札幌シティホテルミシュラン その7 総集編
2005年03月31日掲 載
☆SAPPORO CITY HOTEL編 No.7 総集編
札幌シティホテル・ミシュランの7回目です。今回は総集編としてミシュランで紹介をしたホテルの中から総合ポイント獲得数と各部門ごとのポイントをお伝えします。
紹介するホテルの基準は、日本ホテル協会に加盟か大手旅行代理店のシティホテル商品扱いを受けている施設などを対象に行います。
また、評価は客室・飲食・ホスピタリティ・ビジネス(ビジネスでの使い勝手度)の4部門としました。著者の情報が少ないホテルについては紹介をしていませんのですべてが掲載されるわけではありません。
*評価は☆ひとつが20ポイント。★ひとつが10ポイントで客室・飲食・ホスピタリティ・ビジネスそれそれ☆☆☆☆☆(100点)。400満点の総合ポイント獲得数です。この数字はあくまでも参考であり、ホテルの格付け、ランキングではありません。
◆総合獲得ポイント
360:札幌パークホテル
340:京王プラザホテル
340:札幌グランドホテル
330:ホテルオークラ札幌
320:JRタワーホテル日航札幌
320:センチュリーロイヤルホテル
310:札幌ロイヤルホテル
300:モントレエーデルーホフ札幌
300:ホテルクラビー札幌
300:ルネッサンスホテル札幌
290:札幌全日空ホテル
290:ホテルモントレ札幌
290:札幌後楽園ホテル
290:ロテル・ド・ロテル
290:札幌東武ホテル
290:アートホテルズ札幌
290:ホテルアーサー
290:ホテルクレスト
以下 省略
◆部門別獲得ポイント
■客室部門
90:JRタワーホテル日航札幌
90:モントレエーデルーホフ札幌
90:ホテルクラビー札幌
■飲食部門
90:京王プラザホテル
90:札幌グランドホテル
90:札幌パークホテル
■ホスピタリティ部門
100:札幌パークホテル
■ビジネス部門
90:センチュリーロイヤルホテル
90:京王プラザホテル
90:JRタワーホテル
90:札幌グランドホテル
*参考 エリア別部門
駅前西側:京王プラザホテル札幌、駅前東側:モントレエーデルーホフ
大通周辺:札幌グランドホテル、ススキノ:札幌ロイヤルホテル
中島公園:札幌パークホテル、市内周辺:クラビー、ルネッサンスホテル
札幌シティホテルミシュランは著者がこれまで札幌市内に延べ250泊程度した中からの印象が中心であり、宿泊から時間が経過したり、印象が薄いホテルに関しては参考意見を聞くような形で書いています。あくまでの著者の「好み」でありますが、登場したホテルに関しては客観的なデータを集め、精一杯、冷静に評価をしたつもりです。高ポイントのホテルを見ると地元資本やある程度の歴史があり、地域に
根付いているものが上位にきています。やや、保守的なホテルが上位にきていると思われる方もいるかもしれませんが、著者の「好み」の範疇と解釈して下さい。トータル評価なので最先端の設備をもっているホテルが決して上位にきているわけではありませんが、それはそれで「ミシュラン」としての意味があるかもしれません。札幌滞在の際、何かの参考になれば幸いです。
【この冬のニセコはどうであったか】
ウインタースポーツのシーズンも間もなく終わりを迎えようとしています。今冬は全国的に豊富な積雪に恵まれましたが、客足は回復しているのでしょうか。
このところ話題を独り占めしているニセコとオーストラリアですが、どうなっているのか気になるところです。
昨年の本メルマガでオーストラリア資本による不動産や観光開発をめぐる動きをお伝えしましたが、その後も動きが活発化しています。スキーシーズンにあわせオーストラリア資本が95%入った「日本ハーモニー・リゾート」が東急系の「ニセコひらふ花園スキー場」を買収したことはお伝えしましたが、同社のロジャー・ドナザン会長の妻はカンタス航空の会長であり、11月にはカンタス航空が千歳線直行便を再開させました。今冬は多くのオーストラリア人が直接、新千歳空港から貸切バスでニセコ入りをしました。
また、不動産投資が活発になっています。今年1月1日時点で累計34件あり、約1万6000平方メートルの土地をオーストラリア人が取得しました。別荘として利用するほか、投資目的で購入する動きがあります。特に豪州資本が集中している「ひらふ地区」では、長引く不況で道内の地価の下落傾向が続く中、地価がじりじりと上昇しています。同地区への豪州資本による投資が好景気を呼び込んだ形で、従来価格の2,3倍で取引されているというのでバブル期なみの現象です。
先日、ニセコへ行きましたが、聞くところによるとオーストラリア人客はニセコエリアの中でも限られた場所に集まっているようです。3月中旬であったのでほとんどが帰国していましたが、豪州資本が集中する「ひらふ地区」が中心です。ニセコにはグラン・ヒラフ(倶知安町)東山(ニセコ町)、アンヌプリ(ニセコ町)などが規模の大きいゲレンデとして知られていますが、東山やアンヌプリへ行くスキーヤーは少なく、飲食や日常品の購入もひらふ地区で済ませ、倶知安町に集中してお金が落ちているようです。
(ニセコ町や蘭越町には恩恵が少ないです)
豪州資本による投資や開発について地元では冷静に見ていました。地元では地域経済活性化への期待の一方で、乱開発や局地的な地価上昇を懸念する声も出ています。
特にバブルで痛い目にあっているニセコでは、現状を”OGバブル”として捉え、金融機関も豪州資本への融資には慎重のようです。
今後、豪州資本は、カナダ・ウィスラーなどへ行くオーストラリア人スキー客50万人のニセコへの誘客、また、集客をニュージーランドやシンガポールまで拡大し、夏季は香港や台湾なども視野に入れたリゾート計画を考えているようです。
ニセコには「湯の里」など別荘地として開発されながら、親会社の倒産などで維持・管理が難しい別荘地がいくつかあります。今後、オーストラリア人向けの別荘がたくさん作られそうですが、「過去」と同じ過ちだけは繰り返してほしくはありません。
現状では多くの日本人がこの現象を冷静に、注意深く捉えていると思います。ビジネスモデルとしては大変、魅力的であるのでバブルで終わらないことを祈ります。
ニセコに関するレポートは、定期的に追ってゆきたいと思います。
【札幌シティホテルミシュラン】その6 市内周辺編
2005年03月20日掲 載
☆SAPPORO CITY HOTEL編 No.6 市内周辺編
札幌シティホテル・ミシュランの6回目です。今回は市内周辺のホテルを紹介します。おもに札幌駅北口や東側が中心です。紹介するホテルの基準は、日本ホテル協会に加盟か大手旅行代理店のシティホテル商品扱いを受けている施設などを対象に行います。また、評価は客室・飲食・ホスピタリティ・ビジネス(ビジネスでの使い勝手度)の4部門としました。著者の情報が少ないホテルについては紹介をしていませんのですべてが掲載されるわけではありません。
ホテルクレスト札幌(北区北6西4)は札幌駅北口にあります。駅から徒歩2~3分の距離にありますが、駅前とい利便性が中心だけのホテルではなく、準・シティホテルとしての機能が兼ね備えられています。シングルルームでも客室が広いのが特長でJRの高架がすぐ横にあることを感じさせず落ち着いた雰囲気です。飲食はカフェとレストランのみで、やや寂しいですが、ホテルなどを経営する常磐興産は常磐スパでお馴染みの会社であり、食材や管理面しっかしりしている会社であると聞いたことがあります。
客室 ☆☆☆☆
飲食 ☆☆☆
ホスピタリティ ☆☆☆★
ビジネス ☆☆☆☆
ホテルクラビー札幌(中央区北2東3)は札幌ファクトリーに隣接をした個性的なホテルです。ファクトリーのオープンと同時に開業しましたが、こじんまりしたプライベート型ホテルです。経営はサッポロビール系の会社なので、恵比寿のウエスティンと共通するものがあります。客室はシングルでも30㎡以上あり市内ではトップクラス。風呂は洗い場が独立しておりなかなかのものです。
課題はアクセスです。札幌駅から徒歩であると15分以上かかりタクシー利用になってしまいますが、距離以上に遠くかんじるのは中心部の外れの東側にあるところが大きいかと思います。ビール園も近いので観光にはいいですがビジネス利用であると使い勝手に問題があります。のんびりするにはオススメです。
客室 ☆☆☆☆★
飲食 ☆☆☆★
ホスピタリティ ☆☆☆☆
ビジネス ☆☆☆
札幌ルネッサンスホテル(豊平区豊平4条1丁目)は豊平川を渡った豊平区にあります。当初はラマダルネッサンスと名乗っていましたが、数年前から今の名前に変わっているマリオットグループの一員です。バブル期にオープンをしたせいもあり豪華です。館内各所に絵画や調度品があり、美術館をコンセプトにしたという理由も頷けます。またVIP向けのフロアの設置、バスタブとシャワーの分離、広い客室、豊富な飲食店からフィットネスまで札幌では最初の世界規格のホテルといっていいのではないでしょうか。
しかし、最大のネックがアクセスです。豊平川を渡ってしまうので徒歩で大通りやススキノへ行くのには距離があり、周囲のロケーションもいいとはいえません。空港から市内へ行く連絡バスがちょうどホテル前に停まるので直接空港からバスでホテルに行くには便利ですが。また、噂によると設備の老朽化が進んでいるようです。ホテル維持の難しさをかんじてしまいます。
客室 ☆☆☆☆
飲食 ☆☆☆☆
ホスピタリティ ☆☆☆☆
ビジネス ☆☆★
その他、札幌駅北口に札幌アスペンホテル(北区北7西4)や昨年、タワーをオープンさせて札幌プリンスホテル(南2条西11丁目)、副都心の新札幌駅前にはシェラトンホテル札幌などがあります。この3ホテルは宿泊経験がないのでコメント・格付けは差し控えます。
札幌ホテルミシュランは6回にわけてお伝えしました。次回では総集編として総合順位を発表したいと思います。
【札幌シティホテルミシュラン】その5 中島公園周辺
2005年03月07日掲 載
☆SAPPORO CITY HOTEL編 No.5 中島公園周辺
札幌シティホテル・ミシュランの5回目です。今回は中島公園周辺のホテルを紹介します。紹介するホテルの基準は、日本ホテル協会に加盟か大手旅行代理店のシティホテル商品扱いを受けている施設などを対象に行います。また、評価は客室・飲食・ホスピタリティ・ビジネス(ビジネスでの使い勝手度)の4部門としました。著者の情報が少ないホテルについては紹介をしていませんのですべてが掲載されるわけではありません。
中島公園周辺には個性的なホテルが目立ちます。アートホテルズ札幌(南9西2)は市内のシティホテルとしては最初に掘削で温泉施設を作ったところです。もともとアートホテルは駅前通りにありましたが、老朽化と業務拡大に伴い現在地に10年前に開業をしました。道内はもとより全国的に知られるようになった加森観光最初の本格的ホテルです。シングルは客室の広さ、ベッドサイズなどシティホテルとしては狭さをかんじますが、併設の温泉は宿泊者は無料で入れ、朝食もセットになっているので、ビジネスマンや一人旅にはいいかもしれません。やすらぎや豪華さを求める人には不向きですが、合理的で実用的なホテルといえるでしょう。
客室 ☆☆☆★飲食 ☆☆☆★ホスピタリティ ☆☆☆★ビジネス ☆☆☆☆
札幌パークホテル(南10西3)は中島公園に面している老舗ホテルです。札幌グランドホテルと同じく三井観光開発が運営をしています。創業以来約40年、皇室やVIPの宿泊が多く、グランドを東京の帝国Hに例えればパークはオークラのような位置づけでしょうか。パークホテルの魅力は従業員のサービスと食事の美味しさにあります。客室は中島公園側と豊平川向きに分かれます。公園側は藻岩山~手稲、市内西部が一望でき景色のよさでは市内NO.1といってよいのではないでしょうか。豊平川向きはホテルの玄関屋根が邪魔し、その差にはがっかりしてしまいます。おもにツインが公園側、シングルが豊平側ですが、空室があればシングル予約でも公園側に回されることがあります。客室の広さは標準サイズですが、ミニバーもあり寛ぐことができるでしょう。食事は最上階に「なだ万」、以前、最上階にあった「ローザンヌ」がイタリアン・カジュアルに変わり1階に、3階には名門の四川中華「桃源郷」があります。シングル宿泊者には食事付きのパックがあります。たとえば「なだ万」で夕食と取り、朝食が付いて1万ちょっという破格プランやススキノの飲食店での食べ放題の夕食コースもあるのでチェックをしてみるといいでしう。
客室 ☆☆☆☆飲食 ☆☆☆☆★ホスピタリティ ☆☆☆☆★ビジネス ☆☆☆☆★
ホテルアーサー(南10西6)は、パークホテルと向き合うような形で建っている高層ホテルです。地下鉄中島公園駅が最寄りですが、徒歩で4,5分かかり、札幌駅からのタクシー利用だと1200円近くかかってしまうのが難です。ススキノへは徒歩エリアです。オープン当初は会員制ホテルでスタートをしましが、何回か経営者の変更があり、現在に至っています。最上階のレストラン「21CLUB」は札幌ではかなり名の知れたBAR&レストラン(鉄板焼など)です。客室は標準的ですが、上層階ならどの部屋でも景色がよいのが魅力で、パークホテルとは違う中島公園の四季を眺められます。また、もうひとつの利点は料金が比較的安く、チェックアウトが12時であるという点です。
客室 ☆☆☆★飲食 ☆☆☆★ホスピタリティ ☆☆☆☆ビジネス ☆☆☆★
KITAホテル(南14西1)は中島公園の南端、駅では幌平橋に近いところにあります。黒川雅之氏設計のお洒落なデザイナーズ系ホテルです。前号で紹介をしたロテル・ド・ロテルやホテルラフィーネなどバブル期に市内でいくつか誕生した形態のひとつです。客室はバラエティに富んでいますが、ツイン・ダブルが中心でシングル自体はとりたて特長がある部屋ではありません。食事はレストラン1ヶ所のみですが、リーズナブルな創作料理で評判もいいようです。市内中心部のホテルとしてはかなり外れにありますが、公園散策など都市型リゾートホテルとして活用してもいいかもしれません。
客室 ☆☆☆☆飲食 ☆☆☆ホスピタリティ ☆☆☆★ビジネス ☆☆
その他、中島公園周辺には公共系のホテルライフォートなどがありますが名前の紹介にとどめます。
スペイン文化を活用した街づくり-函館
2005年03月03日掲 載
バル(bar)をご存知であろうか?
スペインやポルトガルなどにある居酒屋兼軽食屋のことで朝早くから夜遅くまで営業している店のことである。スペインではどんな小さな田舎町にも必ずといっていいほどバル(街)があり、地域のコミュニティ・スペースになっている。そんなバル街が函館にある。-といっても3月9日の一晩限り、西部地区がバル街に変わるイベントが行なわれるのである。
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函館市の旧市街地(西部地区)をスペインの飲食店街に見立てて、飲み歩きを楽しむ催し「バル街」の第3回が3月9日に行われる。市電の車内をバーに仕立てた「バル街電車」が登場するほか、老舗レストラン「五島軒」が新たに参加するなど、前回(36軒)を上回る42軒が参加の予定。
実行委員長の深谷宏治さんは「この機会に今まで入ったことのない店に足を運んでみては」と呼び掛けている。バル街は、昨年2月に「2004スペイン料理フォーラムin hakodate」のイベントの一つとして初めて実施。次の開催を望む声が多く寄せられ、実現した第2回には、目標の600人以上を上回る850人以上が足を運んだ。同実行委では、今後年2回の開催を恒例化する考えだ。今回、目玉となるバル街電車には、冷蔵庫やテーブルなどを備えた車両内でバーテンダーがサービスする。午後7時20分から10時まで、電停の谷地頭―函館どつく間を8往復する予定。飲食にはチケットが必要だが、飲み歩きの移動手段に利用する場合はバル街マップの提示で乗車無料となる。
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実行委員長の深谷氏は市内でスペイン料理店「バスク」を経営するオーナーシェフだ。スペイン料理のグルメが集中するバスク地方のサンセバスチャンの三ツ星レストランで修行、故郷の函館へ戻り、北海道はもとより当時、まだ日本で少なかったスペイン料理店をオープンさせた。サンセバスチャンはバスク地方有数の港町であるが、地形や町のつくりなどが函館に似ており、イカやタラが名物といった共通点も多い。現在、深谷氏は国内を代表するスペイン料理人であり、本格派のスペイン料理を求め、地元だけではなく、全国からファンが「バスク」へ来るほと知られた店になっている。
深谷氏は函館の街づくりの一環としてバルイベントを考案した。当初は気乗り薄であった地元も、飲み歩きで夜の旧市街を散策し、函館の魅力を再認識してもらうという狙いを理解し、会を重ねるごとに参加店が増えている。参加店はそれぞれ店自慢のつまみ(ピンチョス)を一品出す仕組みだが、そのあたりも本場志向(?)でなかなかの凝りようである。
函館は繁華街が五稜郭、大門、西部地区などに分散、百貨店の閉鎖などが相次ぎ、中心部のドーナツ化がいわれる中、飲食店も苦戦を強いられている。
街づくりに関しては結束力が弱いといわれる函館であるが、「バル街」は官主導ではない草の根的イベントであり、今後、西部地区以外にも広がりをみせるのか楽しみである。これまでも「飲み歩きツアー」は道内各地で実施されているが、自慢のつまみ(ピンチョス)を出す趣向や今回実施される市電のバル化など他にはないユニークな試みである。なお、チケットは3000円で販売しており、インターネットのバル街公式サイトからも予約できる。 www.bar-gai.com
■連載特集 転換期を迎えるホテルという仕組み 3
全国チェーン展開の宿泊特化型ホテルに対抗し、地域のビジネスホテルも対抗策を打出している。
もともと地域のビジネスホテルは老舗旅館や駅前旅館からの転業組や地元の異業種企業がブームに乗って建てるケースが多かった。
東横インやアパホテル、ルートインなどの攻勢に対抗すべく地域密着型のビジネスホテルは朝食の無料サービス、客室のブロードバンド対応、旅の窓口(現:楽天トラベル)などのインターネット系宿泊予約サイトへの積極的な加盟、自動チェックイン機の導入など対抗策を打出している。しかしながら大量仕入れの全国チェーンと同じようなサービスで競っても勝敗は見えている。たとえばインターネット対応という触れ込みでも実際はダイヤルアップ接続であったり、朝食はバターも付かないロールパン程度のサービスなど大手の物量作戦には太刀打ちできないのが現状である。
道内にはホテルパコチェーンという宿泊特化型のホテルがある。道内のおもな都市に進出し、帯広や旭川などは天然温泉大浴場を完備している。客室には440チャンネルの有線放送や体重計、パターゴルフなどを完備。道内どこのパコチェーンに泊まっても同じサービスが受けられ、2回目からは安くなるのでリピーターが多い。一時は急成長をしたパコチェーンであるが宿泊特化型の全国チェーンの北海道進出により料金面などで劣勢に立たされている。
宿泊特化型ホテルは札幌市内中心部から函館市、旭川市、帯広市など中核都市へ進出し、最近では、北見市や釧路市などにも攻勢ラッシュをかけている。道内のビジネスホテルは観光需要が期待できるが、全国的に知名度が高いホテルの進出は地元ホテルにとって大打撃となる。
今後の展開としてホテルの多様化が予想される。街なかへの進出は土地確保、需要面などから限界がある。同一都市へ何ヶ所も出店することは、知名度を上げ、顧客を囲い込む効果があるが、共倒れのリスクもある。
ルートインのような幹線道路沿いやインターチェンジ近くへ進出する車利用型ホテル、アメリカ型のモーテルを真似たファミリーロッジ旅籠屋のような新しい形態のホテルは、北海道向きであり、今後増えるであろう。
また、旅の疲れを取るために大浴場を併設するホテル(ドーミーインなど)、充実した朝食メニューを売りにするホテル、高速ブロードバンドの無料サービス(すでに常識になってきている)を提供するホテル、シティホテル並みの客室スペースを確保するホテルなどそれぞれが知恵を絞り出すであろう。
現状では地元ビジネスホテルは有効な打開策がない状態である。設備投資にも限界があり、価格競争に参加をしては勝ち目がない。我慢のしどころであるが、画一的なサービスの全国チェーンにはできない、きめ細かいサービス、地元ならではのホスピタリティで活路を見出すなどアイデアややる気が求められる。
シティホテルは、すでにオフシーズンや休日など宿泊特化型ホテルと料金的には変わらない安さで提供しており、ビジネス客の奪い合いが激しくなることが予想される。札幌市内では既にオフシーズン期ではシティホテルでも5~6千円台が常識になってきている。
最後に今後、進出が予想されるのが外資系ホテルのM&Aである。札幌では3店舗あったチサンホテルがローンスターグループのソラーレホテルズに買収された。
ソラーレグループでは客室1万室確保を目指すという。1万室とはプリンスホテル、ワシントンホテル、東急ホテルズ、東横インに次ぐ規模で5番目になる。欧米のホテルは70%以上がチェーンやグループ傘下になっている。これに対し日本のホテルは20%程度であり、今後、ホテルの再編が急速に進むことが予想される。
これまでデフレ経済下、オフィスビルの投資利回りが低下したことから、10~15%の投資利回りが見込め、20~30年の長期にわたり家賃が保証された宿泊特化型ホテルがオフィスビルの代わりに投資対象として選択されていた。ホテルコストが低下し、従業員の雇用が容易で安価であり、予約もエージェントを通さずインターネットを中心に行なうので大幅な利益を出してきた。
しかし、宿泊特化型ホテルも生存競争が激しくなってきており再編も予想される。
札幌のチサンホテルススキノはホテルジェネラス、今はブルーウエーブインと4年間で3回も名前を変え、経営者が変わっている。
宿泊特化型ホテルチェーン、地元資本のビジネスホテル、シティホテル、さらに外資チェーンを巻き込んで暫く群雄割拠の時代が続きそうである。利用者にとっては競争からのボトムアップを期待するのみである。
おわり
