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北海道観光に高級志向到来の予感

2005年11月24日掲 載

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写真:高級志向の北海道ツアーパンフ類
 
株価の上昇などにより、このところバブル時代を彷彿させるような出来事が起きはじめています。
また、ベストセラーになった「下流社会」に代表される社会構造の二極化、「勝ち組」「負け組」といった産業構造の変化は、消費行動にも大きな影響を与えていますが、北海道観光を例にとってもこれまでとは違う流れが出始めています。

バブル崩壊以降の北海道観光は、ツアー料金の激安化、宿泊料金の値下げなど長らくデフレ・スパイラル傾向が続いており、稼動しても儲からない悪循環に陥っていました。
ところがここに来て、安いもの中心から、高価なものにも市場の光が当る動きが出てきています。

これまでも富裕層をターゲットにした高価な旅行ツアーや宿泊施設には、一定の支持がありましたが、最近では富裕・高齢者層だけではなく、幅広い年齢層へ向けた高級志向の商品が登場するようになりました。
バブル期のような、ただ贅沢、豪華にというのではなく、ワンランク上のものを求める、よく商品名に使われる「プレミアム感」があるものに注目が集まっています。

80年代後半のバブル期は、国内よりは海外旅行、ペンションよりはリゾートホテル、ふつうの温泉旅館よりは次の間付きの豪華温泉ホテルといった具合に、これまで体験したことがないような非日常空間の大名旅行に人気が集まりました。
ゴルフ場やスキー場などのリゾート開発に代表される豪華大型施設や、デラックスな内装などハード面に「贅沢」の比重が置かれる傾向がありました。
「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」のチケットが入手困難となり、オリエント急行や国際線のファーストクラス、豪華客船などに代表される桁違いのものが瞬く間にさばけた時代です。

勿論、今でもバブル期のようなスタイルの需要はありますが、全体的には消費者の目が肥えており、お金をかけるところには投資を惜しまないいいもの・ほんもの志向に変化をしてきています。

特にバブル期をナマで体験している団塊層から新人類世代と団塊ジュニアの前世代(1947~1967年頃生まれ 58才から38才ぐらい)は、この傾向が強く、プロ顔負けの知識や、こだわりの旅行スタイルを持っている人が多いのが特長です。

プロの目を持ち、そこそこ所得もある旅なれた彼らを満足させるために旅行会社、宿、交通機関などは新しい商品を開発するようになっていますが、そのキーワードが「プレミアム感」や「プチ贅沢」を意識させるものです。

たとえば旅行商品では、観光ハイヤー、客室露天、冷蔵庫フリー、羽田タクシーチケット、レイトチェックアウトなどを売り物にしたパッケージツアーなどが登場していますが、極端に高い金額設定ではなく、手が届きそうな範囲に収めているのが特長といえます。

宿では、温泉の露天風呂付きの客室も道内でも遅ればせながら増加しており、JRタワーホテルや京王プラザホテル札幌、札幌プリンスホテルタワーなどシティホテルでも客室を癒し空間にするなどして一般客室との差別化に務めています。

輸送機関でも、ANAが導入をした国内線の「プレミアムスーパーシート」が好評です。これまでのスーパーシートをグレードアップさせ、ビジネスクラスに近づけたようなサービス内容ですが、値段が上がったのにも関わらず需要が増えています。
これは、JALがスーパーシートを廃止し、Jシートという千円追加で乗れるプチ贅沢といもいえるプレミアムシートを打ち出しているのとは好対照ですが、両社ともワンランク上の付加価値を狙い、差別化をはかっています。

JR北海道でも冬季限定ですが、JR北海道、東日本エリアのグリーン車が乗り放題でひとり35,000円でお釣がくる「いい夫婦きっぷ」の発売や、新千歳空港のエアポートライナーに500円を追加するとグリーン車並の座席に座れるUシートなどワンクラス上を意識した商品が増えています。

これらの商品・サービスの特長は、既存のリソースを活用しながらワンクラス上を行くことで差別化をはかり、高付加価値で収益アップにむすびつける戦略が伺えます。

ウインザーホテル洞爺が高稼働率を誇っていますが、利用者の多くが中高年富裕者かというとそうでもなく、新人類世代やそれよりも若い層をみかけます。
個人単価が4~5万円というのは、北海道では群を抜いた高額ですが、いいもの、ほんものには出し惜しみをしないニーズがそこにはあり、プチ贅沢志向の代表といえるかもしれません。

今後、バブル期を体験した目が肥え、遊びなれた団塊世代がリタイアすると旅行の需要が高まるだけではなく、より話題性があり、プレミアム感がある旅行・観光の提供が必要になります。
また、新人類世代からさらに若い現在のIT長者にに代表される一部富裕層(団塊ジュニア含)までもが、それらのターゲットに入ります。

旅スタイルは、首都圏発19,800円の格安北海道旅行の需要も続くことが予想されますが、プレミアム型のプチ贅沢旅行の需要がもっと増してゆくでしょう。

「エコノミー」な旅と「高付加価値」による旅の二極化が進んでゆきそうです。

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【観光ミシュラン】北海道遺産を行く その4 函館山砲台

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写真:函館山中腹より市内を見る

世界三大夜景のひとつに数えられ、道内でも有数な観光地の函館山ですが太平洋戦争が終了するまでは、旧海軍の「要塞」として、長く立ち入りが禁じられていました。

今回紹介をする「函館山砲台」は、明治時代から終戦までの間、国家機密であり、ベールに包まれていた場所です。函館山砲台は、津軽要塞地帯の一部であり、下北半島の大間岬から大湊、津軽半島の竜飛岬、渡島半島の汐首岬(戸井)から福山岬(松前町)にかけては、海防の要として要塞に指定されており、写真撮影や訪問が制限されていました。

こういった要塞は全国各地にあり、戦前の地図を見ると三浦半島から房総半島南部にかけての東京湾、紀伊水道、舞鶴湾周辺、広島・呉周辺の瀬戸内、宇和海から豊後水道、関門海峡、長崎・佐世保、壱岐から対馬など軍港や重要な水路を中心に要塞が築かれていました。

函館山砲台は、明治31年から5年の歳月を費やして作られました。日露関係が緊張していた当時、津軽海峡の防衛が急務であり、函館山は、地形が天然の要塞であり、艦船を一望できるので要塞建設には最適な場所でした。

現在、砲台の跡や地下施設、弾薬庫、指令所などが函館山の8合目より上に点在しています。
著者は昨年の10月、タクシーで8合目にある「つつじ山駐車場」まで登りました。そこから散策路を行くと第2砲台があり、口径28センチという巨大な榴弾砲が据付けられた跡があります。
榴弾砲とは、旅順攻撃や203高地の戦闘シーンなどに出てくる巨大な大砲で、これが津軽海峡に睨みを利かせていたようです。

さらに散策路を登り、展望台駐車場の下あたりにはかっての御殿山第1砲台があります。このあたりは観光地なので、要塞があったなどとは想像できず、位置もわかりにくいため見逃してしまいましたが、地下施設なども現存しているようです。

函館山砲台は、想像以上に大きく、今回は一部しか見ていませんが、この他にも多くの施設が眠っています。
施設は、戦後すぐに米軍により爆破・破壊されましたが、今でもその面影を知ることができ、見ごたえがある産業遺産といえます。
函館山に登る修学旅行生にも夜景だけではなく、こちらの方も是非見てもらいたいものです。

函館山砲台は、その存在の割にはほとんど活躍をすることがなかったようです。
津軽海峡の入口の竜飛岬や汐首岬、福山岬に要塞があっとことや、太平洋戦争では既に海上の艦船から潜水艦の時代になっており、存在意義を失い既に過去の遺物になっていたことが、活躍を少なくしたようです。
戦争末期、青函航路を狙った空襲では、大半の連絡船が撃沈されました。
このとき、砲台からの攻撃がなく、それに激怒した青函航路の責任者が、いったい軍は何をやっているのかと旭川にある陸軍司令部へ日本刀を持参し、命賭けの直談判にいったという話を聞いたことがあります。
戦後、函館山が開放されると砲台には木製の大砲が並べられていたという説もありますが、真偽のほどはわかりません。

現在、函館山は観光地という顔のほか、長い間の要塞時代が続いたおかがで手付かずの自然が残り、ハイキング、散策のメッカになっています。

北海道遺産 http://www.hokkaidoisan.org/

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●11月6日~11月20日までの道内ニュースクリッピング

2005年11月23日掲 載

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■1■サロベツなど6湿地 登録へ (11/8朝日)
ラムサール条約の登録湿地を決める締約国会議が8日からアフリカのウガンダで開かれ、道内からサロベツ原野など6カ所の湿地が新たに登録される見通しだ。これで道内の登録湿地は12カ所となる。
道内の新規登録は▽サロベツ原野(豊富町、幌延町)▽雨竜沼湿原(雨竜町)▽涛沸湖(網走市、小清水町)▽野付半島・野付湾(別海町、標津町)▽風蓮湖・春国岱(根室市、別海町)▽阿寒湖(釧路市)。

■2■知床/アライグマ情報に危機感(11/11朝日)
知床の世界自然遺産登録エリアからアライグマとみられる目撃情報が届いた。「遺産エリアへの侵入を水際で阻止」と、環境省が先月20日からエリア内を含めた網走支庁斜里町側で捕獲作戦を始めた矢先の情報。環境省は慎重な態度を見せつつも、「危機感を持って対策に取り組む」と話す。地元からも早急な対応を求める声が上がっている。
地元で自然保護に携わる人からは「アライグマは繁殖力があり、数が増えてからでは遅い。予算も人の手もかけ、手遅れにならないような対策が必要だ」という声が出ている。

■3■エゾシカフォーラム 道主催で初(11/8朝日)
肉などを有効活用しながらエゾシカの保護・管理を考える「エゾシカフォーラム」が7日、道の主催で札幌市で開かれた。食害による農林業被害の増大が深刻化するなか、民間レベルのシンポジウムなどは増えつつあるが、道が催すのは初めて。

■4■道と札幌市、2007年春メドに観光案内所を統合へ(11/9日経)
道と札幌市は2007年春をメドに、JR札幌駅内にそれぞれ開設している観光案内所を統合する方向で検討に入った。12月に開く高橋はるみ知事と上田文雄市長との懇談会で最終決定する。統合により業務を効率化するほか、観光客の利便性向上を狙う。 統合対象は道が北海道観光連盟に運営委託している「北海道観光物産センター」と、札幌市の「さっぽろ観光案内所」。計画では、まず来春から観光物産センターの増築工事を開始し、市の観光案内所の機能をすべて移管する。

■5■釧路支庁、産業遺産を現地調査(11/10釧路新聞)
釧路支庁は9日、地域の観光資源として期待が高まる産業遺産をPRするため、旅行会社を招聘(しょうへい)しての現地調査を初めて行った。同調査は同支庁の独自事業「くしろの産業遺産観光プログラム創造事業」の一環。

■6■スカイマーク 新千歳―羽田 10往復(11/11朝日)
来年4月末に新千歳―羽田線に就航するスカイマークエアラインズは10日、同線を1日10往復に設定する方針を明らかにした。西久保慎一社長が朝日新聞の取材に答えた。
これまで同社は、新千歳―羽田線と福岡―羽田線を10~11往復で調整していた。西久保社長は「9往復だった福岡線を11往復に増便することにした。機材繰り上、新千歳線は減らした」と話した。

■7■高橋北海道知事、大型店の郊外出店「規制へ条例も」(11/11日経)
橋はるみ道知事は10日の記者会見で、大型店舗の郊外出店の規制に向け、条例化を含めて検討する考えを表明した。中心市街地の空洞化に歯止めをかけるのが狙いで、市町村や各地の商工会議所などの意見を踏まえ、立地調整についての方針を今年度内にとりまとめる。同様の規制では、福島県が全国初の条例を制定している。

■8■DMV、導入へ 当面、レール走行のみ(11/11道新) 
JR北海道は十日、線路と道路を走る新型車両DMV(デュアル・モード・ビークル)の導入第一号線区を、日高線や留萌線などのローカル線から選ぶ方針を固めた。二○○七年三月までの営業運転開始を目指す。
旭川や女満別の空港と線路を結ぶルートも候補として検討されたが、特急列車との関係で鉄道信号の運用が複雑になるため、当面は普通列車だけのローカル線の車両とDMVを入れ替えるだけで、道路走行との兼用としない方が導入しやすいと判断した。

■9■羅臼町が10年で歳出10億円削減…自立プラン策定(11/11読売)
根室・羅臼町は10日、今後10年間で、年間約40億円の歳出のうち約10億円を削減する自立プランを発表した。2年間で職員給与の2割カット、議員定数を現行の16から10に削減することなど、大幅な節約計画。中標津町と合併して「東知床市」になる計画が頓挫したあおりで、苦渋の選択となった。

■10■エアトランセ、チャーター便を通年運航(11/11道新)
コミューター航空のエアトランセ(函館)は十日、函館から道内各地に飛ぶチャーター便の通年運航を始めた、と発表した。チャーター料金は、函館-帯広間が片道五十二万五千円。一人当たりの運賃に換算すると、満席でも約二万九千円となり、同区間の通常運賃二万五千円より高い。

■11■異常事態 警戒強める…桧山のヒグマ(11/11函館新聞)
年度、ヒグマの捕獲・目撃が過去最多となっている檜山管内では、市街地や国道沿線でのヒグマの出没が相次いでいる。9日夜には乙部町の市街地でヒグマが出没する騒ぎがあり、管内各町で警戒を強めている。
桧山支庁によると10日現在、管内では88頭(ほか1頭が狩猟で捕獲、1頭が事故死)のヒグマを捕獲。目撃情報は約360件に上る。同支庁はヒグマの捕獲・出没情報を随時、ホームページで提供している。

■12■DMVが試験中に脱線、積雪に乗り上げ?(11/15読売)
14日午後11時50分ごろ、北海道月形町、JR学園都市線・石狩月形~豊ヶ岡間の中厚軽臼内踏切内で、線路と道路を走れる「デュアル・モード・ビークル(DMV)」(2両編成)が脱線した。乗務員、試験担当者計10人にけがはなかった。
DMVは、JR北海道が来年度中の実用化を目指して9月から連結車両型走行試験中で、脱線したのは初めて。事故当時、踏切内に約10センチの積雪があり、同社は、雪に乗り上げたとみて調べている。

■13■北大院に「観光専攻」07年春(11/15朝日)
北大は、観光分野の専門知識を持った人材を育成するため、07年4月をめどに大学院国際広報メディア研究科に「観光専攻」を設置することを明らかにした。これに先駆け来年4月をめどに、学内外から専門家を招き「観光学高等研究センター(仮称)」を設ける。

■14■阿寒湖に通訳団体 地元NPO(11/16道新)
釧路市阿寒町の特定非営利活動法人(NPO法人)阿寒観光協会まちづくり推進機構は、外国人観光客への対応力を高めるため、地元在住の外国人や外国語のできる有志による通訳ボランティア団体をこのほど設立し、来春までに電話対応窓口を設置する。道によると、観光地単位でのこうした取り組みは道内で初めて。

■15■丘珠-紋別便が終了、採算ライン下回る(11/16道新)
北海道エアシステム(HAC、千歳)が季節便として七月四日に就航させた丘珠-紋別線の運航が十五日終了した。延べ搭乗者数は二千七百四十五人平均搭乗率は採算ラインとされる70%を大きく下回る38・51%だった。再開の日程は未定。

■16■「観光マスター」創設 来年夏に第1回検定試験 (11/18道新) 
北海道商工会議所連合会(道商連)は十七日、北海道の歴史や文化、観光資源について、幅広い知識を持つ人材を認定する北海道観光マスター検定検定制度を二○○六年度に創設する方針を決めた。北海道を訪れる観光客に対する案内役の育成、もてなしの質を向上させる狙い。観光ガイドに関する全道にまたがる認定制度は初めて。

■17■2泊目の夕食は別のホテルで 定山渓(11/19道新) 
定山渓観光協会と定山渓温泉旅館組合は二十三日から、連泊して湯めぐりを楽しむ特別プランを行う。「連泊すると食事に飽きる」「違う味を楽しみたい」という宿泊客の声に応え、二日目の昼食は温泉街の飲食店で、さらに夕食は他のホテルの味を楽しむユニークな企画。各ホテルが協力し、地域全体で宿泊客を受け入れる。

■18■冬の牧場でキャンプ(11/20十勝毎日)
不登校児童らの居場所づくりなどの活動を行っているNPO法人インフォメーションセンター(埼玉県、寄田勝彦代表理事)の道支店(清水町)が、十勝千年の森(ランラン・ファーム)の協力で、来年2月3日から12日まで「冬の牧場暮らしキャンプ」を実施する。十勝千年の森内にある同支店の牧場などを利用、厳寒の中で馬など生き物との触れ合いを通じ、子供らに命の尊さを伝えていく珍しい取り組みだ。

■19■元青函連絡船 大雪丸、お別れパーティー(11/18毎日) 
青函連絡船「2代目大雪丸」として活躍し、現在は長崎港でホテルとして活用されている「ホテルシップ ヴィクトリア」で12月17日、「さよなら シップヴィクトリア 船上ダンスパーティー」が開かれる。運営会社「ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ」がツアー客を募集している。
 
■20■美瑛、知床… 道内映像500円シリーズに(11/20道新) 
北海道の自然や人々の営み、食文化などを映像商品にと、映像制作のデジタルコンテンツ社(江別)が「映像大陸北海道」と題して、一枚五百円の「ワンコインDVD」の制作、販売を始めた。全道五百シリーズを目標に十月中旬以来、月二枚を目標にスタート。十八日には本格展開を目指して第三弾「知床~冬の使者・流氷」を発売した。

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「免疫力」 上士幌町のイムノ・リゾート構想 

2005年11月09日掲 載

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最近、観光と健康をコラボレーションしたプロジェクトが各地に誕生しています。
温泉療養や森林浴などが代表的なプログラムですが、北海道・上士幌町では、「健康・環境・観光」の「新3K」をキーワードとした「イムノリゾート構想」を掲げています。

イムノ(IMMUNO)とは聞き慣れない名称ですが、免疫学の「immunology」から取った名称です。「イムノリゾート」は、偏った免疫バランスによって発症するとされるアレルギー性疾患、特に花粉症の原因とされるスギ花粉の無い環境で暮らすことで免疫バランスを是正し、健康生活を送るという意味をこめた造語です。
これまで温泉病院や健康志向が高い宿など施設単位で療養プログラムを提供する事例はありましたが、「イムノリゾート」構想では、町全体の豊富な地域資源を活かした健康と癒しの観光プログラムを開発するとともに、その効果を科学的に検証しながら、各々の地域資源について付加価値を高め、都市と農村の共生と交流による地域活性化を図ろうというものです。
「産・学・官」が協働し、プロジェクト体制を組んでいるのが特長であり、プロジェクトには加森観光、JTB、北海道大学遺伝子病制御研究所などが参加しています。

「イムノリゾート」構想では、上士幌の豊かな環境資源と十勝の食を活用することにより、ストレスを軽減し、心身のバランスを整え、免疫バランスを是正することで健全になることを目標としてます。
先月の23日には森林浴による健康・癒し効果を測定するため「イムノヒーリング実証実験・モニターツアー」が北海道自然歩道「東大雪の道」で行われました。首都圏在住者らに森林浴を体験してもらい、参加者の血液・唾液を採取し、医学的データを取るものですが、免疫学の見地からどういった興味深い相関が得られるか楽しみです。

現在、「イムノリゾート」構想は、上士幌町の重点施策として位置づけられています。ターゲットは当然、都市部住民であり、道が推進している体験・滞在型観光に、「健康日本21」で示されている「地域の健康づくりとまちづくり」を融合させたような複合型プロジェクトともいえます。

上士幌町には、糠平温泉や日本一広いといわれているナイタイ高原牧場などがあります。著者は糠平温泉の再生計画に興味があり、何度か現地を訪問し、宿屋のオーナーなどからも話を聞いています。これまで、糠平温泉は歓楽的とも療養型ともいえない魅力に乏しい温泉地でした。宿泊施設も中規模で老朽化しており、団体客、個人客の両方から敬遠され、温泉街は存亡の危機に立っていました。
バラバラであった温泉街は、一致団結し、自然環境を活かしたプログラムの導入や温泉街への植林、個人客ニーズを取り込んだやさしい施設への改造など環境面を重視したエコ志向の温泉街再生に取組んできました。

最近では、糠平湖にある旧国鉄士幌線のコンクリートアーチ橋梁群が北海道遺産に指定され、温泉街への客足も戻りはじめています。しかし、温泉街の裏手にあるコクド系の糠平温泉スキー場に廃止の噂が
あり、既存の資源に頼っていられないのが現状のようです。

「イムノリゾート」構想の中心となるのは糠平温泉であり、また、その周辺の自然環境であります。そういった意味では糠平温泉の役割は大変重要です。

プロジェクトでは上士幌の環境資源、食を活用することにより、心身のバランスを整え、ストレスを軽減し、免疫バランスを是正し、健全にするのが目標です。

過去に事例がないプロジェクトのため進捗を見守りたいところですが健康と環境をキーワードにした観光活性は地域活性化につながるだけでなく、国民全体の健康増進にもつながるので先進例として注目です。こういったヘルス・リゾートは今後増えていくことが予想されます。

参考までに道東の川湯温泉では温泉療養による糖尿病治療や温泉周辺のマイナスイオンの測定などを行い、療養・滞在型の温泉地を目指している事例があります。

なお、健康と観光を考える「スギ花粉リトリートツアーの可能性について」のシンポジウムが11日東京のJTB本社で開催されます。詳しくは下記URLをご覧下さい。
http://www.kamishihoro.jp/kikaku/immuno/gyouji/20051111simpoannnai.html

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【観光ミシュラン】北海道遺産を行く その3 稚内港北防波堤ドーム  ('92,'93,'99,'02訪問)

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今回は最北端・稚内の遺産「稚内港北防波堤ドーム」を紹介します。

稚内港北防波堤ドームは、稚内駅から歩いてすぐ、稚内港にあるシンボル的な建造物です。稚内を訪れたことがある方なら、多分一度は見ていると思います。

稚内は1年を通して風が強いところです。著者も3年前の12月に稚内を訪れましたが、東京便の飛行機が強風で二日連続欠航した痛い記憶があります。利札航路フェリーも欠航が多く、気候の厳しさが伺えます。

戦前、ここには稚内と樺太(サハリン)を結ぶ鉄道省の連絡船である稚泊航路(稚内-大泊(現・コルサコフ))がありました。その航路の出発点にあったのが、今回紹介をする稚内港北防波堤ドームです。
稚泊航路は、167kmの海上を夏は8時間、冬は約9時間を要し、暴風、濃霧、海氷、流氷などに悪戦苦闘をしながら航行していました。当時の稚内桟橋の防波堤は高さ5.5mしかなく、時化の日には波が簡単に乗り越え、乗船客が海に転落するという事故も発生していました。

そこで強風と高波を克服するため1931年から1936年までまで5年の歳月をかけ、北防波堤ドームが作られました。
ドームは高さ13.2m、総延長427m、柱の数は70本あるローマ建築のような建造物です。前知識なしにここを訪れた時は、存在意味がわからず、その威容に驚かされた記憶があります。
前々号で紹介をした戸井のアーチ橋もほぼ同時期に作られたものですが,当時、ローマ建築のような建造物が道内各地に作られたのが偶然なのかはたまた理由があるのか興味があるところです。

1938年には線路が稚内駅からドームの内部にまで延長され、稚内桟橋駅が誕生しています。ドーム内部に2階建ての駅舎が出来たため、列車を降りた乗客は雨に濡れずそのままタラップで乗船できるよになりました。当時は稚泊航路に接続する形で列車ダイヤが組まれており、函館-稚内桟橋間を19時間近くかけて結んでいます。寝台車と食堂車が連結されており、優等列車であることが伺えます。

終戦とともに稚泊航路は閉鎖され、稚内桟橋駅も廃止になりました。現在、桟橋駅があった付近にはSLのC55が保存されているので目印になるかと思います。

その後、ドームは半世紀を経て老朽化が著しかったため、全面的に改修工事が行われ、昭和55年にその独特の景観がよみがえっています。また、途絶えて久しかった稚泊航路は6年前から東日本海フェリーによって定期航路として復活しています。

ドーム手前の護岸は「しおさいプロムナード」という散歩道になっており、港の景色を楽しみながらドームを訪れることができます。
著者が2002年の12月にに訪れた時、宿泊した稚内全日空ホテルからドームの全容が見下せました。
強風と高波、グレーの空を眺めながら暫く、ぼんやりと過した記憶があります。
久しぶりに訪れてみたい所です。

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●10月23日~11月5日までの道内ニュースクリッピング

2005年11月07日掲 載

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■1■タンチョウの飛来続々(10/23釧路新聞)
冬到来を告げる国の特別天然記念物タンチョウが10月初めから、鶴居村や釧路市阿寒町などの市街地周辺に続々飛来している。「たんちょう舞ろーど」の愛称がある道道釧路鶴居弟子屈線の沿道からは、刈り取り後のデントコーン畑で落ち穂を求めるタンチョウの様子が見られ、観光客らの目を楽しませている。

■2■入園者数最多を連続更新/旭山動物園(10/24朝日)
旭川市の旭山動物園が23日、夏季の開園を終えた。4月からの入園者数は167万5435人で、過去最多だった昨年度の122万5931人を45万人近く上回った。最多記録の更新は4年連続。
昨年度は全体の1割ほどだった道外客が、今年度は2~3割に増加した。同園は「旭山動物園のよさが全国に広がったため」と話している。特に今年は、7月からの月間入園者数が3カ月連続で上野動物園を抜き「日本一」になるなど好調が続いた。
冬季は、夏季の入園者数が多かったことから、例年より1日前倒しの11月2日に開園。2日は無料で開放する。また、今年は年末年始を除き無休、開園時間も2時間延長して午前10時半~午後3時半とする。

■3■丸井今井小樽、苫小牧店が閉店(10/24道新)
大手百貨店伊勢丹(東京)の支援による抜本再建を目指す丸井今井は二十三日、不採算が続く小樽、苫小牧両店を閉じた。営業店舗の完全閉鎖は同社百三十三年の歴史で初めて。両店合わせて約二万五千人が買い物に訪れ、別れを惜しんだ。

■4■大門横丁オープン、開店前から長蛇の列(10/24函館新聞)
函館市の新名所として注目を集める屋台村「大門横丁」が23日、松風町7にオープンした。開店前から大勢の来場者が周辺を取り囲むように長蛇の列をつくり、早速、各店自慢の一品に舌鼓を打っていた。

■5■大型滑り台ピンチ/雪まつり さとらんど(10/25朝日)
来年のさっぽろ雪まつりから真駒内会場の後を引き継ぐ「サッポロさとらんど」会場に、いまのところメーンスポンサーが見つからず、大規模な雪像や滑り台を作るのが難しい状況になっている。開催実績がないことから企業は模様眺めで、市の担当者は「盛況に終わらせて、再来年につなげるしかなさそうだ」と半ばあきらめ顔だ。

■6■函館空港ターミナルに地元菓子店が交代で出店(10/25函館新聞)
お帰りには、地元のお菓子を―。函館空港国内線旅客ターミナルビル2階売店のテナントに、函館の菓子店が交代で出店を始めた。道内大手の菓子メーカーが圧倒的シェアを誇る中、地場の名店の評判を高めようと、地道な戦いが続いている。

■7■ロイズ、札幌に最大の直営店を来月開店(10/26道新)
道内菓子製造大手のロイズコンフェクト(札幌)は十一月二十七日、札幌市北区に同社最大の直営店「あいの里公園店」(あいの里三の九)を開店する。 店舗面積は平屋建て約六百六十平方メートル。「生チョコ」などのチョコレートに加え、クッキー、ケーキなどの菓子類のほか、パンやソフトクリームなど同社が販売する百種類以上の商品のほとんどを取り扱い、「ロイズの世界を楽しんでもらえる」という。四十席の喫茶室も設ける。

■8■アジア観光客誘致へ協議会発足(10/26日経)
 JR北海道や北海道銀行など道内16社・団体はアジアからの観光客誘致を強化するため「観光情報ビジネス協議会」を発足した。まず年内に道内の観光情報をアジア客向けに一括して提供するホームページ(HP)を開設。新千歳空港に案内拠点を新設することも検討する。現地の旅行会社などを通じて道観光をPRし、団体客に加え個人客の誘致につなげる。 同協議会は、システム開発のアートシステム(札幌市、森本元義社長)の呼び掛けで設立。

■9■知床、観光客13%増 (10/28朝日)
世界自然遺産に7月に登録された北海道・知床への観光客が、登録後の7~9月は前年同期比で13%増となったことがわかった。世界遺産効果とみられる。知床半島は斜里町と羅臼町にまたがる。両町の観光客は、今年1~6月は64万人で前年同期と同じ。7~9月は142万人と、前年同期比で12・9%、16万3千人増となった。1~9月の累計でも同8・5%増の206万人となった。

■10■時計台観光、居酒屋を全国展開(10/28日経)
ラーメンチェーン「味の時計台」を運営する時計台観光は居酒屋の全国展開に乗り出す。来月1日に札幌市内で1号店をオープンし、年内に同市内で直営店を計四店出店する。来年からはフランチャイズチェーン(FC)店を展開し、首都圏や関西圏を中心に年間10店程度の出店を目指す。 新店は「居酒や 北の最果て 知床番屋」で、同社の本社に隣接して開店する。

■11■旧拓銀本店、高層オフィスビルに(10/29道新) 
北洋銀行は二十八日までに、所有する旧拓銀本店の北洋大通支店ビル(札幌市中央区大通西三)を、地下二階地上十五-二十階建ての大型オフィスビルに建て替える方針を固めた。コンサルティング会社と近く契約、設計など具体的な作業に入り、大通と札幌駅前通に面する一等地に、道内経済界を代表する新しい拠点を建設する。総工費は百五十億-百八十億円に達する見通しで、早ければ二〇○六年度中に着工し、○九年度中の完成を目指す。

■12■伊達市PR大作戦 「北の湘南」物件格安(11/1朝日)
「北の湘南」と呼ばれ、高齢者に人気の伊達市はこれから大量に退職する団塊の世代に的を絞った移住促進活動を展開している。第1弾として、全国で移住や長期滞在を希望している人たちに、伊達の街をよく知ってもらおうと気候や文化、暮らしを紹介したパンフレットを作った。東京の北海道移住センターなどで配布している。

■13■ニセコ・ひらふ 地価急上昇(11/1朝日)
後志支庁倶知安町ひらふ地区の地価が急上昇し「ミニバブル」の様相だ。年々増え続けるオーストラリア人スキー客らをあてこんだ分譲マンション(コンドミニアム)などの建設ラッシュが背景にある。中には3・3平方メートル当たり約30万円で取引が成立した土地もあり、不動産業者を驚かせている。同地区の関係者によると、スキー場近くの地区内の地価は以前は3・3平方メートル当たり2万~10万円程度だった。場所にもよるが、現在は2~3倍になっているという。

■14■JR北海道の9月中間、連結最終赤字24億円(11/1日経)
JR北海道が31日発表した2005年9月中間期の連結決算は、最終損益が24億円の赤字(前年同期は29億円の黒字)になった。減損会計の導入で、旭川ターミナルビルの評価損など計56億円の特別損失を計上したのが響いた。赤字は中間決算の公表を始めた2000年9月中間期以来初めて。

■15■スカイマークエアラインズ、格安の1万6000円(11/2毎日)
来春から新千歳-羽田線に参入するスカイマークエアラインズが2日、同路線の片道運賃を既存3社より格安の1万6000円に設定すると発表した。
同路線の普通運賃はJALとANAが2万8700円、エア・ドゥが2万3400円。スカイ社は機内サービスなどを廃止するか有料化する。「ローコストの一つの選択肢を提案したい。最も安い普通運賃で多くの人に利用してほしい」と話している。エア・ドゥが早期割引で1万円の運賃を設定していることに対抗し、1便10席程度限定のバーゲン運賃5000円も検討している。

■16■旭山動物園、冬期開園(11/3毎日)
旭川市の旭山動物園が3日、冬期開園する。期間は4月9日まで。昨冬まで休園していた水、木曜日も平常通り開園し、サービスの充実を図る。5、12日には普段は見られない寝室などを訪れる「動物園の裏側探検」の催しを予定している。
開園時間はこれまでの3時間(午前11時~午後2時)を5時間(午前10時半~午後3時半)に延長する。冬期間は「チンパンジーの森」工事のため、クモザルとカピバラ館は公開しない。鳥類の「ととりの村」や総合サル舎も寒さのため、閉鎖する。

■17■野生動物とどう付き合う…渡島支庁 プロジェクト(11/4函館新聞)
 渡島半島の野生動物にかかわる諸問題の改善に向け、渡島支庁は4日、「北海道らしい野生動物とのつき合い方・プロジェクトチーム(PT)」を発足させる。官民の間でとらえ方に隔たりのある野生動物について、共通認識を築く議論の場で、有識者、市町、環境保護団体、道民ら11人が参加。本年度内に提言をまとめ、道知事に報告する。

■18■リフト券、電子マネーに,ニセコの3スキー場で研究(11/5道新)
「リフト券を財布代わりに」-北海道運輸局が主催するニセコ・羊蹄リゾート交通検討委は四日までに、後志管内ニセコ地域の三スキー場が発行する共通ICカードリフト券に、電子マネー機能を盛り込む研究を始めた。共通券はニセコを訪れるスキーヤーの大半が購入しており、「飲食店やコンビニでも利用したい」との要望に応えて、実用化の方策を探る。実現すれば、急増するオーストラリア人スキーヤーにも喜ばれそうだ。

■19■下見ツアーで旭川の冬体験を 移住支援団体が募集(11/5道新) 
団塊世代の旭川圏域への移住誘致を狙う「カムイミンタラの伝道師」は冬季下見ツアーを募集している。移住を判断するに当たり、冬の北海道の気候、暮らしを知ってもらう狙い。 東京-旭川往復で、来年一月十日出発から二月二十三日出発まで十四グループを設定。旭川市と近郊の町を観光タクシーで回り、本州からの移住者の体験談を聞いたり、除雪や冬道運転、スノーモービルなどを体験してもらう。

■20■沿岸バスがチョロQ販売(11/5留萌新聞)
沿岸バス株式会社(本社・羽幌町)が13年、14年に発売して人気を呼んだオリジナルミニバスモデル「チョロQ」が今年も「増毛チョロQ」版として7日から同社の本社やターミナル、各営業所で販売されることになった。同社では窓口販売2,000個、往復はがきによる通信販売分4,000個を用意。窓口は留萌駅前、羽幌ターミナル、本社ターミナル遠別、幌延豊富の各営業所で販売する。価格は1個税込みで800円。問い合わせは、沿岸バス羽幌営業所=電話0164(62)1550番=。

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ある百貨店の「復活」から 

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長野県の上諏訪駅前に「まるみつ百貨店」があります。
以前は「丸光」といわれいた諏訪地方唯一のデパートでしたが、昨年倒産の危機に陥り、再建が危ぶまれていました。しかし、「駅前の灯を消すわけにはいかない」が合言葉となり、先月5日に再オープンにいたりました。
倒産危機に伴う会社更生法の申請から1年3カ月。当日は再生を果たしたかっての名門を一目見ようと、多くの買い物客が詰めかけました。

著者は「まるみつ百貨店」に特別な思いがあります。著者の祖父母は諏訪市出身、その関係で幼少の頃から頻繁に諏訪を訪れていました。田舎がなかった関係で、年に数回は諏訪を訪れていましたが、子供心にも印象的なのが「丸光」デパートです。
創業は40年前ですが、オープンした当初は地元に百貨店ができたということでお祭り騒ぎ、著者がうる覚えですが、まだその余韻が記憶に残っています。
5階の食堂やおもちゃ売り場へ行くのが楽しみでしたが、おもちゃ売り場の脇には日本で唯一のデパートの中の温泉、「丸光温泉」がありました。
諏訪は国内でも有数の湧出量がある温泉地ですが、百貨店の中に温泉が引かれているというのは古今問わず画期的といってよいでしょう。

「丸光」は地域のランドマークであり、一番店でしたが、1980年代に入ると翳りがみえてきました。それまで駅前を発着していた路線バスがモータリゼーション化により減便や廃止が続き、地元客や観光客の流れが変わってきました。
同時期に中央高速道路が完成し、インターチェンジの近くにバイパスが通り、次第にファミレスや大型店舗ができるようになりました。買い物客も郊外へ移動がはじまり、駅前中心街の衰退が目立ってきまた。
「丸光」は閑散化し、訪れる度に寂れ方が増して行きました。それと共に駅前商店街もシャッターを降ろしている店舗が増えて行った記憶があります。

2004年4月、「丸光が自己破産を検討している」という報道がなされました。これに対し丸光幹部はセイコーエプソンの創業者長男である山崎壮一氏に再建を依頼しました。
山崎氏は市の課題だった市街地あった東洋バルヴの跡地利用や中心市街地の活性化などに取り組んでいました。そんな山崎氏にとって丸光倒産は座視できない問題でした。
当時、丸光の売上げは年間、30億円程度、諏訪地方の商圏から考えるとかなり少ない売上げで、潜在的には、一つの百貨店で年間売り上げ100億円が見込めることが流通コンサルタントに調査を依頼するとわかりました。
また、周辺の茅野市や岡谷市の大型スーパーが相次いで閉店しており、これ以上「駅前の灯を消すわけにはいかない」と再建のスポンサーを引き受けることになりました。
山崎氏は決断により、丸光は自己破産を免れた04年6月29日、会社更生法を申請、山崎さんが再建に投じた私財は、約2億円といわれています。

丸光あらため「まるみつ百貨店」オープンには雨にも関わらず開店前から数百人の人が並びました。店内は大改装され、一時閉鎖されていた「丸光温泉」も「まるみつ温泉・なごみの湯」としてリラクスゼーション施設を兼ね備えた施設へうまれ変わりました。
今後、名門復活となるかまだ未知数ですが、土台が出来上がったことだけは間違いありません。

今回、丸光の話を取上げたのは、丸井今井の再建に伴う店舗の閉鎖発表があったことや、札幌中心街にあった丸善書店の苗穂のモールへの移転など当メルマガやHPで取上げている「中心街の空洞化」に対し、一石を投じることができればと思い書きました。
勿論、置かれている状況が諏訪と北海道各都市とでは違います。
丸光の例は、スポンサーがいたことや地域の丸光への愛着、債権者の理解など好条件が再建へ結びついたといえます。
しかし、地域の人々がいかに本気になって「中心街の空洞化」を意識することができるのか、地域一番店(なじみの店)が無くなることがどういう意味を成すのか、今一度、真剣に考えるべきであると思います。

鉄道利用が減り、駅前は閑散とし、百貨店はなくなり、書店も消え、幹線道路沿いには全国画一的な大型店舗が集まり、マイカーで用を済ます・・・こういった「ファースト風土化」の負の部分にもっと気づくべきでしょう。想像以上に駅前や中心街を失ったリスクは大きいはずです。
後で気づいても遅いのです。

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スカイマークが札幌・東京線に参入する意味

2005年11月01日掲 載

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来春からスカイマークエアラインズが世界一の旅客数を誇る新千歳-羽田線へ参入することになりました。現在のJAL,ANA,エア・ドゥに加え4社体制になることで競争が激化しそうです。

スカイマークエアラインズ(以下スカイマーク)は航空業界の規制緩和により、格安旅行会社のエイチ・アイ・エスの澤田秀雄氏らの出資により1996年に設立されました。
1998年9月から羽田-福岡線を就航、同時期に産声をあげたエア・ドゥ(北海道国際航空)とともに35年ぶりに航空業界に新規参入した会社として知られています。
現在は路線を拡大し、羽田-福岡線のほか羽田と鹿児島、関西、徳島を結ぶ4路線を運航しています。

来春から新千歳線への参入を発表したスカイマークですが、北海道への乗り入れは今回がはじめてではありません。1999年4月には伊丹-新千歳線を就航させていますが、2000年の6月には業績不振により、早々と撤退をしています。伊丹-新千歳線に限らず、新規路線の就航と撤退を繰り返しているのが
スカイマークの特長ともいえます。下記はスカイマークの路線沿革です。

路線の沿革 

1998年9月19日 - 羽田~福岡線就航
1999年4月24日 - 伊丹~福岡、伊丹~千歳線就航 (2000年6月廃止)
2000年5月31日 - 東証マザーズ上場
2000年9月 - ANAに委託していた航空機の整備を自社で行うようになる
2002年4月18日 - 羽田~鹿児島線就航
2003年4月25日 - 羽田~徳島線
2003年4月25日 -羽田~青森線就航 (青森線は2003年11月廃止)
2005年3月 - 羽田~関西線就航
2005年4月 - 日本航空ジャパンとのコードシェア便運行を開始(羽田-関西)
2005年7月1日 - 羽田~沖縄(那覇)に深夜便を運航(2005年9月まで)
2005年10月12日 - 羽田~新千歳線に2006年4月に参入すると発表。
同時に羽田~関西空港、羽田~徳島線、及び羽田~鹿児島間を廃止決定

*『ウィキペディア(Wikipedia)』参照

上記、路線の沿革をみていただければおわかりだと思いますが、早いものでは羽田-青森線のように数ヶ月で廃止した路線もあります。また、来春の新千歳線就航と同時期に羽田~関西空港、羽田~徳島線、及び羽田~鹿児島間を全便廃止決定することを発表しており、ベンチャー系企業ならではのフットワークのよさが伺えます。
勿論、こうした”変わり身”の早さに批判の声もあり、利益重視のために就航と撤退を繰り返す体質に対し、鹿児島県知事などから”絶縁宣言”なども飛び出しています。

スカイマークの羽田-新千歳線の就航発表は、羽田の発着枠が広がる2009年からの参入を、関係者は予想していたようなので、今回のタイミングには驚いたようです。
スカイマーク側は今年に入り、エア・ドゥに対し経営統合の話を持ちかけています。エア・ドゥ側はこれを拒否しましたが、このあたりが今回の参入につながっていると思われます。

そのエア・ドゥですが、現在、新千歳―羽田の普通運賃が片道2万3千円と既存3社で最も安い金額を打ち出しています。しかし、1998年の就航当初は今より安い価格破壊に近いような運賃を打ち出しましたが、当時の大手3社による割引運賃の導入で価格優位性が薄れたうえ、初期投資や日本航空に支払っていた整備委託費などが経営を圧迫しました。
まもなく経営破たんに陥いり、その後、迷走を続けた経緯については皆さんよくご存知かと思うので説明は省かしていただきます。

現在は民事再生計画中であり、全日本が整備、販売システム提供を支援しています。すべての便をANAとの共同運航(コードシェア)便にすることで一定の座席販売を肩代わりしてもらい搭乗率アップを図っています。
路線も暫くの間は羽田-新千歳の一区間のみでしたが、最近では羽田-旭川、羽田-函館を就航、2006年に2月からは羽田-女満別線の開設を予定しており「道民の翼」のキャッチフレーズ通り、路線拡大をしています。しかしながら経営形態が当初の理念とはだいぶ違った形になってしまい失望している道民も多いと思われます。

スカイマークとエア・ドゥは同時期に誕生、互いにベンチャー系企業でありましたが、その後、歩んできた道は異なりました。数々の「規制」のなかで苦戦していることは共通であり、その後誕生した新規航空会社も同じような「試練」を味わっています。
今回、スカイマークは普通運賃18,000円という破格値を打ち出しています。既存の3社にとっては大変脅威の金額です。また、運賃だけではなく、一日10~11往復を予定しているのも日本航空と全日空の大手2社へ影響を与えそうです。
しかし、就航までにはクリアすべき問題があります。まず、新千歳空港の発着枠の問題があり、フリークエンシーなサービスが提供できるのか、また、空港内のカウンターも新たに設置するのか、借りるのかも問題になっています。

スカイマークでは来春から就航を予定していた羽田-北九州線が空港カウンターなどがスターフライヤーとJALを前提にターミナルの設備設置を進めているために設置が難しくなり、就航を断念するのではないかといわれています。
また、羽田-新千歳線は利用者が伸び悩んでおり、02年の年間利用者986万人をピークに、04年は951万人にまで減っており、決してドル箱とはいえなくなってきています。

日本では羽田空港の発着枠を獲得することがかなり経営に左右するといわれています。エア・ドゥにしても道内-羽田線に集中しており、羽田以外に道外へフライトしたことはありません。JALとANAがそのほとんどを保有している現状では、新規参入がかなり難しい現状をいろいろな点から指摘されております。

就航と撤退を頻繁に繰り返すスカイマークの経営戦略そのものに不信感をもつ声があるのも事実ですが、もっと開かれた空にしないと新規航空会社が育たないのも事実です。
フェアで、安全な空を期待しています。

*追記
その後、スカイマークの新運賃は18,000円ではなく、16,000円になりそうであると朝日新聞に掲載されていました。まだ、正式な発表はされてはいません。

11/1、正式に運賃の発表がありました。驚きの16,000円です。
■関連資料
スカイマークエアラインズ http://www.skymark.co.jp/

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