インバウンド対策も重要だが国内客、特に道外宿泊観光客に手を打て
2009年12月07日掲 載
今年度上期(4~9月)に札幌市を訪れた外国人観光客(延べ宿泊者数)が、前年同期比32・5%減の28万7359人にまで激減したことが市の調査で分かった。昨秋以降の世界的な不況と円高が影響したとみている。(12/7付 毎日新聞北海道版)
毎日新聞によると、【04~08年度と5年連続で年間首位だった台湾は7万4870人(同43・0%減)、韓国は3万5012人(同51・2%減)だった。香港も8万5334人(同19・9%減)まで減ったが、年間観光客数では03年度以来6年ぶりに最多となる見通し。例外だったのは中国で、道東を舞台にした映画が08年末にヒットした影響で3万4123人(同46・1%増)まで伸びた。市観光企画課は「中国向けのプロモーションを強化したい」と話している】とある。
3割以上のダウンは大きい。インバウンドに関しては、重要案件には変わりないが、もともとが”水もの”プロジェクトである。ニセコのオーストラリアを含め、まだ北海道観光がアジア・オセアニアなどに固着・浸透する前の段階であり、不確定要素も大きい。
管理人は、それに並行して国内観光客(道外)の掘り起こしをしなくてはならないと何度か訴えてきたが、これまでピンとくるような施策が打たれていなかった。
札幌市のデータで、日本人を含めた観光客数では、前年同期比0・3%減の743万5000人と横ばいだったが、内訳を見ると、道内客は同0・7%増の405万3000人だったのに対し、道外客は同1・6%減の338万2000人に落ち込んでいる。道外客の落ち込みは全道レベルで見るとさらに大きくなっており、管理人はこの部分で危惧を抱いている。
道内客と道外客とでは消費単価が全く異なる。参考までに札幌市の道外客観光消費単価は宿泊客が39,139円、日帰り客が14,273円となっている(道内客の単価は不明)。この数字は道外の他地域と較べると、特に宿泊客の単価が高くなっている。これは土産物購入の比重が大きいこともあるが、道内客だと宿泊が減り、消費単価も平均をかなり下回るであろう。道内の高速道路が無料化されれば、さらに日帰り型が増えるのではないか。
一例として、沖縄県の観光客入込数は約515万人、観光収入は年間3631億円あり平均滞在日数は3.9日、一人あたりの消費金額は70,490円である。また、管理人の実家がある鎌倉市は、入込数が1969万人・観光消費単価は3,910円、宿泊率は何と1%以下である。
沖縄県は515万人の入込数に対して3631億円、鎌倉市は2000万人に対して730億円の収入。一人あたりの単価では鎌倉は沖縄の6%程度である。沖縄は平均4日間、鎌倉は日帰りという滞在日数の違いでここまで差が生じる。宿泊日数が増えることで、地元へお金が落ちることは沖縄を見れば明白なのだ。北海道の滞在日数は沖縄に近いが、違うところは沖縄は同一箇所へ泊まる滞在型なのに対し、北海道は移動型という点。しかし、札幌であれば連泊需要もある。
回りくどく書いたが、要は宿泊客を増やすことが北海道観光の命題なのだ。ビジョンで云えば、2泊以上の連泊・滞在型であるが、現状ではなかなか難しい。まずは北海道に来て、泊まってもらう。そこからがスタートである。
北海道観光振興機構が、先月まで道内の旅館に泊まった人の中から抽選で、2500名に1万円の宿泊券が当たる「泊まるたび」キャンペーンを行なっていたが、宿泊者が対象であり、特に道外客は年に何回も来れるものではない。リピーターづくりという狙いもあるのかもしれないが、ターゲットがぼやけているキャンペーンであった。
やるなら、条件なしで無料宿泊券の大盤振る舞いをするぐらいでないと呼び込みは難しい。たとえば、旅館の朝食付き券で夕食は別途支払ってもらう。また、2食付で提供をしても、お土産など購入してもらえるような仕組みを作れば、旅館内だけではなく、地域、道内全体への波及効果が期待できる。道外から来る観光客で1泊で帰る人は少ないのだ。
インバウンドは重要テーマであるが、国内、特に道外観光客の呼び込み・掘り起こしをもっと統合的・戦略的に行なうべきである。相変わらず観光に携わる各機関・民間を含め、足並みがバラバラであり、無駄な動きをしている。そこが変わらない限り、将来は暗い。
「地球の歩き方」が外国人観光客向けの道内フリペを発行
2009年06月19日掲 載
海外旅行ガイドとして人気の高い「地球の歩き方」を発行するダイヤモンド・ビッグ社(東京)は、北海道内を訪れる外国人を対象としたフリーマガジを創刊、19日から配布を始める。(6/18付 読売新聞北海道版)
このところ北海道を訪れる外国人旅行者の増加に伴ない、外国語による観光案内パンフなどが増えている。また、日本語版を翻訳したものだけではなく、初めから中国語圏・韓国・英語圏へ向けたフリーペーパーも見かけるようになった。観光ガイド以外にもグルメや公共交通の利用方法、気候などについて書かれている。
今回、発行される「GOOD LUCK TRIP 北海道」は、中国語と韓国語、英語で、道内旅行に役立つよう、札幌市や旭川市など人気エリアの地図や観光情報、トラブルにならないよう温泉での入浴マナーも掲載し、旅行に必要な簡単な日本語もまとめたものだ。6月と12月の年2回発行する予定で、第1号では道内のドライブコースを特集する。B5判、36ページで、毎号7万部を発行する。新千歳空港や旭川空港、主要ホテルで配布し、成田空港や香港、台湾、韓国の旅行会社にも置くという。
発行するダイヤモンド・ビック社は「地球の歩き方」シリーズでお馴染み。特に管理人の世代には愛着があり、学生時代から20代にかけては、このシリーズを片手に旅へ出たものだ。観光ガイドプラス現地の生活に密着をした情報、安宿の案内など読者情報提供型によるガイドの先がけであった(ガセや危険な情報も多く、泣かされた人も多いと思うが)。先日、久しぶりに「シベリア・サハリン」を購入したが、大人向けのふつうのガイドブックになっており、月日の経過を実感した。
話がそれたが、外国人向けフリペの動きは他にもあるようである。ビジネスチャンスをインバウンドに求めるのは理解できるが、現在、日本語による北海道観光のフリペは飽和状態である。駅・空港・案内所・ホテルなどに山積みされているが、札幌エリアだけで軽く10誌はあるのでは。需要があり、広告も取りやすいからであろうが、同じような広告主が多く、似たり寄ったりで最近は貰わなくなってしまった。
管理人は9年ほど前、全国の温泉旅館の予約サイト立ち上げの仕事をしており、その時、ダイヤモンド社とメディアミックスの形で「温泉の歩き方」というガイド本を出したことがある。売れ行きは芳しくなく、その後フリペにした。「歩き方」ブランドは通じなかったが、韓国・中国では真似たような本が出版されており、意外に反響があるかもしれない。
「GOOD LUCK TRIP 北海道」はダイヤモンド社自ら手がけているのか、スポンサーがいるのかわからないが、激戦区へ殴りこみである。
信州と北海道 インバウンドで見たその違い
2009年05月19日掲 載
写真上:外国人にも人気の地獄谷・野猿公苑 中:到着する観光客を駅で出迎える温泉旅館の番頭さんたち(最近では珍しい光景 長野電鉄湯田中駅)下:5月下旬までスキーが楽しめる横手山渋峠スキー場
先日、信州の渋・湯田中温泉を訪れた。温泉の玄関口・長野電鉄の湯田中駅前には各旅館の半被を着た番頭さんや和服姿の女性などが、旧小田急ロマンスカーの車両から降りてくる宿泊客を待っている。最近ではあまり見られない光景で、昔の箱根湯本や熱海を思い出させてくれた。
そんな中に半被を羽織った外国人が幟を持って改札の前に立って居た。外国人の女将は何ヶ所かで聞いたことがあるが、青い目の番頭さんは初めてだ。外国人従業員を必要とするほど温泉街を訪ねる外国人観光客が多いのであろうか。しかし、スキーシーズンは終わっている。単なる居候か。
その答えは温泉街を散歩してみてわかった。
古い木造建築の旅館がビッシリと並ぶ渋温泉街には浴衣姿の何組かの外国人客とすれ違った。白人だがオーストラリアではなく、ヨーロッパ人のような雰囲気だ。よく聞いてみるとフランス人が多いという。
志賀高原は上部のゲレンデなら5月いっぱいスキーが出来るが、既にシーズンは過ぎている。温泉街に泊まっている外国人客は純粋な観光で信州を訪れているらしい。温泉街の近くにある地獄谷の野猿公苑、御開帳で賑わう善光寺や戸隠、小布施、立山黒部アルペンルートなどが観光コースになっているようだ。
冬季はスキーに温泉街散策や善光寺見学などが加わるようだが、北海道のニセコなどとはかなり印象が違う。ニセコの場合、スキーヤーが中心であり、オーストラリア人はスキー限定が多い。アジア系は観光もするが、やはりスキーがメインであり、ニセコ以外の土地での波及効果が少ない。何よりも冬季限定というネックが解消されていない。
信州の場合、白馬はニセコにスタイルが近く、季節限定の傾向が強いが、長野県と新潟の妙高地区が共同で、外国人スキーヤーの受入れプロモーションを実施しており、最近では白馬よりも志賀高原、野沢や妙高赤倉などの外国人スキー客が増えている。これは温泉という強みや他所との抱き合わせ観光も関係しているのではないか。ニセコにとってはライバルである。
信州のこれらのスキー場は温泉街と共に発展してきた。そして湯の町情緒も健在である。スキー以外の楽しみがあり、また、スキーを除外しての集客も可能なところである。
北海道の場合、全体的なインバウンドでいえば先行しているが、スキー滞在を除けば物見遊山であり、スキーと観光が上手くリンクしていない。このあたりがネックではないであろうか。また、信州の場合はエリア全体でスキー産業を盛り上げているが、北海道ではニセコの印象が強すぎて他が霞んでしまっている。
スキーと観光の歯車がかみ合っている信州とばらけているのが北海道。このあたりニセコが民間主導であったのも関係しているかもしれない。
ニセコ周辺でいえば、湯本温泉や五色温泉の野趣溢れる露天風呂や岩内の寿司、小樽の市場めぐり、札幌観光など展開次第では魅力的なオプションツールになり得ると思うが。
北海道には古い温泉街や神社仏閣などはないが、自然や食材などそれを補える素材は十分にある。意外にそのあたりが周知されていないような気がする。
最後にホスピタリティ面でいうと信州に分が上がる。自然に御もてなしのこころが醸成されている。長野五輪を経験したこともあるかもしれないが、湯田中・渋温泉では管理人が温泉街を歩いていると他所の旅館の番頭さんなどが「おつかれさまです」、「こんにちは」などどあちらこちらで声を掛けられた。これは北海道ではあり得ないことである。気持ちがいい。
今冬のニセコ外国人は激減、スキー以外の観光オプションの充実が必要では
2009年01月22日掲 載
日本政府観光局シドニー事務所は二十日、今冬のオーストラリアから後志管内ニセコ地区へのスキー客が、昨シーズンより三割減になる見通しを明らかにした。宿泊費の値上げや昨秋からの円高で敬遠されていることに加え、本州のスキー場のPR攻勢が影響しているとみられる。 右肩上がりで増えてきた、同国からニセコへのスキー客が減るのは初めて。 (1/19付道新)
今スキーシーズンにニセコを訪れるスキー客は、約1万5千人とみられ、2万人だった昨シーズンよりも大幅な減少が見込まれる。円高に加え、”ニセコバブル”により宿泊料がアップしたことも敬遠されている理由のようだ。
道新記事によると、「昨シーズンに約6千人とみられた志賀高原や野沢温泉など本州のスキーリゾートへのオーストラリアからのスキー客は今季、伸びる見通し。これらのリゾート地域は官民一体となって同国でのスキー客誘致を進めており、円高にもかかわらず客足を引き留めるのに成功しそうだ」とある。
確かに円高の影響はあるが、旅行そのものをキャンセルするというのは意外に少ないという(韓国台湾は多いらしいが純粋にスキーを楽しみたい豪州人などはそれほどでもないらしい)。滞在費用は節約するが、バカンスで楽しみにしていた日本でのスキーは簡単には中止にしない。
信州の伸びが著しい。たとえば志賀高原は麓の湯田中・渋温泉に滞在して、スキーと温泉・日本食、観光を楽しむ。野沢温泉も日本ならではの温泉街が形成されており、スキー以外での魅力も充分だ。白馬はニセコにイメージが近いが周辺の観光ポイントには恵まれている。先日も地獄谷野猿公苑に詰めかれる豪州人の特集をテレビでやっていた。また、山形県の蔵王温泉では韓国人にターゲットを絞って集客をしている。
スキー客激減の信州では、落ち込んでいる国内スキー場利用者を補うにはまだまだ及んでいないが、地域にとっては外国人旅行者に評価されることが励みになり、一級の国際スノーリゾートと認められることで日本人客の増加につながるという本来の目的がある。
ニセコの場合、残念ながスキー以外での楽しみが少ない。最近、小樽観光を豪州人にPRしているが、彼らから見て運河を散策する小樽観光が楽しいか疑問である。スキーと温泉宿=日本的情緒、これはわが国ならではのスキーの楽しみ方であり、外国人にも訴求できる素晴らしい文化だ。何しろ日本のスキー場は温泉街と共に発達をしてきた。
北海道はここが弱い。定山渓あたりが札幌国際やキロロと提携して外国人を誘客する方法もあるが、定山渓自体、湯の町情緒を形成しない典型的な北海道のビル温泉街なので魅力に乏しい。また、ゲレンデとも離れている。富良野にしても楽しみはスキーだけになってしまう。
特に観光もしたいアジア系スキー客へは魅力あるオプションの提供が必要だ。北海道スキーに京都観光などを組合わせるプランもあるが、本州の観光地とセットにするとアクセスがよい信州などに客を奪われてしまう。流氷観光や丹頂鶴などは世界に誇れる観光資源だと思うが。
【参考】外国人向け国内スキー場紹介サイト「SNOW JAPAN」 (英語です)
北海道が欧州の国際スキー見本市に出展 スキーや冬季観光の市場はアジアだけではないのだ
2008年09月20日掲 載
道内のスキー場などでつくる北海道スキープロモーション協議会は10月、ロンドンで開かれる世界最大級のスキー関連の見本市「メトロ・スキー&スノーボードショー」に出展する。スキー場を紹介するブースを設け、現地の旅行代理店などに魅力をPRする。オーストラリアなどに比べて伸び悩む欧州からのスキー客誘致につなげる。(9/18付 日経新聞)
「メトロ」という見本市は知らなかったが、欧州を中心に約150のスキー場やスキーメーカーなどが出展し、約4万3000人が来場するらしい。国内のスキー場はこのところオーストラリアを中心にアジアからのスキー客が増えているが、全体的に見れば国内客減少をカバーするレベルに遥かに達していない。昨シーズンあたり入込み数は底を打った感はあるが、今後V字回復は見込めないであろう。
そこで海外からのスキー客誘致だが、欧米での日本のスキー場認知度は低い。確かにスケール的には欧州に勝てないが、米国や豪州のゲレンデよりは魅力があると思うし、雪不足も北海道では今のところ関係ない。日本は世界でいちばん積雪量が多い国。「雪国と」いう概念があるのは日本くらいであろう。
北海道の冬季観光イベントやグルメと抱き合わせたプロモーションを欧米向けを中心にもっと打つべきだ。マンネリ化した「さっぽろ雪まつり」でさえもまだまだ知られていない。流氷などは大きなPRポイントだ。アジアや豪州もいいが、まだまだ世界は広く、市場はあるはずだ。
【参考】METROの公式HP(英語)
日本・ロシアの観光ビジネスポータルサイトが誕生 ロシアからの観光客発掘を
2008年06月22日掲 載
八雲町栄町の美容関連商品のインターネット販売会社「wellbeing(ウェルビング)」は、ロシア極東大函館校に翻訳を一部依頼し、ロシア人に日本の観光・ビジネス情報を発信するポータルサイトの試行版を開設した。経済成長が著しいロシアに着目し、観光客誘致やビジネスチャンス発掘のきっかけを作ろうと本格運用を目指している。(6/19函館新聞)
海外からの観光客招致といえば東アジアや東南アジア、豪州などに目が行きがちだが、忘れてはいけないのが隣国・ロシアである。JNTO発表による2007年度国別・目的別訪日統計調査によるとロシアからは64,244人(前年比+5.9%)で、内訳は観光が37,433人(前年比+15.3%)、商用客が19,431人(-4.1%)と観光部門が大幅に増えている。ヨーロッパ全体で見ても英国・ドイツ・フランスに次いで4番目の数字である。
この数字、多いか少ないか判断は難しいところであるが、ロシアに対しての日本からの情報発信は少ないのではないか。ソ連からロシアに変わった一昔前の頃のロシアは貧しく、北海道に来ているロシア人も船員やマフィアもどきの連中も居り、印象を悪くしたが、今のロシアは飛躍的な経済成長で、先進国の一員といっていいであろう。
寒い国なので”南志向”があり、旅行も暖かいところへ行く傾向が強いが、現状では殆ど需要を拾っていないと思う。北海道の食やスキー(ロシアには立派なゲレンデが少ない)などプロモーションを掛ければ極東ロシアを中心に集客が期待できるはずだ。
勿論、解決しない政治的問題もあり、航空機定期便の制限やどこまでチャーター便が飛ばせるなど問題もあるが、狙える魅力ある市場である。
サイト自体は観光とビジネスに分けられ見た感じはよい。道内の情報が中心で、観光名所や宿泊施設をはじめ、中古車販売、不動産などの企業情報も掲載。ロシアの顧客獲得を狙う不動産、ホテル業界の関心が高いという。広告収入も期待できるコンテンツである。
【参考】日本ロシアポータルサイト
【参考】JNTO国際観光機構発表 訪日外国人統計
韓国のスキーブーム続く、北海道は訪日客1位だが福島などが急迫
2008年06月03日掲 載
JNTOは韓国からの訪日スキー送客人数が07年12月から08年3月の今シーズン、1万5390人と2年連続で1万5千人を超えたと発表した。特に目的地としては北海道、山形、長野の人気が高かった。(5/31観光経済新聞)今シーズンは燃油サーチャージの高騰、1月から続くウォン安など訪日スキーも苦戦が懸念されたが日本スキー商品の韓国における浸透と多様化などの好要因が訪日スキー客の大幅な伸びにつながった。地域別でみると、福島県が前年比72.4%増の1105人、新潟県が同328.2%増の407人と大幅な伸びを示した。 北海道は同5.2%増の3835人、山形県が同24.6%増の3501人、長野県が同16.3%増の3119人、岩手県が同42.4%減の1463人だった。
韓国のスキーブームは続いている。韓流ドラマでもスキーシーンは見かけるが、状況は80年代前半スキーが一機に大衆化しだした頃の日本に似ている。 大きなゲレンデがない韓国だが、観光と併せて日本で滑ることはステータスになっているようである(ゴルフと同様)。
上位は北海道・山形・長野の順だが、差は狭まっており、福島県が北海道を猛迫している。長野県もキャンペーンを仕掛けており、北海道はいつまでも胡坐をかいていられない。山形・長野は東京から新幹線で一本の距離なのでセットで観光を組みやすい。北海道は何で対抗するか。お決まりコースだとそろそろリピータには飽きられてしまうだろう。
欧州でハワイブーム、北海道観光が参考にすべきこと
2008年05月17日掲 載
ガソリン価格の高騰などで米国各地で観光客が減少する中、今年1―3月期のハワイへの観光客は前年同期比2・8%増加、約190万人に上ったことがハワイ州当局のまとめで分かった。13日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルが報じた。
ハワイへ訪れる日本人や米国人は減少傾向だが、代わりに増えているのが英国、フランス、ドイツなどの欧州勢である。欧州からハワイは大海を2つ越えなければならないので当然遠い。その分、欧州人からみれば魅力的に映るようだ。
実際、ヨーロッパの人に訊くと「一生に一度はハワイへ行ってみたい」といったことを言う人が多い。日本人から見れば大西洋のカナリア諸島やマジョルカといったところか。
現在、ユーロ高とドル安、長期に亘る経済成長で欧州全体が豊かになっている。これまで費用がかかったハワイもそれほど高いものではなくなった。日本でも最近、欧州人の姿が目立つ。英・仏・独・伊などのメジャー国以外でもスペインやポルトガル、ギリシャ、中欧のチェコやポーランドなど多岐にわたっており、聞いたことがない言葉を街で耳にする。
欧州人に限らず、グローバル化による富裕層の出現や全体が底上げされたことで旅の行動範囲が広がった。そう考えると北海道観光も「ポストアジア・豪州」としてそれ以外の国からの集客に力を入れなければならない。
欧州は勿論のこと、経済成長が著しいブラジルやインド、ロシアなどは重要なターゲットである。欧州人からみても北海道の観光資源は魅力的であり、雪の降らないブラジルやインドの人たちにとってなお更だ。
欧州からはハワイへ行くより、北海道へ行った方が早い。以前、新千歳からアムスまでのKLM直行便は最短ルートであった。ロシアからならあっという間である。
旅行のグローバル化はますます進んで行くであろうが、中国人観光客など取り合いも激しくなる。北海道観光は、もう少し世界へ目を向けた方がいいかもしれない。
国交省、「滞在力」と「外国人で賑わう街」を発表
2008年02月03日掲 載
国交省は昨年、「観光立国推進基本計画」を閣議決定したが、先月29日、滞在型観光と外国人誘致の2面それぞれについて取り組みが進んでいる地域を「滞在力のあるまち」と「外国人で賑わうまち」として、そのモデル69カ所を発表した。
以下、北海道から選定された地域を記載する。
■滞在力のあるまち
函館
阿寒湖温泉
帯広・十勝
知床・網走・東オホーツク
富良野・美瑛
■外国人で賑わうまち
札幌
小樽
登別温泉
ニセコ
洞爺湖
これを見て「外国人で賑わうまち」は、外国人入込数が多い観光地なのでわかりやすいが、札幌、ニセコ、登別など地域によって観光形態が異なり、一概に数だけで測っていいのか疑問はある。また、「滞在力のあるまち」に関しては、滞在型観光に力を入れているところが選定されているが、現状では施策レベルであり、”将来への希望”といったところであろう。
いかにもお役所的な選定だが、滞在力のあるまちと外国人で賑わうまちが同一になるのが北海道観光の未来である。
【参考】国交省プレスリリース
北海道のインバウンド施策には戦略性が足りないのでは
2007年07月06日掲 載
宮崎県の東国原知事が観光客誘致などを目的に訪韓したニュースは、大きくメディアで取り上げられた。同時に知事と一緒に行く観光ツアーまでやってしまうのだから宮崎県大したものである。大手広告代理店でも付いているのであろうか?
九州から見れば韓国は東京より遥かに近く、大きな市場である。あの傾きかけていた「ハウステンポス」が韓国人観光客の力で集客を回復している。韓国の所得が上がり、これまでの物見遊山型からリピーターが増え、目的を持った観光をするようになってきている。
たとえば温泉めぐりやゴルフといった類いだが、ゴルフなどは、宮崎でプレーすることが韓国人にとってステイタスらしい。このあたりを狙ったツアーも増えている。
ところ変わって北海道はどうであろう。昨日のブログでニセコと豪州の話を少し書いたが、どうも他力本願の印象がある。地道な営業活動をしていることは知っているが、戦略性に欠ける気がする。
たとえば、スポット単位ではいろいろとPRをしているが、線の観光になっていない。地域ごとにバラバラの印象である。
また、宮崎でゴルフプレーをするようなブランド・ステイタスになるものが少ない気がする。小樽カントリーでプレーするのもステイタスだと思うが、訪日外国人が北海道でゴルフをするという話はあまり聞かない。スノーリゾートにしても、絶対的なものがない。下手をすると志賀高原や苗場にやられてしまうかもしれない。
「道」というユニットがあまりにも大きすぎる弊害かもしれないが、漠然とした北海道への憧れもいつまでも続かない。具体的な舞台づくりがそろそろ必要なのではないであろうか。
HISが訪日外国人向けSNSを開設
2007年06月11日掲 載
訪日外国人向けの会員制旅行ポータルサイト「Wa-shoi!Japan」は、新たにサイト内にSNS機能をつけたサービスを開始した。SNSの名称は「わっしょい!コミュニティ」で、英語、中国語、韓国語の3カ国語に対応している。
サイトを運営するのはHISの関連会社であるHISエクスペリエンス・ジャパン。訪日外国人向けに、さまざまなホスピタリティ・サービスを提供している。今年の4月にインバウンドサービスとして「Wa-Shoi!」を開設したが、旅行案内、経路検索、ホテル予約、成田と秋葉原を結ぶ自前無料バスの予約などがサイト内ででき、外国人が国内旅行に不自由をしないような構成となっている。
「わしょい!コミュニティ」は、「プロフィール機能」「ブログ機能」「写真投稿機能」「あしあと帳」などSNSの基本機能を網羅している。
4月に開設した「Washoi!Japan」は登録会員数が1万人を突破し、1日平均250人以上の新規登録があるという。
今後、外国からの個人旅行者が増え、政府が推進する「Visit Japan キャンペーン」と相まって、今後、このようなwebサービスが増えることが予想される。
富良野、白馬など広がりをみせる豪州スキー客
2007年02月05日掲 載
この冬はニセコ以外のスキーリゾートにも豪州人が訪れている。ニセコだけで今年は8万人に迫りそうな勢いである。
道内では、富良野が英国へのキャラバンなど積極的に動いている。反応は出ているのであろうか。
読売新聞によると長野県の白馬にも多くの豪州人が来ているらしい。雪質の良さや東京に近いことなどが口コミで広がったようだ。
白馬村は八方尾根スキー場を中心に南側に白馬47、五竜とおみ、北側に岩岳や栂池高原など白馬連山の麓にかなり規模が大きなスキー場が集まっている。
このあたりはニセコと共通する立地条件である。八方は標高差もあり、五輪コースになったほどなので豪州では体験できない本格スキーが楽しめるのも魅力であろう。
長野県へのスキー客入り数はピーク時の三分の一に近く、2,3年前に白馬へ行った時は廃業したペンションや飲食店が目立ち、ゴーストタウンに近いものをかんじた。
白馬村観光協会では、滞在型へのシフトなど努力をしているようで以前のブログでもお伝えしたことがある。
森を切り開いて造成されたペンション村や別荘地は底値ということで豪州人が購入している。ニセコのような大型プロジェクトに進行するかどうかわからないが注目である。
このような外国人誘致が可能なスキー場は各地にある。豪州人もニセコだけには飽き足らず蔵王や志賀高原など大ゲレンデへ分散する可能性がある。
そういう意味ではニセコは不安定ともいえ、国内デベロッパーや行政が本格的に動けない理由のひとつになるであろう。
外国人スキー客の行動範囲は狭く、ニセコであればヒラフなどごく一部の地域が潤っているに過ぎない。今後、東山、アンヌプリなどへも外資が動くであろうが、どこまで広がるかは管理人は懐疑的に見ている。
しかし、外国人スキー客は目減りした国内スキー客数を補填してくれるだけではなく、誘客効果を発揮する。国内スキー客はそろそろ底を打ち、今シーズンは雪不足ながら数字を伸ばしているところも多い。
ビギナーが多いアジア系スキー客などを対象にすれば、規模の大きなスキー場ではなくても誘客は可能である。豪州人に囚われず欧州やアジアなど各地からの集客を目論むべきであろう。
最後にニセコひらふと白馬(八方尾根)は東急系のスキー場である(富良野は西武系)。偶然であろうが、何か裏があるのであろうか。
ニセコひらふ地区の豪州バブルが周辺にも及ぶか
2006年10月04日掲 載
日経新聞北海道版によると旅行会社HISの子会社であるウォーターマークホテル・ジャパンが、函館とニセコ町で二つのホテルの運営を開始したと発表した。
運営を受託したのは、函館市の「アランチャールズゴルフアンドリゾート」と、ニセコ町ニセコの「グランステージニセコ」の二ヶ所である。
同社は、オーストラリアでホテル運営などを営んでおり、いわば逆上陸のようである。海外で培ったノウハウを国内で活かすわけだが、ニセコで運営する「グランステージニセコ」は、大型のコンドミニアム型のホテルであり、思わずひらふ地区の豪州バブルと関連づけてしまう。
但し、場所が昆布温泉にあり、ひらふ地区とはかなり離れている。先日のブログでもニセコ地区の土地上昇が昆布地区など他には飛び火していないと述べたが、豪州客を意識しているとなると状況はいっきに変わってくる。
グランドステージは、アンヌプリとモイワスキー場の中間あたりにあるが、モイワスキー場の経営にもウォーターマークが乗り出すことになった。モイワはニセコの御三家スキー場に挟まれ地味な存在だが、そこそこの規模があり、客も少ないのでボーダーに人気がある。昔はニセコモイワ太平洋クラブの名称で、その後、ポンテなど何度も改名をしているので経営が一定していないのであろう。
また、函館のゴルフ場は、空港に近いが難コースとゴルフダイジェストにあった。
HISはスカイマークの親会社(大株主)である。なので苦戦する東京-札幌線の需要を上げるため、ニセコや函館の施設を使ったパックツアーなど客足が落ちる冬季に向けてツアー向けの商品を作ってくるであろう。推測だが、ターゲットは豪州を意識しながらも国内客かもしれない。当れば一石二鳥である。
個人的には昆布温泉は静かで、お湯がよく大好きなところだ。あまり荒らしてほしくないというのが率直な感想である。同地区にはバブルの時に建てたれ、廃墟になったような建物がいくつかある。このグランドステージも普段、客がいるのを見たことがない。
温泉も掘削するらしいがどういう展開になるであろうか。
ところでこの「グランドステージ」という名称、姉歯ヒューザー物件のマンションと同じである(同名だが関係はない)。当然、変えるであろう。
ニセコ観光協会が外国人向けサービスを開始
2006年07月15日掲 載
ニセコリゾート観光協会(後志管内ニセコ町、佐藤隆一社長)は旅行会社のプライ(札幌市、新山秀勝社長)と提携する。韓国や台湾などアジアの観光客が簡単に宿泊予約できるようにするほか、地元の受け入れ態勢も整える。ニセコ地域は豪州からのスキー客でにぎわうが、アジア客も取り込み、観光活性化に結びつける。 (日経新聞)
ニセコリゾート観光協会は逢坂町長時代につくられた民営化された観光協会である。
今回、フライという会社が英中韓の3カ国語対応の観光協会HPを作成する。海外観光客からの問い合わせにも併せてコールセンターを設け、利用者と宿泊施設の間に入ってサービスを提供するものだ。
宿泊施設は6万円の年会費を支払うことで、こうしたサービスを受けることができる。
この6万円という金額、どう評価するか。ニセコ町は個人経営のペンション、ロッジなどが多く全体的には経営が苦しいと思う。無料か共同出資でもいい気がするが、設備投資が難しいなか6万円払えば新たな顧客を獲得できるかというそう簡単なものではないであろう。
新しいサイトの詳細がわからないが、宿の自前サイトでの外国語対応や更新も必要であろうし、未だHPを持っていない宿も3割程度はある。均一なポータルサイトの中から宿をチョイスするという作業はけっこう難しい。外国人が見るならなお更である。
また、宿側のブロードバンド対応の問題もある。国際化を目指すならBB対応も必須である。豪州など外国人スキー客は1週間以上滞在するので客室のLAN対応や最悪でもロビーなどフリースペースでのネット対応など求められる。
都市ホテルでは当たり前のサービスになっている客室BB対応であるが、国内ホテルの多くは無料で提供され、これは世界に誇れるサービスである。しかし、観光地となるとえらく対応が遅れている。
これらのサービスに対応できれば海外に対しても大きなウリとなるはずだ。
リゾート観光協会は観光案内だけではなく、こちらの方でも力を入れてもらいたいものだ。
伸び悩むホテルのアジア言語衛星放送
2006年05月08日掲 載
北海道観光連盟が推し進めているアジア言語対応の衛星放送を導入するホテルの数が伸び悩んでいる。現在、15軒ほどで目標の三分の一に止まっている。
2004年度に道内を訪れた外国人観光客は約42万7千人。そのうち台湾、香港、中国本土が70%、韓国が15%を占める。昨年4月から中国の国営放送と香港・台湾の民放2チャンネルを受信できるようにした。50万円程度の初期投資のほか、月々の受信料は約1万円(50室まで)で、個別契約の三分の一の料金で済むという。
伸び悩んでいる背景には設備投資をしても無料放送のためホテル側の収入にならない点や、アジア系旅行者のホテルでの滞在時間が短いため実際に視聴する時間が少なく、放送そのものが知られていない可能性もある。
外国語衛星放送に限らずホテルのVOD(ビデオ・オン・デマンド)は急速に普及しているが、ホテル側の収益は少ない(利益の大半が成人向けから)。現状ではVODのホテル側買取やレンタルは少なく、費用が殆んどかからない委託設置型が大半である。
現状では収益が少ないVODサービスに無料のアジア言語放送を設備投資する余裕がないのが実情であろう。
昨年、旭川グランドホテルでこのサービスを体験した。「ここまでやるか」と思ったが、日程がビッシリのツアー観光客が見る時間はないであろう。
むしろこれらのサービス導入よりも観光ホテル(旅館)のブロードバンド化を進めるべきである。IT立国と言われながらこの分野ではえらく遅れている。
観光ホテル(旅館)のブロードバンド対応は外国人観光客に限らず日本人観光客にとっても有益のはずである。
