2010年度の鎌倉観光客数は1949万人
2011年05月15日掲 載
先日、大型連休の鎌倉観光について、拙ブログで紹介をしたが、昨年度の観光客入込数が発表となった(→市の広報資料はこちら)。市によると、観光客は1949万人で前年比3.5%増、この14年間では最多となった。増加の理由としては、鶴岡八幡宮の大銀杏が倒れたことやミシュランガイドの発売、オバマ大統領の鎌倉訪問など話題が多かった点を挙げている。
しかし、実際は「安・近・短」の節約志向の中、鎌倉観光は手ごろであり、数字ではなく、中味が問われるところだ。参考までに、無料施設では、鶴岡八幡宮が1019万人、鎌倉海岸が228万人、有料施設では12寺社合計で計511万人(大仏など含まれる)。
八幡宮近くにある水出しコーヒーが美味しいカフェ「Life」のブログ写真から
客足戻る鎌倉観光、「安・近・短」の傾向がさらに顕著になったが中味は相変わらず
2011年05月09日掲 載
写真左から鎌倉駅前/人で身動きが取れない小町通り/ランチに5,60人が並ぶのはザラ
連休明け、今日は「北海道観光」ではなく、管理人の実家がある「鎌倉観光」の話を。
大型連休中、鎌倉はまずまずの賑わいであった。前半は伸びなかったが、3日からの3連休はほぼ例年並みの人出に。毎年、2千万人近くが訪れる鎌倉であるが、初詣時期を除くと5月連休と11月の祝日に混雑ピークを迎える。
ほぼ、通年混んでいるが、震災以降は観光客が激減し、4月上旬頃までは定番の鶴岡八幡宮に全く人が居ないという光景を初めて見た。参道の小町通りも歩くのは地元民だけで、昔に戻ったような静かな鎌倉であった。その後は少しずつ回復、外国人観光客(おもに欧米)もチラホラ見かけるようになった。
今年の連休の特徴としては、午後から始まる混雑、また天気の回復後に急に人が増えるなど事前に計画を立てるよりは、急に思い立って来た「そうだ鎌倉へ行こう」的な観光客が多かったことだ。この傾向は数年前から増えており、今回は震災の影響も重なり、レジャー控え、消費抑制意識が強かったが、さすがに大型連休ぐらいはどこか出かけようということで、観光客の多くは首都圏からの「安・近・短」組であったようだ。
もうひとつ目立ったのが、遠隔地のナンバープレートが多かったことだ。週末の道路渋滞は慢性的であるが、大型連休は渋滞を敬遠してか意外に空く日もある。しかし、今年は「千円高速」が間もなく打ち切られるためか、西日本方面からのクルマが目立った。
写真左から鎌倉駅西口(江ノ電改札口側)乗車するには90分待ち、100m以上の行列/JR横須賀線との連絡改札口は混雑のため閉鎖/チョコレート色に塗装変更されたレトロ風電車
鎌倉観光は一極集中による混雑、食事や宿泊の場所確保など課題だらけだ。上の写真を見ていただければおわかりだが、江ノ電に乗車をするのに1,2時間は待たなくてはならず、長い行列が出来る。クルマで来ても、駐車場はどこも満杯であり、停められない。路線バスは渋滞で全く動かず、タクシーは出払ってもおり、駅には1台もない。歩くか、貸し自転車(坂が多いので電動がおすすめ)がいちばんよい。
昼食はどこも数十人が行列をしており、「昼食難民」を生む。特に「Hanako」や「OZ」などの雑誌の最新の鎌倉特集(どちらもGW前に特集を組む)で紹介された店は入れないと思った方がよい。
また、休前日や連休中の鎌倉市内での宿泊は不可能だ。もともと宿泊施設が極端に少ない。鎌倉観光客の宿泊率は1%前後だが、これは古都保存法や景観上の規制により、適した土地がなく高額なこと、宿泊施設が作れる地域が大幅に規制されているなど複合的な理由があり、泊まる場所がないのだ。個人でペンションやB&Bをやりたくても規制地域内が多い。また、4階建以上は作れないので、ビジネスホテルなどは採算上、無理だ(広告規制もあるので東横インなどの大きな屋上看板もつくれない)。
結果、多くが同じ鎌倉市内の大船か藤沢市、横浜方面に宿を取るが、そこも満室が多く、わざわざ都内のホテルから来る観光客も多い。泊まりたくても、泊まれないのが鎌倉の宿泊事情だ。
写真左からJR改札口/鎌倉江ノ島定期観光バス(江ノ電バス)大混雑にも関わらず利用者は数人・・・/鎌倉駅大仏間を結ぶ2代目レトロ風バス(京急バス)初代は函館バスで活躍中
また、日帰り客が圧倒的なため、消費単価はえらく低い。食事と土産物、市内交通費、拝観料などを併せても、2千円台であろうと推測する(市調査では2,800円程度であったがもっと低いというのが関係者の一致した意見である)。同じ日帰りでも京都は7~8千円、小樽でも5千円程度は消費している。
人が多い割には効率が悪く、観光とは関係がない大半の市民にとっては、渋滞・混雑・ゴミ・少ないトイレ・人の家の敷地に勝手に入り込むなど観光客が迷惑になっているのが鎌倉観光の現状である。歪な鎌倉観光を改善するには大変な作業が必要だが、観光客、市民、観光業者ぞれぞれが恩恵を蒙るようなシステムにしなくてはならない。
「鎌倉観光」は北海道観光を語る上でも、管理人の比較物差しになっており、常に冷静な目で、ウオッチングを欠かせない。
Catastrophe Tourism in Kamakura, 倒れた大銀杏に群がる観光客
2010年03月14日掲 載
片付けが行なわれた12日 階段は通行止 すでにシートで大銀杏は見えなくなっている
catastrophe(カタストロフィ)とは、突然の大変動。大きな破滅。また、劇や小説などの悲劇的な結末。破局のこと。今、そんなカタストロフ(惨劇)を見る野次馬でごったがえしている。
管理人の実家がある鎌倉市。既にメディアでも広く紹介されているが、市内観光スポットの中でもっとと賑わう鶴岡八幡宮の樹齢千年と云われる「大銀杏」がポッキリ折れてしまった。実朝暗殺でも登場する有名な樹木であり、八幡宮のシンボルといってもよいものだが、かなりのインパクトのあるニュースであった為か全国から、これを見ようと週末に人が押し寄せて来た。普段でも混んでいる週末の鎌倉が桜開花を前にして、さらに賑わった。
鶴岡八幡宮や鎌倉市にとっては、ある種のカタストロフ(惨劇)だが、野次馬根性でひと目見たいのが人間の性というもの。管理人は「Catastrophe Tourism」(カタストロフィ・ツーリズム)、「惨劇野次馬観光」とでもこれを名付けたい。
