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一見豪華主義、マダムは大満足の「ホテルラビスタ函館」

2008年06月01日掲 載

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函館市内はホテルの新設ラッシュとなっているが、この4月にベイエリア・旧安田倉庫跡にできた「ホテルラビスタ函館」に宿泊した。

立地は金森倉庫群の一角にあり、観光利用としては最高の場所。函館駅からは中途半端な距離で、歩くと12,3分かかる。函館のタクシーは近場を告げると途端に態度が悪くなるので、気を遣ってしまう。

ホテル自体はロビーに入るなり、落ち着いたかんじでなかなかゴージャス。客室はダブル(実際のシングル)予約だったが、ツインルームに通された。写真を見ていただければわかるが、今どきのホテルのつくりであり、痒いところにも目が届く、女性が喜びそうなホテルだ。

最上階には天然温泉があるが、函館市内のホテルのスパの中ではいちばん設備が充実しており、スパからは函館港から函館山が一望できて爽快だ。泉質は市内中心部特有の塩泉の鉄鉱泉である。ちなみに客室にはバスがなく、独立したシャワーブースが設置されている。

最近、中心部に新設されたホテルの温泉掘削が相次いでいるが、こんなに掘って大丈夫であろうか。湯の川は湧出量が落ちており、心配になってくる。

ホテルラビスタ函館は、ドーミーインチェーンが運営するワンランク上のシティ&リゾートホテルである。道内では函館の他に釧路にあるが、以前宿泊した「ラビスタ釧路川」と内容はよく似ている。朝食、客室備品、スパなどが充実しているのが特徴だが、ホテル全体のコンセプトが女性客を意識している。全体的には”一見”豪華主義だ。しかし、ホテルスタッフの対応などは、宿泊特化型ホテルありがちなぎこちなさが目立つ。

函館市内のシティホテルの中ではもっとも高い料金設定となっており、この料金と内容なら当分、集客の方は大丈夫であろう。
それにしても函館市中心部には、この2,3年で全国チェーンの宿泊特化型ホテルが急増した。その煽りを食ってか廃業も相次いである。松風町に古くからあったリッチホテル(極楽とんぼの山本がトラブルを起こしたホテル)も閉鎖されていた。地場ホテルの苦戦は続く。

5月24日宿泊 シングルルーム(ツインへ変更)9,000円(朝食付き)

【参考】ホテルラビスタ函館の公式HP

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外湯・客舎文化の伝統が残る温泉街 青森・温湯温泉「飯塚旅館」

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最近では殆ど姿を消した外湯に通い療養滞在する温泉文化。宿には内湯がない。かつて城崎もそうであったが、客の要望には勝てず、湧出量は少ないなか、各旅館に引湯されている。現在、辛うじて外湯文化が残っているのは、山口県の俵山温泉と今回紹介する青森県・黒石市の温湯温泉ぐらいではないであろうか。

黒石市の郊外には、板留・落合・温湯の3湯が温泉郷を形成しているが、相当に鄙び具合が進んでいる。3ヶ所の中ではいちばん大きい温湯温泉には、古い木造宿が並んでおり、ライフワークにしている古温泉宿探訪のひとつてして訪れた。

温湯温泉の宿には、「客舎」と看板が出たものが多い。客舎とは湯治を中心に長期滞在する宿のことで、内湯がない。多分、青森の温泉独特の言い方だと思うが、現在ではこの温湯のほか、大鰐温泉に僅かに残っている程度である。

今回、お世話になった飯塚旅館は、「客舎」ではなく、内湯がある”温泉旅館”ある。宿の前に立派な公衆浴場があるが、3,4年前に立て替えられたのを契機に、内湯を増設したという。檜風呂にビバづくりの高い天井、目の前には川が流れ、なかなか快適だ。

大正初年に建てられた木造建築の旅館だが、古いながらも清掃は行き届いている。客室にある鶴の額絵と壷はかなり年季が入っている。女将さんが挨拶に来るなり、「家は座敷わらじが出るんですよ」と言い出した。管理人は他人事のようにホォーと笑ったが、いきなり何を言うんだと思い、不安になってきた。座敷わらじは南部地方の伝説、ここは津軽だから存在しないと言い聞かせた。女将は「お客さんは見るというのですが、うちら家族は誰一人見たことがありませんと」言った。

夕食、朝食ともに部屋食。食事をする部屋と寝る部屋は異なる。夕食の構成は前日宿泊した碇ヶ関温泉の「あいのり」と似ているが、飯塚旅館の方が3千円安い。

当日、飯塚旅館には宿泊ゼロ。温湯温泉街全体を見ても客らしきものを見なかった。実は、公衆浴場が立て替えられる前は半地下自然湧出の鄙びた浴場であったらしいが、消防法にひっかかるということで近代的な公衆浴場に生まれ変わった。これを契機に旅館(客舎)の泊り客が減り、日帰りが増えたため、飯塚旅館では、個人てはかなりの巨費を投じて内湯をつくったという。

源泉は共同管理されており、夫々に配湯されているが、総湧出量約毎分500リットルのうち、300リットルが公衆浴場に行っており、各旅館には40リットル程度しか配湯されていない。

これまでも、立派な公衆浴場や公共温泉を作ったおかげで、旅館の宿泊客、日帰り客が減り、死活問題となっている話をよく聞かされている。行政側は、地域住民のニーズや安全面や衛生面を考慮してというが、豪華な公衆浴場は、温泉街自らの首を絞め、風情を壊していることを自覚すべきだ。

温湯温泉の近くには、ランプの宿の青荷温泉や秘湯の会の温川温泉、八甲田の酸ヶ湯、谷地温泉など人気の”秘湯のやど”が目白押しの地域だ。利用者のニーズが変わり、マチに近い温泉街はどこも苦戦している。懐かしい湯の町が好きな方なら温湯のような温泉地を訪ねてほしい。

5月23日宿泊 1泊2食付 8,000円

【参考】温湯温泉 飯塚旅館のHP

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客室インターネットがOK,羽州路の宿 あいのり(青森県碇ヶ関温泉郷)

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青森県碇ヶ関町(現:平川市)は知る人ぞ知る温泉郷だ。街なか、湯ノ沢温泉郷、古遠部など温泉ファンには知られた名湯が所在する。

今回、この地区でももっとも秋田県側にある新しい温泉宿「あいのり」を訪ねてみた。国道7号線を大館方面へ向かうともっとも奥まった県境付近に巨大な施設があらわれる(5分も走れば秋田側の矢立温泉や日景温泉がある)。以前は豪華な温泉ホテルがあったらしいが、17年前に廃業。その後、荒れ果て状態で、このエリアでは有名な心霊スポットになっていたらしい。

2年前に老人ホームを経営する現オーナーが購入。敷地内にグループホームと温泉旅館「あいのり」をつくり、現在に至っている。元・温泉ホテルであったビルや温泉プールであったような建物は今だ使われていない。

実はこの宿「じゃらんネット」で知った。じゃらんの口コミでは高評価で、さらに客室内インターネット可能ということで予約を入れてみた。じゃらんでは、素泊まりのみで7,500円のコース(1人利用)しか載っていなかったので、直接電話をするとお一人様は2食付で1万2千円ですが、1万円で結構ですとのことだったので予約を入れた。このエリアとしては高額だが、施設も立派そうで、ネットOKの旅館などそうないので泊まってみた。

結論からいうと、老人施設を兼務しているだけあって従業員の対応が大変親切。しかし、対応が福祉施設的な親切さであって、管理人の祖母が入居している施設に来ているようであった。改善の余地はいろいろとあるが、朝食の手作りのりんごジュースや、従業員自ら採った山菜料理などこころ尽くしのサービスが気持ちいい。女社長自ら先頭に立って、切り盛りしている。

温泉は源泉が4本。そのうち3本は内湯と露天に使われており、クセのない無色透明な単純泉である。ウリはもうひとつの露天にある赤湯である。このエリア独特の鉄泉であるが、湯ノ沢温泉郷や古遠部とも異なる(湯ノ沢の秋元温泉に近いかも)。赤湯の浴槽が小さいのが何だが、それよりも日帰り入浴が多く、ゆっくり浸かることはできない。青森は朝湯習慣もあるので、宿泊客が寛げる時間は夜遅い時間だけである。

温泉力では同エリアの他所とやや劣るが、違った楽しみ方、使い方を求めればいい宿かもしれない。

5月22日宿泊 1泊2食付 1万円

【参考】相州路の宿 あいのりの公式HP
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中洲と天神の中間点、最高立地の西鉄イン福岡(最近泊まった宿)

2007年12月01日掲 載

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何と19年ぶりに博多へ泊まった。全国各地へ行っているつもりだが、博多は出張もなく、ご無沙汰であった。以前の記憶は殆どなく、どこに泊まるか迷ったが、福岡といえば西鉄なので今年8月にオープンした西鉄イン福岡へ予約を入れた。

福岡市中心部には西鉄インと名の付くホテルが、「福岡」のほか「博多」、「天神」とあり、さらに天神には西鉄グランドホテル、ソラリア西鉄ホテルがあり、混乱してしまう。

ホテルは那珂川沿いにあり、中洲と天神の中間、アクロス福岡の真ん前なので最高の立地である。ホテルはオープンして間もないが、もともと博多東急ホテルとして使われていたところである。それなので建物はかなり古い。

しかし、元シティホテルだけあって客室はゆったりしており、昔のスタンダードな都市ホテルに泊まっている安心感はある。客室はブロードバンド対応で、リニューアルもちゃんとされている。

朝食は最上階の”元・ラウンジ”でいただく。800円の和洋どちらかチョイスのセットメニューである。最近では珍しいスタイルであるが、内容は及第点といったところ。1泊目は洋食、2泊目は和食を選んだが、洋食にジュースが付かないのは残念だ。

料金も安く、コストパフォーマンスにも優れているホテルだ。

11月9,10日宿泊(じゃらんネット経由)ツインシングルユース 7200円

今後、「最近泊まった宿」は観光ミシュランで公開します

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中島公園を一望、隠れ屋的なノボテル札幌だが(最近泊まった宿)

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札幌の大好きな景色に紅葉の中島公園がある。そんな景色を眺めたく、かなり外れにある仏外資系ホテルノボテル札幌に予約を入れた。
ノボテルになってからは昨年の2月以来、2度目の宿泊。ホテルアーサー時代から何度も泊まっている。今回は「じゃらんネット」経由で公園側ツインシングルユース(8,000円)で予約を入れた。平日なので安い。

率直な感想は、リニューアルオープンした昨年2月と比較するとクオリティが落ちた印象だ。ホテル全体に覇気がかんじられない。客室のベッドシーツには血液の染みがあり、清掃全体がいまいち。ツインといってもそれほど大きな部屋ではないが、デスクが小さく、ノートPCを置くのがやっと。バスルームも暗く、水捌けもよくないが、アメニティは充実している。

朝食は昨年泊まった時と殆ど変わっていなかった。バイキング形式で、目の前で卵料理は好みに焼いてくれる。シャトルバスはルネッサンスホテルと共同だが、時間通り動いていた。アクセスが悪い場所なのでシャトルバスは助かる。

客室から中島公園の眺めは、ノボテルの向こうに位置する札幌パークホテルに軍配が上がる。パークは、藻岩山など市内中心が一望できるが、ノボテルは、南から東に位置しており、札幌ドーム方面は眺められるが、市内中心部は泊まった客室からは見ることはできなかった。

夜は最上階にあるバー「21」へ足を運んだ。札幌パークホテル開業時からの超ベテランバーテンダーさんがノボテルに居り、ギムレットをいただいた。体調が芳しくなく、ススキノへは出なかったが、久しぶり札幌の夜景を楽しんだ。

11月6日宿泊(じゃらんネット経由)ツインシングルユース8000円

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合理的な駅前一等地にあるコンフォートホテル函館(最近泊まった宿)

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函館駅前、電停の前に10月末にオープンした「コンフォートホテル函館」。開業してから1週間後に泊まってみた。コンフォートは、宿泊特化型ホテルで朝食は無料。勿論、客室ブロードバンドもあり、「ロフテー」枕に大きめのベッドと今どきのビジネスホテルである。

外資系のチョイスホテルジャパン(他にクオリティインなど)に加盟しているが、実際は四日市の会社がチェーンを運営しているらしい。
客室、ユニットバス共に狭いが、5,800円なら文句は言えない。これまで函館では、国際ホテルやロイヤルなどのシティ系か湯の川のビジネスパックなどに泊まってきた。以前、函館大門の東横インにはじめて泊まった時、その貧乏臭さがイヤになり、あまり安いところは避けていたが、寝るだけ、新築なので選んだ。

ホテルに文句はないが、無料朝食のサラダやフルーツはコンビニのひとり用プラケースに入っており、食器もすべて紙。濃縮オレンジジュースは原液で固まっていて飲めなかった。

それにしてもこの料金と設備、そしてアクセスのよさ、地場のホテルは太刀打ちできない。管理人はできるだけ地元資本のホテルに泊まるようにしているが、この合理性には勝てないと思った。

11/5宿泊 シングル5,800円(朝食無料)

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自家源泉と鄙びた家族宿 台温泉・滝の湯旅館(最近泊まった宿)

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滝の湯木造本館入口と2食付7500円の夕食そして湯量豊富な源泉風呂

鉛温泉・藤三旅館の翌日は、同じ花巻温泉郷でも北に位置する台温泉に宿を取った。

花巻駅前の観光案内所で宿の紹介を頼むと連休の土曜日と紅葉でどこも満室かもしれないと言われたが、管理人は台温泉は空いているという予想をしていた。事前にパンフで調べたが、素泊まり2千円くらいからの湯治宿が何軒かあり、写真で見ると鄙びているところが多い。連休中とはいえこういった宿へカップルやOLグループが本物温泉ブームとはいえ足を伸ばすとは思えなかった。

その中で「滝の湯旅館」が気になった。自家源泉も持っているようでかなり古そうな木造3階建て。これは管理人好みである。食事も付き、設備も整っていそうである。
早速、電話をしたが、「休前日にひとりでもいいですか・・・」と質問すると「空いてますよ。どうぞ」とシンプルな応答。観光パンフに書いてある料金より安い2食付7500円で、ひとり客料金や連休中の特別料金も取らない良心的な宿のようである。

チェックインの前、花巻近郊の土澤にある「萬鉄五郎美術館」に出かけてみた。管理人の知人が萬画伯の孫にあたるので以前から訪れたいと思っていた。ちょうど特別展では「熊谷守一」展を開催中。熊谷守一は管理人が生まれた豊島区千早町の自宅アトリエがあり、家がすぐ近くでよく通りかかったもので懐かしい。
それにしても地方の美術館は連休に関わらずガラガラ。さらに料金が常設と企画展を見ても700円なのだ。これは羨ましいことだ。

土澤からの帰り、釜石線の本数がなく、岩手県交通の路線バスで花巻へ。JRよりも3倍する運賃であった。花巻からは台温泉行きのバスに乗換え。乗客は3人。途中、豪華な宿が並ぶ花巻温泉を通るが、その先にあるのが台温泉である。

こじんまりした路地に十数軒の温泉宿が並ぶ。どこも規模が小さく、いい味を出している。お世話になる滝の湯は唯一、メインストリートから少し離れ、坂を登ったどん詰まりにあった。新館は鉄筋のようだが、玄関がある本館は相当の年代ものの木造建築である。

休前日にも関わらず泊り客は管理人以外に一組のみ。ちょっと不安であったが、館内は清潔で、実直そうなご夫妻は切り盛りをしている。温泉は自家源泉であるが、湯量が多く、他の温泉にも配湯しているとのこと。台温泉は源泉を共同で管理しているところも多いが、滝の湯は単独で、且つ2つの源泉を持っている贅沢な宿である。

浴槽なシンプルなつくり。打たせ湯がある。鉛温泉同様にくせのない無色透明だが、かすかな硫黄臭がする。
夕食は料金が料金だけに期待していなかったが、10品以上もあり、豪華な食卓であった。松茸料理が2品も出ている。この料金で申し訳ない内容だ。腹が膨れ、地酒で酔い、そのまま深夜まで寝てしまったが、12時過ぎに温泉には入った。

翌朝、オーナーの小瀬川夫妻と話が弾んだ。以前は湯治客が多かったそうだが、今は殆んどいないらしい。夫婦だけであまり宣伝もせずに地味になっていると言ってが、勿体ない気がした。ちゃんとPRができれば十分に復活できそうな宿である。

7500円プラス冷酒代では申し訳ないので1万円を置いてきた。のんびり1週間ぐらい過したい台温泉・滝の湯旅館であった。

台温泉には素泊まりで2千円台の湯治専門の宿が何軒かある。また、レトロな佇まいの中島旅館などいい形で温泉街が残っている。(11/3宿泊)
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女性ウケしそうな岩手県鉛温泉・藤三旅館旅籠部(最近泊まった宿)

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藤三旅館外観と2食付9300円の夕食 

函館へ向かう前日と前々日は花巻温泉郷に泊まった。
花巻市は鄙びた宿からハイグレードの宿まで広範囲で点在している温泉郷だ。11月上旬、予てからの楽しみであった花巻温泉郷にある木造3階建て旅館2ヶ所に宿泊した。1泊目は全国的にも名の知れた鉛温泉の藤三旅館旅籠部に投宿。

藤三温泉は鉛温泉にある一軒宿で古くから湯治場として栄えている。「旅籠部」と書いたのも「湯治部」と分かれているためである。
花巻駅から岩手県交通のバスに乗車。30分足らずの距離だが、運賃が900円と高い。そこそこの乗車があったが、車がないと地方は生活ができないとあらためて思う。

途中、志戸平、渡り、高倉山、大沢などいくつかの温泉を通っていくが、どこも個性がある宿に見える。特に大沢は藤三と同じような鄙びた湯治棟からレトロな和風棟、豪華な新館まであり、混浴露天が有名だ。藤三旅館はバス停から道を下り、川沿いにあった。お目当ては木造3階建建築であるが、よく手入れが行き届いている。

名物は日本一深いといわれる岩風呂であるが、この他にも渓流沿いの露天など4つの風呂がある。お湯は癖がない単純泉だが、こういうお湯が意外に後から効く。現在、もう一ヶ所、違う泉質のお湯の掘削に成功したと仲居さんが言っていたが、枯れないか心配だ。

この宿、なかなか経営も近代的で合理的。管理人は「じゃらんネット」で経由で予約を入れたが、予約の約半分がじゃらんなどのネットエージェントだという。少ないスタッフを効率よく動かしており、今どきの頑張っている旅館である。外見からは想像できない。やる気のある後継者がいれば変わってくるはずだ。

夕食は部屋食。十分な量だ。東北の温泉宿としては品のいい料理で合格点。花巻は温泉郷となっているので、各旅館は刺激しあい、切磋琢磨しているのでレベルが高くなるのであろう。

面白いのは湯治部だ。夜、訪れると観光の網走監獄を思い出させる暗い廊下。湯治客の日用品が揃う売店が2ヶ所ある。とても気のいいお婆ちゃんがやっており、話が弾んだ。湯治部は2食付でも5千円でお釣りが来る。自炊なら2千円程度だ。古くて、少し暗いが湯治部も混んでいた。ちなみに管理人が泊まった旅籠部は9300円であった。

翌朝はスタッフ全員でお見送り。よくある光景だが、花巻温泉郷ではどこでもやっているようだ。1万円以下のそれも湯治系の旅館でこのようなサービスをやっているところは初めてだ。
管理人は鳴子温泉によく行くが同じ湯治系でもホスピタリティという世界から鳴子はかけ離れている。多分、30年以上誰も泊まっていないような客室がある湯治棟がある宿があるが、レトロを通り越えてお化け屋敷であった。

鉛温泉・藤三旅館、決して鄙びていないが、OLグループや家族連れでも楽しめる宿である。また、行ってもいいレベルだ。但し、温水便座の水圧が足りずどれも使えなかったのは残念。(11/2宿泊)

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湯治部売店と客室廊下

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