の経済波及、効果には遠く及ばなかった。
異常に数が多い市役所職員など保護された歪な町という印象がある。
私は立派な箱物より、なんともいい味を出している本夕張の商店街や今は更地となった大夕張の集落などが好きであった。そこには、らしくてほっと出来る瞬間があった。本夕張の花月旅館やダンスホールなどはどうなっているのであろうか。
旧炭産地は夕張に限らず苦しんでいる。効果的な対策を思い浮かばない。移住者が来ても焼け石に水程度であろう。この空知の炭産地は北海道の産業遺産であるが負の遺産にもなってしまっている。






